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吉野の桜 散策が楽しい吉野山厳選5箇所の観光ポイント

吉野山

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吉野山(よしのやま)は奈良県吉野郡吉野町にある、尾根続きの山稜の総称です。
古くから桜が有名であり、国内屈指の桜の名所として知られ、吉野山は国の名勝・国指定史跡に指定されされているほか、世界遺産にもなっています。
そんな吉野山の楽しみ方を厳選して記載したいと存じます。

吉野の桜

まず、吉野山に桜が多い理由ですが、諸説ありますが、蔵王権現のご神木が「サクラ」であるとされているからです。

修験道の開祖とされる役小角(えん-の-おづの)※人名です※が、金峰山で修行をした際に、金剛蔵王菩薩(こんごうざおうぼさつ)が出現しました。
この時、蔵王権現像を彫ったとされますが、その使用した樹木が桜であったとされます。

以降、修験行者は桜材を使って権現を彫刻して祀ると言うのが習わしとなりました。
そもそも「サ」と言う字は、山の神を表ししていると考えます。

神社の敷地のことを「境内(けいだい)」と言いますが、神様と我々人間には境目があり、神と人間の境目を「サカイ(境)」、その垣根が「サク(柵)」と言う事です。
神様が山から「さと(里)」に下りてくる道を「サカ(坂)」、「さなえ(早苗)」を作り、田植えの時期(5月)は「サツキ(五月)」ですね。
米作りに欠かせない長雨を「さみだれ(五月雨)」、田植えをする若い女性の事は「さおとめ(早乙女)」と呼びます。
山に住み神の使いとされたのは「サル(猿)」、山の中(神の領域)で迷う事を「さまよう(彷徨う)」、今でも神事に欠かせない「ササ(笹)」や「サカキ(榊)」は神聖な植物です。
神様には「ささげもの(捧げ物)」を「ささげる(捧げる)」為、そのお供え物で最も使われる物は稲から作った「サケ(酒)」で「サカズキ(杯)」に入れました。
食べ物として「さかな(肴)」を添えて「サラ(皿)」に乗せますよね。
お祭りを行う際の神様の貴賓席は「サジキ(桟敷)」と言い、庶民は地面の芝に座ったので、芝居と言う言葉も生まれました。
子供を「さずかる(授かる)」、そして嬉しいことや幸福を「さいわい(幸い)」と言って、神に祝ってもらう事を意味します。
「サチ(幸)」は、神にたくさん集まってもらいたいと言う意味です。

サの神は「山」の神様で冬は山に篭り、暖かくなると里に降りて来ると考えられていました。
3月下旬になって、気候が暖かくなると「サクラ(桜)」が咲く訳です。
このように古来から山の神として信仰があったわけです。
このように、吉野山は、大峰山へと続き、熊野三山にも抜けられる山岳霊場・修行の場でした。

よって、桜はご神木であり、吉野では枝を折ると、指を切ると言う厳しい掟もあったようで、信仰の対象としてサクラも守られてきた訳です。
また、蔵王権現に祈願する際に、桜の苗を寄進するのが最善の供養とされ、平安時代の頃から多くの桜が植えられました。

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現在でも、3月下旬頃から桜が咲くと、日本全国より観光客が押し寄せます。
夜にはライトアップもされますので、夜桜も楽しめます。

戦国時代の1594年(文禄3年)には、太閤・豊臣秀吉が5000名を連れて訪れて、吉野山で花見を行っています。
豊臣秀吉が花見をした場所として「太閤の花見塚」が残っていますが、吉野山からは東にある山にあります。
そのため、吉野山に登って、サクラをすぐ近くから見物したのではなく、見渡せる別の山に入って、吉野山を展望する形で花見をしたことがわかります。

吉野山は駐車場があることはありますが、山の上でスペースが乏しいため、あまりありません。
道路もあまり広くは無いのです。

吉野山

そのため、普段の土日は良いのですが、サクラの時期にはマイカー交通規制も敷かれます。
観光ツアーで訪れるか、近鉄・吉野線で訪問するのが、賢明な判断となります。
どうしても土日祝などの混雑時に車で行く場合には、麓の吉野小学校近くにできる「第一駐車場」にクルマを止めて、バスライドに乗車して吉野山に向かうことになります。
パーク&バスライドは、低いほうの吉野山観光駐車場行きと、高所の中千本公園行きの2コースあります。
よって、行きは中千本に乗車して、下り坂にて桜見学しながら金峰山寺、そして下千本へと下って行く感じで観光すると良いでしょう。
平日は、中千本公園付近の駐車場が利用できますが、シーズン中の駐車料金は1500円です。(シーズン以外は無料)

繰り返しますが、吉野の桜の時期は、ツアーバスで訪問したほうが、ラクラクで無難です。
もしくは、歩くのを覚悟して、近鉄で吉野駅に行きましょう。

混雑をできる限り回避するのであれば、ツアーが来ない朝早い時間から現地に到着できるとベストです。
吉野山には、小さな旅館・民宿も多いですので、時間と予算があれば宿泊してゆっくり見学するのも良いです。

吉野ロープウェイは、2018年4月28日に、ゴンドラが駅に接触する事故が発生した他、ワイヤロープやゴンドラの走行輪などにも異常が見つかり、長期に渡って運休となっています。
運航再開のめどはたっていません。
ロープウェイを使わずに、坂道を登った場合には、上の道路まで徒歩20分となります。

