奈良・長谷寺
奈良の長谷寺(はせでら)は、奈良県桜井市初瀬にある真言宗豊山派総本山です。
創建は奈良時代で、686年に僧・道明が初瀬山の西の丘に三重塔を建立したのか始まりとされています。
更級日記や源氏物語などの古典文学にも、たびたび長谷寺の名前が出てきます。
長谷寺入口の仁王門から本堂までは、399段の屋根付きの階段で国の重要文化財「登廊」(のぼりろう)となっており、登りきったところにある長谷寺・本堂は「国宝」に指定されています。
本堂は豊臣秀長の援助で再建もされていますが、現在の本堂は、江戸幕府の3代将軍・徳川家光の寄進を受けて江戸時代の1650年に建てられた8代目となります。
格式と威厳がある巨大な建物になっています。
本堂の正面は、京都・清水寺を思わせる舞台がせり出しており、たくさんの観光客が展望を楽しんでおられました。
本堂に安置されているのは高さ10mあるご本尊・十一面観音像で、727年に僧・徳道が祀ったと言われていますが、国の重要文化財に指定されています。
本物は撮影禁止のため、境内にあった看板で代用させて頂きます。
伝承によると、巨大な神木が初瀬川に流れ着きましたが、大きな祟りを起こしたため、村人の懇願を受けて開祖・徳道が祟りの根源である神木から観音菩薩像を掘ったと言います。
このとき、2つの大きな十一面観音像が作られたとされ、1つは太平洋を渡って鎌倉の長谷寺に安置されたともされています。
ただし、長谷寺の説明によりますと、播磨国揖保郡矢田部村出身の徳道上人が、琵琶湖のほとりで祟りをなす霊木を使って十一面観音を刻み、長谷寺の本尊にしたとあります。
なお、現在の本尊像は戦国時代の天文7年(1538年)に再興されたものとなりますが、国宝と重要文化財の木造彫刻としては、日本で最大のものとなります。
平安時代には貴族からの信仰も厚く、1024年には藤原道長が参詣していますが、真言宗であることから武士らの信仰も広めました。
戦国時代の1588年には、豊臣秀吉から根来寺を追われた新義真言宗門徒が入山し、僧正・専誉によって現在の真言宗豊山派が確立しました。
その他、仁王門、登廊5棟(下登廊、繋屋、中登廊、蔵王堂、上登廊)、三百余社、鐘楼、繋廊が国の重要文化財となっています。
今回は、本尊大観音尊像春季特別拝観の期間でしたので、プラス800円をお支払いしてもちろん拝ませて頂きました。
普段は入れない国宝本堂の中に入るとすぐに受付があり、手のひらに、ひと匙ほどのお香の粉を頂戴することになります。
大変良い香り包まれながら、本堂の奥へと進みますが、別途「五色紐」も頂けますが、五色紐は各方面の仏に守護され、心と体の健康と魔除けの作用があると言う密教思想のお守りです。
そして、金色に輝く観音尊の足元に行き、直接、高さ10mある観音様の、大きな足を触りながらお願いごとができると言う、非常に特別な体験ができました。
本堂の内部は写真撮影が禁止のため、写真はありませんので、ご容赦願います。
なお。初瀬山は牡丹の名所で、毎年4月下旬~5月上旬には、150種類以上、7000株もの牡丹が満開となり参道を行く人の目を奪います。
また、あじさいの時期も良いです。
「花の御寺」とも称される長谷寺ですので、このよう、桜、牡丹、あじさい、紅葉、寒牡丹など四季折々の花も楽しめます。
奈良・長谷寺の参拝は有料拝観で、仁王門の下にて拝観料を支払います。
入山は、4月~9月が朝8時30分~17時、10月~3月は朝9時~16時30分となります。
大人・中高校生は500円、小学生・障害者は250円です。
なお、大晦日の12月31日午後4時30分~1月3日夕方まではの年末年始は入山料が無料となります。
この記事にある写真は合計3回ほどの訪問による写真を混ぜております。
下記はちょうど桜の時期に訪れた際の長谷寺の写真です。
紅葉の時期は11月中旬~12月上旬頃とのこと。
実は小生は神奈川県に住んでおりますが、鎌倉の長谷寺よりも、奈良の長谷寺の方が訪問回数が多いです。
奈良だけでなく、もっと、鎌倉の長谷寺にもお参りしたいと存じます。
交通アクセス
交通アクセスですが、近鉄奈良駅から約60分、近鉄・大阪線の長谷寺駅から徒歩15分となります。
長谷寺の門前には、古い建物になっているお土産物店や旅館が並びます。
そのため、初瀬街道の道路も昔のままで狭いです。
上記の説明どおり、階段は399段ありますが、段差は緩めのため、そんなにキツイ階段ではありません。
オススメの有料駐車場(70台・500円)は下記の地図ポイント地点となります。
※お身体の不自由な方には、門前駐車場⇔本堂間の無料送迎があります。
国道165号をクルマで走っていると現れる「長谷寺」の案内表示に素直に従って、進めた方が無難です。
道路は狭いところも多いのでどうぞご注意を。
その他、初瀬街道沿いに、民間の駐車場もあります。
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