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甘草屋敷(旧高野家住宅)とは
甘草屋敷(かんぞうやしき)は、山梨県甲州市塩山にある国の重要文化財。
旧高野家住宅が正式名称で、通称が甘草屋敷と言う事になる。
塩山にて長百姓(おさびゃくしょう)を務めたていた高野家は、江戸時代初期から薬草である甘草(ウラルカンゾウ)の栽培を始めたが、日本で最も古い由緒をもつようだ。
甘草(かんぞう)は、漢方薬の約70%にて基本的に使われる薬草であり、単独では喉の痛み緩和、咳を鎮める効果があるとされる。
その他、甘味料としても使用されており、例えばカルビー「かっぱえびせん」にも原材料名の甘味料に「甘草」とある。
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江戸時代中期の享保5年(1720年)、徳川幕府の採薬師・丹羽正伯が高野屋敷内の甘草を検分し、江戸幕府御用として栽培・管理が行われるようになった。
高野家は名主として苗字帯刀が許され、江戸幕府に納める甘草を栽培することになり「甘草屋敷」と呼ばれたのが由縁・理由となる。
甘草園は年貢諸役を免除され、栽培した甘草は幕府の小石川御薬園への補給源になったと言う。
国の重要文化財となっている「旧高野家住宅」の3階建て母家は、江戸時代後期(19世紀前半)の建築物で切妻造になっている。
建物内部は三層構造で上層階は甘草の乾燥に用いられていたようだ。
主屋の他に付属屋の合計9棟が重要文化財に指定されている。
屋敷構えをそのまま歴史公園「薬草の花咲く歴史の公園」として整備され甘草園も復元されている。
毎年2月中旬~4月中旬には甲州市のえんざん桃源郷「ひな飾りと桃の花まつり」が甘草屋敷を中心に開催され、約4000体のひな人形が展示される。
享保雛や古今雛、御所人形に五楽人、ひなの吊るし飾りなど、大変貴重で歴史を感じる雛飾りが見ものだ。
敷地内は無料見学可能だが、建物内は有料拝観となる。
執筆時点での休館日(定休日)は毎週火曜日と年末年始。
見学可能時間は、朝9時~16時30分。
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甘草屋敷の見学所要時間は20分~40分程度で、トイレも完備されている。
交通アクセス
JR塩山駅の北口から正面(徒歩1分)と、駅から近くて観光には便利。
無料駐車場はちょっと離れたところにあるので、当方のオリジナル関東地図にてポイントしている。
スマホで表示・検索して、目的地として選択し「ナビ開始」にすれば、カーナビ代わりにもなる。
地図は自動車用、歩行用でも、ナビとしてお使い頂ける。
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