小石川後楽園(こいしかわ-こうらくえん)は、東京都文京区後楽にある都立公園で、国の特別史跡、特別名勝に指定されています。
関東一円で、特別名勝になっているのは六義園(りくぎえん)、小石川後楽園、旧浜離宮庭園の3つだけで、特別史跡に至っては小石川後楽園、旧浜離宮庭園と、大変貴重な場所でして、まさに都心のオアシスと言えます。
そんな小石川後楽園の成り立ち・歴史と、気軽に立ち寄る方法として、少し記載してみたいと存じます。
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そもそも小石川後楽園は、江戸時代の初めに大名庭園として造られました。
ここは、徳川御三家でもある水戸藩の江戸上屋敷があった場所なのです。
上記が正門ですが、正門は閉じられていますので、西門(下記)が有料見学の出入口となっており、他の門は閉じられています。
小石川後楽園に入場しますと、まずは大きな池「大泉水」が目に入ります。
小石川台地の先端の傾斜地も生かした庭園で、池の水は神田上水を取り入れました。
江戸幕府が成立すると、参勤交代のため各大名は、江戸にも屋敷を構えましたが、そのうちの上屋敷と言うのは、江戸に参勤した大名の住まいであり、人質となっていた大名の正室・嫡子の生活の場でもありました。
ちなみに、藩士身分ですと、中屋敷、下屋敷などに住むわけです。
正確には、最初、小石川後楽園があった場所は中屋敷だったのですが、のちに上屋敷に変更となった次第です。
浜離宮は、徳川将軍家の別邸・浜御殿が建てられた場所の庭園と言う事ですが、後楽園は、水戸・徳川家の日本庭園と言う事になります。
なお、後楽園の前に「小石川」と地名を付けるのは、日本三名園である岡山城の後楽園と区別するため、便宜上、そのように呼ぶのが通例となっています。
後楽園と言う名称の由来としては・・。
天下の憂いに先立ちて憂え,天下の楽しみに後れて楽しむ
と言う、范仲淹「岳陽楼記」の言葉から命名にしたものです。
意味としては、世の中の人に先立って天下国家のことを心配し、人々が楽しんだあとに楽しむ場所として、後楽園と名付けられたようです。
水戸城主となった水戸藩・初代藩主の徳川頼房が、1629年に、徳大寺左兵衛と言う庭師作らた回遊式築山泉水庭園で、嫡子の徳川光圀(水戸黄門)が改修しました。
中国の名所の名前が随所につけられた景観で、中国の趣味が豊かなものになっています。
築山・川・池が絶妙に配置されており、見る角度によっても、庭園や紅葉の表情が変化します。
水戸黄門にも関係する史跡であることから、テレビドラマ「水戸黄門」のロケでも度々使われました。
なお、水戸藩は水戸の偕楽園と言い、梅が好きなようで、奥の方には春に花を咲かせる梅林もあります。
今では、結婚式の前撮り(ロケーション撮影)の場所としても人気ですが、商業撮影には許可が必要です。
下記は、京都の東福寺・通天橋を表現した「通天橋」です。
このように園内は色々と歩けるようになっており、一部ですが、車椅子むけのコースもあります。
下記の得仁堂は、水戸光圀が18歳の時に、史記「伯夷列伝」を読み感銘を受けて、伯夷・叔斉の木像を安置したお堂になります。
明治新政府が樹立し、版籍奉還となると、新政府の土地になりましたが、明治天皇が訪れるなどし、外国人の観覧者も多くなって、世界的に名園として知られるようになりました。
小石川後楽園は有料拝観で、開園時間は朝9時~夕方5時まで(入園は午後4時30分まで)となっています。
定休日(休園日)は、年末年始(12月29日~1月1日まで)のみです。
ペットとの入園は禁止となっています。
お抹茶程度を頂けるお土産物店が入口から入ったところに新設されましたが、昼食・ランチを頂けるようにレストラン・食堂は園内にはありません。
また、お弁当を持参して、シートを敷いて食べるような雰囲気のところではありません。
ただし、ベンチがある東屋(休憩所)がいくつかありますので、オニギリ程度は持参しても大丈夫そうです。
小石川後楽園への交通アクセス・行き方ですが、一番近い駅は、都営大江戸線の飯田橋(E06)で、C3出口から徒歩3分となります。
その他、飯田橋からでも徒歩8分ほど、東京メトロ丸ノ内線・南北線の後楽園駅からでも徒歩8分ほどですが、水道橋駅からでもそんなに遠くはありません。
駐車場はありませんので、付近の有料駐車場(コインパーキング利用)になりますが、すぐ近くに駐車場は無いです。
小石川後楽園の見学所要時間は、東京駅から地下鉄・丸ノ内線で後楽園駅までの往復+園内見学時間も含めますと、最短時間としては90分といったところです。
新幹線に乗るまで1時間30分以上、時間が余ってしまった場合なんかには、お勧めです。
なお、入場口から園内の散策時間としては、30分~60分といったところです。
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紅葉シーズンは、11月下旬ころとなります。
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