鳳来寺(ほうらいじ)は、愛知県新城市の鳳来寺山の山麓に築かれている真言宗五智教団の寺院となります。
開山は、利修仙人で大宝2年(702年)と伝わります。
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国指定名勝・天然記念物にも指定されている鳳来寺山(ほうらいじさん)は、約2000万年前の火山活動で噴出した標高695mの死火山で、流紋岩、松脂岩、凝灰岩などからなる岩肌が、ところどころで露出しています。
その幻想的な岩肌が、自然信仰の対象となったのは間違いなく、古くから山岳修験道の霊山となっていました。
とは言え、岩からなる山ですので、急峻な斜面でして、よくこんなところに鳳来寺を建立したものだと感心させられます。
鎌倉時代には源頼朝が再興したと伝わります。
特に、平治の乱で敗れた源頼朝の父・源義朝は尾張で殺害されますが、この時、源頼朝は鳳来寺に落ち延びたとされます。
ただし、鳳来寺に3年も滞在していたと言う記録には疑問点もありますので、もしかしたら、源義朝や源頼朝に仕えていた家臣の話が伝わるうちに、源頼朝と言う事になったしまったのかな?と言う気がいたします。
その後、戦国時代には長篠城主・菅沼正貞などより寺領の寄進を受けるなどしました。
その頃、井伊谷でまだ幼かった井伊直政は、命を狙われるようになり、珠源と言う僧侶に連れられて鳳来寺に逃れてきました。
武田信玄が西上途中に病が重くなると、ここ鳳来寺にて肺肝の療養をしますが、芳しくなく、甲斐への帰路に付いたとされます。
なお、豊臣秀吉からは300石となっています。
また、徳川家康の生母・於大の方が鳳来寺を参拝すると、竹千代(徳川家康)を宿したことから、江戸時代には徳川家から厚く庇護を受けます。
最終的には寺領として1350石が与えられたと言いますので、スゴイですね。
ちょっとした旗本並です。
3代将軍・徳川家光は、鳳来寺の伽藍を改修しただけでなく、徳川家康を祀る「鳳来寺山東照宮」も建立させ、1651年に完成しました。
上記の階段を登った上に、鳳来寺山東照宮がありました。
とても豪華な社殿です。
日光東照宮・久能山東照宮とともに、日本三東照宮と称されています。
下記は、鳳来寺の方向から東照宮に登る階段ですが、まさに「城」と同じ石垣の技法で、迫力があります。
昔にこれだけの石を運んだのは、大変だったとつくづく感じます。
鳳来寺の本堂は大正3年(1914年)に焼失したのち、再建されたものとなります。
明治にはJR飯田線の本長篠駅から豊橋鉄道田口線が設楽町まで敷かれて、鳳来寺の麓にも鉄道駅ができました。
しかし、1968年(昭和43年)8月末に全線廃止となり、その鉄道の遺構も付近では垣間見えます。
現在、鳳来寺への行き方は、2通りあります。
ひとつは、古くからの参道となる麓から登っていく方法です。
ただし、この麓である鳳来寺山表参道の石段から登りますと階段は1425段もあり、麓の無料駐車場から登ると本堂まで1.2km、約90分も掛かります。
下記写真はその麓の方向を撮影したものです。
本長篠駅から豊鉄バス(田口新城線)利用の場合には、麓の鳳来寺バス停下車となります。
※鳳来寺山頂バス停(下記で説明する山頂駐車場)もありますが、バスは紅葉シーズンの土日祝など季節運行となります。
もうひとつは、1971年に開通した「鳳来寺山パークウェイ」で登って行く方法です。
かつては有料道路でしたが、2005年7月1日からは無料となっています。
ただし、終点の鳳来寺山パークウェイ駐車場(山頂駐車場)は、無料開放と同時に有料駐車場となりました。
有料駐車場の営業時間は朝8時~夕方18時で夜間は閉鎖されます。
駐車料金は1回500円です。
鳳来寺では山頂と言う名がしばしばみられますが、山頂ではなく、山頂に近い中腹です。
パークウェイ駐車場(山頂駐車場)から鳳来寺の本堂までは徒歩20分ですが、舗装されているので歩きやすいです。
鳳来寺山の山頂へは、鳳来寺の本堂から奥の院は30分、更に鳳来寺山の山頂には10分。
すなわち、山頂駐車場から鳳来寺山の山頂には片道で60分程となりますので、ご確認申し上げます。
瀬戸岩(せといわ)と言う絶壁まで行くには、パークウェイ駐車場(山頂駐車場)から片道3時間となります。
このように山頂まで行くのには、登山の装備が必要です。
パークウェイ駐車場(山頂駐車場)(標高493m)から鳳来寺(標高453m)と鳳来東照宮(473m)を見学・お参りするだけでしたら、普通の靴で大丈夫ですし、往復で50分程度の見学所要時間となります。
ただ、冬は風が吹いていると結構「寒い」です。
なお、鳳来寺までは、クルマも通行できる広さの道路で、舗装されていて歩きやすいのですが、最近、高所恐怖症となっているので崖の下は断崖絶壁になっているかと思うと、怖かったです。
パークウェイ駐車場(山頂駐車場)の場所は下記の地図ポイント地点となります。
地図は縮尺を変えてご覧願います。
もし、近くに鳳来寺の近くに宿泊するのであれば、東の麓にある「湯谷温泉」にいくつか旅館があります。
スゴクお安い宿もありますよ。
よければ、下記をご参照願います。
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