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安全なスキーバスツアーの見分け方と安全運行への提言


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2016年1月、軽井沢でのスキーツアーの夜行バス単独事故で、大学生など若者15名が命を落とすと言う、大変痛ましいニュースがありました。

私も、2015年に姫路へ向かう際、20年振りくらいに夜間高速バスに乗車致しました。
元添乗員から見たバスツアーと、若い頃には同様にお客さんとしてスキーバスツアーに参加した経験からも、バスツアーの現状や、特にバスでのスキーツアーの選び方など、独自の観点から記載してみたいと思います。

小生も、若い頃には、東京・新宿発のスキー夜行バスツアーの観光バスに乗って、八方尾根や野沢温泉、妙高、神立、苗場などのスキー場に良く出掛けたものです。
ただ、昔はJR東日本の「シュプール号」と言う、臨時スキー列車もありましたので、電車で行くこともあれば、自分で車を運転して行くこともありました。

しかし、高速道路が整備されて、スキーバスが台頭したこともあり、現在はその「シュプール号」は、1本も走っていません。(臨時運転の白馬方面行きムーンライト信州はあります。)
すなわち、夜行の交通機関でスキー場に出掛ける場合には、今は「スキーバス」しか選択肢がないと言えると存じます。

スキーツアーが得意と言うか、スキー老舗の旅行会社としては、ビックホリデーさん、オリオンツアーさん、サミーツアーさんがあります。
しかし、そのサミーツアーさんの場合、2007年2月に、スキーツアーの夜間走行バスが居眠り運転で事故を起こして、16歳の添乗員が死亡しました。
この時のバス会社も2000年の規制緩和を受けて新規参入した会社さんでした。
ちなみに、サミーツアーさんは、信用が低下し、その後2009年に自己破産しています。

スキーバスツアーなどの構造は下記の通りです。

旅行会社(主催会社)が参加するお客様を募集しますが、その中身は、旅行会社が所有していない、別会社の施設やバスが使われています。
これは、スキーツアーに限らず、海外旅行でも同様な話ですが、旅行ツアーでバスを使用する場合、申込前に、どこのバス会社のバスに乗る事になるのかは、利用者に開示されていないことがほとんどです。

これが一番の問題です。
例えば、新幹線で行くツアーでしたら「あぁ、JR東海の新幹線に乗るんだな」と分かりますし、飛行機で行くツアーも、だいたいは「JAL予定」など明記されてますので「日本航空に乗るんだな」と分かります。
自分が乗る交通機関の会社イメージが湧きますよね。

しかし、バスツアーの場合、どのバス会社さんのバスになるのかは、当日、行って見ないとわかりません。

私が務めていた旅行会社は、電鉄系でしたので、その旅行会社のバスツアーの場合、グループのバス会社を基本的に使っていました。
ただし、北海道に飛行機で行けば、現地のバス会社は、どうしても現地のバスとなります。
ともあれ、同じ電鉄系のよしみで、現地でも私鉄のバス会社を使っている場合が多かったのですが・・。

2000年に観光バス参入が規制緩和されてからも「安い」からと言って、知名度の無いバス会社さんは使っていませんでした。
ただし、この辺りの判断は、ツアーの企画担当者の考え方次第です。
しかし、ツアー日程の直前まで、なかなかバスを確保できなかったと言う場合もありますので、旅行会社が事前にバス会社を明示することは困難とも言えます。

スキーツアーバスではなく、東京~大阪など、毎日定期運行されている「夜間高速バス」も、規制緩和前は、名前が知れた路線バス会社のみの運行でした。
例えば、関東ですと、JR東日本バス、西武バス、東武バス、小田急バス、神奈中バスなど、聞いた事があるようなバス会社ですね。
それが、規制緩和後は、初めて聞くようなバス会社も観光バスを使って「ツアー」として夜間高速バスの定期運行を始めました。
すなわち、現在でも、夜間高速バスは昔からある「路線バス」(高速乗合バス)扱いと、新規参入後の「観光バスツアー」(貸切バス)扱いの2種類あるのです。

もちろん、高速や一般道を走る「バス」の車体そのものには大きな差はないのですが、昔からある路線バス会社の特徴としては、区間ごとにお客さんから料金を徴収すると言う乗り合いバスとして、一般乗合旅客自動車運送事業と言う許可を受けています。
申請しても却下される可能性があると言う「許可制」ですね。
そのため、運行も規模が比較的大きな大手とも言えるバス会社であり、運転手さんも正社員など、その道路を何度も走って知り尽くしている、いわばベテランと言えます。
もちろん、ドライバーの管理や給与面・待遇面も比較すると良いので、ある意味、優秀なドライバーさんが集まっているとも言えるのではと思います。

