黒湯とは
東京近辺の温泉は「黒湯」が湧出することが多いですが、東京の黒色の濃さは日本屈指の黒さです。
黒湯は茶褐色・赤褐色・コーラ色・醤油色・コーヒー色・飴色・べっこう色・琥珀色などと表現されることも有ります。
泉質的にはモール泉とも呼ばれ、神奈川県でも川崎市・横浜市・相模原市などの日帰り温泉で湧出しています。
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火山性の温泉では黒くなりません。黒くなると言う事は海洋性の温泉なのです。
なぜ、黒い水なのかと申しますと、古代の海の浅瀬に生えていた植物=ワカメやのりや、流れ出した木の葉などの植物類が海底に沈殿し、火山灰などの堆積物により厚く閉じ込められ、何億年と言う長い年月を掛けて圧力や経年変化で有機酸に分解された成分「フミン酸」が黒い色の元です。
要するに石炭の形成途上であり炭化が進んでいない泥炭や、亜炭層から源泉を汲み上げる事になった結果なのですが、泉質によっては独特のモール臭(油がこげたような臭い)がする湯もあります。
もっと、何億年単位と経過すると石油になる可能性がある地下水と言えば、わかりやすいでしょうか?
その為、油臭がする場合や、少しだけお湯に油が浮いているような場合もある温泉なのです。
え? 油の温泉に入るの? 体は大丈夫? とお思いになるかもしれませんが、含まれる天然の油分は僅かです。
しかし、その油が皮膚をコーディングしますので、保温・保湿効果があり、皮膚疾患にも効きますし、効能も実感しやすいです。
深度200m~500m位では主に地下水に溶け込み、深深度1000m以上では主に海水に溶け込んで、その堆積した水を「井戸」により汲み上げています。
場所によっては、地下水が豊富で、混ざった水の割合が多く、黒色が薄まって茶色など薄く感じられる温泉もあり、黒湯と言っても様々です。
特徴としては火山性ではないので、マグマで熱くなっておりません。
その為、25℃以下の冷泉であることが多く、加温して入浴すると言う事になりますが、1500mなど深度があると地熱で40℃近くまで暖まった温泉もあります。
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そもそも、1500mも掘って、黒湯ではない、普通の地下水に当たったとしても、その水温は地熱で40度くらいになっています。
そのため、25℃以上の水が出れば、それは温泉と言う定義になるのです。
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