吉野町の「吉野山」桜開花情報

金峰山寺

金峯山寺(きんぷせんじ)は、吉野山のシンボルともいえる修験道の本山です。
本尊は蔵王権現(秘仏)で、開基は役行者(えんのぎょうじゃ)で知られる役小角と伝わります。

蔵王権現

宗派は独自の金峯山修験本宗です。

平安時代には、山岳信仰に密教、末法思想、浄土信仰などが融合して信仰を集め、皇族・貴族などの参詣も相次ぎました。

鎌倉幕府打倒の際には、護良親王が金峰山寺の蔵王堂を拠点として吉野城を構成したため、鎌倉幕府の軍勢が攻め込んでいます。
南北朝時代には、後醍醐天皇が吉野山に入って、南朝の本拠地としました。

江戸時代に入ると、1614年に徳川家康の命にて、天台宗の僧・天海が金峯山寺の学頭になっています。

二王門は、室町時代の1456年に建てられたものが現存しており「国宝」に指定されています。
私が訪問した際には修復中でした。

金峰山寺・二王門

本堂(蔵王堂)は、戦国時代の1592年に豊臣家が寄進したもので、こちらも「国宝」に指定されています。

金峰山寺・蔵王堂

なお、蔵王堂の近くには、威徳天満宮があります。
社殿は、桃山時代の建築で、豊臣秀頼が改修したと伝わります

威徳天満宮

吉水神社

吉水神社(よしみずじんじゃ)も世界遺産のひとつになっています。

吉水神社

主祭神は後醍醐天皇で、南朝方の忠臣・楠木正成、吉水院宗信法印が配祀されています。
隣接する書院には、後醍醐天皇の玉間と源義経が隠れたとされる部屋があり、重要文化財に指定されています。

如意輪寺

如意輪寺(にょいりんじ)は、浄土宗の寺となりますが、南北朝時代に後醍醐天皇が吉野に入ると、勅願所となりました。

如意輪寺

1339年、京に戻ることを夢見ていた後醍醐天皇が崩御すると、本堂の裏山に葬られたため、現在、宮内庁管理の後醍醐天皇陵(墓所)があります。

後醍醐天皇陵

のち1346年12月に、楠木正成の長男・楠木正行が「四條畷の戦い」に出陣するに際し、一族郎党にて後醍醐天皇陵を詣でたとされます。

楠木正行

吉野山からは離れた山腹にありますが、無料駐車場は完備されていますので、クルマであれば訪問しやすいです。
場所は当方のオリジナル地図もご参照賜りますと幸いです。

脳天大神

吉野・脳天大神(のうてん-おおかみ)は、神社の名称となり、正式には脳天大神龍王院と言います。

首から上の病気に霊験あらたかで学力向上・入学試験合格、病気全癒、商売繁盛祈願の参拝参詣者が多いです。
まさに、現代にマッチしたパワースポットと言えます。

なお、脳天大神は、吉野山の尾根ではなく、吉野山から下がった谷間にある川沿いにあります。

脳天大神

そのため、行き方としては、金峯山寺の蔵王堂から西へと下がり、約450段の石段を下った場所になります。

脳天大神

行は下りですので良いですが、帰りは450段の登り坂となります。

脳天大神

金峰山寺の下のあたりに「杖」の無料貸し出しがありますので、利用しましょう。

脳天大神は、頭を割られた大蛇を祀ったとされますが、その大蛇は蔵王堂の本尊が悩み苦しむ、人々を救うために姿を変えて出現したものと伝わります。

脳天大神

社務所にて、護摩木(300円)を渡すと、 神様のおさがりの「ゆで卵」を頂けます。
下記のようにお百度参りもできる場所も完備されていました。

脳天大神

滝修行ができる場所もありましたが、利用は要確認です。

脳天大神

帰りの階段は、まさに心臓破りでして、厳しくつらいですが、神厳の中を散策するのは異次元とも言える空間で、行ってよかったと思えるところでした。

脳天大神

観光所要時間は、金峯山寺から往復で50分といったところです。

さて、厳選5箇所ですので、このあたりでやめておきますが、吉野は「吉野葛」でもよく知られるところで、お土産物店や飲食店もあります。
吉野山からの展望は下記のような感じです。

吉野山からの展望

吉野への交通アクセスですが、名古屋方面から吉野を電車で訪れる場合には、近鉄・名古屋線(大阪線)にて近鉄特急で、大和八木駅にて乗り換え、約3時間となります。
大坂方面からは、近鉄・大阪線ですが、大阪阿部野橋駅から直通の特急で1時間20分くらいです。
京都からは近鉄京都線の特急で、橿原神宮前駅にて乗り換えの約1時間40分となります。

関西空港からは、大和八木駅行きのリムジンバスに乗って、近鉄で向かうのが良いかと存じます。

以上、吉野の楽しみ方でしたが、皆様のお勧めスポットがございましたら、是非、下部のコメント欄にでもお寄せいただけますとうれしく存じます。

吉野城(金峯山城) 護良親王や後醍醐天皇の南朝拠点となった要害
洞川温泉「龍泉寺」奈良県天川村の聖地
天河大弁財天社 神様から呼ばれないと行けない神社?
関西方面の観光に便利なオリジナル地図


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髙田

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