しかし、観光バスツアー会社の場合、貸切バスを運行すると言う、登録制の一般貸切旅客自動車運送事業登録です。
登録と言うのは、登録の申請をして条件を満たしていれば却下されないと言う登録制です。
ただし、スキー場へお客様をバスで届けるだけだとして、観光ツアー(会員募集)のため、当日の飛び入り参加は旅行業法で禁止されています。
そのため、スキー場行きだけでなく、都市間の新宿から大阪行きの夜行ツアーバスでも、そのバスに乗るお客さんを「ツアー参加者」として事前に募集(予約受付)しているのです。
また、すべてがそうだとは言えませんが、一部のバス会社さんの場合、ドライバーさんの退職も多く、入れ替わりが激しいと経験不足の運転手がいる率が高かったりします。
大手バス会社では定年がありますが、定年制がない貸切バス会社の場合、高齢のドライバーさんが現役だったり、待遇面も大手バス会社より良いといえないことが多々あります。
そのため、言葉が悪いですが他社では雇われないような運転手さんが集まりやすいと思います。

簡単に申し上げますと、バス会社にも一流と二流があるのです。

この差なんです。

同じ区間を、同じ時間で走ったとしても、路線バスの料金より、観光ツアーバスの方が料金は安いです。
昔ながらの大手路線バス会社の料金より、新規参入したツアーバスの方が高かったら、お客さん乗ってくれませんからね。
しかし、バス車体の購入代金は変わりません。
もちろん、高速代やガソリン代も変わらないですから、そのツアーバスの観光バス会社さんが、路線バスよりも「安く」提供するためには、ドライバーさんの人件費を削ったり、運行管理もお金をできる限り掛けない、すなわち節約すると言う方法以外ないんです。
更に究極な節約法としては、有料道路(高速)を使わないで一般道を走ったり、整備費用をケチッたりして、少しでもバスの貸切料金を安く、旅行会社に提供します。
また、旅行会社も、貸切バスが安いほうが、価格を安く提供でき、その分、申込者が増える(売上が増える)ので、当然、貸切バス会社に割引を要求してきます。

非常に薄利多売ですが、それでも、これまではなんとかやって来たのだと思います。
しかし、だんだんと、バスの運転手も業界全体で人手不足であり、なおかつ、所属しているドライバーさんじたいも高齢化が止まりません。
路線バス会社の場合、長くても定年65歳位だと思いますが、ツアーバスなどの貸切バス(観光バス専門会社)ですと、65歳を過ぎた70代でも、ハンドルを握っている方が多いです。
誰も、70歳過ぎた高齢者が運転するバスには、あまり乗りたくないですよね?
でも、お客さん側は、バス会社や運転手を選べると言う訳ではないのです。

そのため、私が2015年に夜行バスで姫路に行った際にも、ツアーバスは選ばず、料金が高くても路線バス会社のバスを予約しました。

夜間高速バスの予約ページでは、だいたい「運行バス会社名」が記載されていると思います。
そのバス会社が路線バス会社なのか、単なる観光バス会社(貸切バス会社)なのかは、そのバス会社のHPを見れば分かります。

一般貸切旅客自動車運送業、要するに「貸切」だけの登録をしているバス会社は、貸切バス専門(観光バス専門)が運行する高速ツアーバス、夜間高速ツアーバスなどになります。
一般乗合旅客自動車運送業と言う「乗合」の認可も受けているバス会社は、昔からの路線バス会社が運行している高速バス・夜間高速バスなどと言う事になります。

ただし、スキーバスの場合、冬季のみの運行と言う事もあり、路線バス会社(乗合バス会社)は、その冬だけバスを増やすと言うのも難しい為、結果的に、スキーツアーバスは、貸切バス会社が手を出していることが多いのです。


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旅行会社にしても、大手のJTBや近畿日本ツーリストなどは、スキーのJRプランはあっても、バスプランは発売していません。
理由は簡単です。
儲からないからです。
私が勤務していた電鉄系旅行会社も、スキーバスツアーは発売していませんでした。

そのため、余り名の知れていない旅行会社さんが、スキーツアーを発売している訳ですが、そのほとんどが貸切バス運行ですので、利用者が事前にどこの観光バスが使われるのかを知るのは困難となっています。
その理由の1つとしては、自社の申込者が2名だとか8名だとか少人数で、それでバスを出しては赤字になる場合、他社の旅行会社が運行しているバスの空き座席を、使わせてもらうと言う事があるのです。
飛行機で言えばコードシェア便に近い発想ですね。
例えばA社のスキーツアーに申し込んだら、バスはB社と言う旅行会社が手配しているバスだったと言う事が多々あるのです。

このような状況であるため、スキーバスツアーの場合、本当に、当日の集合場所に行って見ないと、バス会社はわかりませんので、もう、乗るしかないんです。

「じゃあ、どうすれば安全なの?」と聞かれると、それは答えられません。
貸切バス会社でなくても、路線バス会社でも、運転しているのは人間ですし、事故は誰が運転していても、起こる可能性があります。

しかし、我々はリスクを軽減する方法を「選択」する事は出来ます。
その辺りは、結局、安かろう・悪かろうと言う事です。

もし、私が選ぶとしたら、バスに乗っている時間が一番短くて済む方法を選択します。
ただし、これはバスに限った事では無く、新幹線や飛行機も含めて、できる限り「乗車時間」が短くて済む方法を選択しています。
要するに、事故は100%防ぐのは困難な訳ですから、乗り物に乗車している時間が少ない移動手段を選ぶようにしています。
それが最大のリスク軽減だと言う判断でして、これでも事故が発生したときは、もう、仕方ないと考えるようにしています。
姫路に行った際には、朝8時前には到着したかったので、やむを得ず夜行バスにしましたが、帰りは新幹線を使っています。
ホテルだってそうです。
余りにも安いホテルは、防火面や耐震面でリスクが高くなる場合があります。

私も、ツアーの添乗として、仕事でもお客様を連れて貸切夜行バスで移動したことがあります。
黒部渓谷や、中尊寺に行ったときなど、夜行の貸切ツアーバス(スキーツアーではない)の経験がありますが、朝の到着時間がいい感じになるように、時間調整の為、途中で高速を降りて、一般道を走るような事はありませんでした。
バスに乗っている時間が短くて済むよう、早く到着するようにして、早朝でまだ暗い3時・4時に早く現地に着いても、旅館の大広間などを事前に手配していて、お客様に仮眠してもらったり、温泉に浸かってもらったりしていたのを思い出します。
しかし、格安旅行会社では、価格重視のため、このように余計な費用がかかることはしないだけでなく、逆に高速代も削るくらいです。

今回、軽井沢で事故を起こした貸切バスも、一般道を走行している間の事故です。
ドライバーさんだって、運転している時間が短かったり、右へ左へとのハンドル操作も軽減される「高速道路」を全行程使っていれば、疲労感も少なく負担もやわらぐでしょう。
そのため、高速を使うようにツアー会社も指示しているのに、わざわざ一般道を使わせると言う、経営者側の方針には疑問を感じます。
バスの場合、飛行機や新幹線のように自動運転はできませんので、ドライバーさんにかなり負担がかかる乗り物です。
すなわち、運転手さんの腕に、乗客の命が掛かっています。
旅行会社・貸切バス会社として、それを忘れているような気がいたします。
安全運行をしてもらうと言う事は、全行程、できる限り高速を使うと言う事が大前提だと思います。
参加する人も、参加者を受け入れる人も、旅行における最大の努力項目は「安全」です。
私が添乗員をしていた際も、一番気をつかっていたのは、お客まさがケガをしないと言うことです。

予定より早く到着してしまうから時間を遅らせると言う理由で、一般道を使うと言う事ではなく、はやり「ドライバーさん」の負担に考慮した行程、すなわち「高速利用」こそが、最終的にはお客様のためになると思います。
早く着いたら、前述したとおり、なんらかの方法でもお客さんもドライバーも休憩(仮眠)を取れるようにすればよいのです。
停車しているバスの中は、揺れないので寝れないと言う意見を重視するのではなく、安全を重視するのであれば、走っている時間を短くしてでも早く着いて、停車する時間が多くなっても、動いていない状態で寝てもらった方が安全な訳です。
今回のキースツアーさんの事故も、全行程「高速」と言う事になっていれば、事故が起きたとしても、高速はそれなりに安全面も高いですので、ここまで大きな事故にはならなかったのではないでしょうか?
このように、ドライバーさんの負担を軽減する運行が、利用する我々に「安全」を提供すると言う意味に通じると、感じずにいられません。

そのため、もし、今回の事故を受けて法改正するのであれば、高速道路がある区間は大渋滞や通行止などが無い限りは「高速」を走行させ、早く到着してしまうと言う事であれば・・。
その途中などの休憩時間を「増やす」などでの時間調整をさせて、時間調整のために一般道を使用することを禁止するような義務付けを行うのが、一番適切なのではと思います。

あとは、やはり、お客様を乗せて走るバスの運転手さんの場合「定年」を国が定めた方が良いかも知れません。
これは高齢者のアクセル操作ミスによる事故が多いのも含めて、運転免許には定年制を設けて、その定年以降は毎年、講習に合格しないと免許更新ができないような法改した方が良いと感じます。

今後同じ事故を2度と起こさないために・・。

末筆ではございますが、今回の事故でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族・ご友人の方々に謹んでお悔やみ申し上げます。
また、ケガをされている方の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。

 

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髙田

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