神奈川県藤沢市にある「江ノ島」(えのしま)の太平洋側には、波によって何万年も侵食を受けた「洞窟」があり、有料見学が可能となっています。
伝承によると552年に、欽明天皇の勅命を受けて、島の洞窟に神を祀ったと言う記録があります。
また、空海(弘法大師)が、814年に金窟(岩屋)に入って、国土守護・万民救済を祈願したと言います。
そして、社殿(岩屋本宮)を創建しました。
また、853年には、 円仁(慈覚大師)が龍窟(岩屋)に籠もって修行し、弁才天よりお告げを受けて、上之宮(中津宮)の社殿を創建したと言います。
1182年4月5日には、鎌倉幕府を開いた源頼朝が先頭になって、鎌倉武士47名が文覚上人と岩屋に入って戦勝祈願を行ったとあります。
このように、江ノ島の岩屋洞窟は、金窟、龍窟、蓬莱洞、神窟、本宮岩屋、龍穴、神洞など色々な名称で呼ばれていました。
江の島の岩屋洞窟は、人が立って入れる洞窟で、現在2本あります。
新編相模国風土記稿では「龍穴の東に列在して第二・第三の窟を白龍窟と呼び、第四の窟中に龍池あり、第五の窟を飛泉窟と呼び窟中に滝がある」と記されています。
要するに、もっと洞窟があったのですが、中村屋羊羹店の下にあたりのように「崩落」してしまい、洞窟が失われてしまったようです。
洞窟内は少し「ひんやり」しており、夏でも少しは涼しく過ごすことができます。
1971年(昭和46年)年3月に落石事故が発生し、22年間閉鎖されていた岩屋ですが、調査・整備されて、1993年に有料観光施設として公開が再開されました。
また、私も日本全国、色々な海岸洞窟を訪問して来ていますが、江の島の岩屋洞窟は「長い」です。
2本の洞窟があると言うのも珍しいですが、第一岩屋は奥行が152m、第二岩屋は奥行が56mあります。
一説によると、富士山の麓にある風穴と繋がっていると言いますが、まあ、伝承にすぎないでしょう。
第1洞窟では途中で、手燭(ロウソク)が渡されます。
洞窟内は、電気が来ていて照明もついているのですが、ろうそくを手に持ってお参りすると言う演出となっています。
※混雑時にはロウソクの貸出はありません。
第二岩屋へとつながる海岸の遊歩道からは、亀のような石「亀石」が見られます。
説明書きによりますと自然石ではなく「地元片瀬の中村石材の先代『中村亀太郎』がノミをふるった」とありました。
しかし、海岸線を歩くだけでも心が晴れやかになります。
江の島岩屋洞窟へ疲れない訪問方法
単純に、江の島「岩屋洞窟」だけを見学したい場合には、片瀬江ノ島から江ノ島に渡る橋「江ノ島弁天橋」(江の島大橋)の途中から出港している、遊覧船・べんてん丸に乗船して行くのが、一番早くて、ラクチンです。
ただし、江ノ島の魅力は、岩屋洞窟だけではありませんので、単純な岩屋洞窟の往復では面白くありません。
よって、おすすめとしては、江ノ島を色々と見学・堪能するため、まずは江ノ島の観光をすることをお勧め致します。
江の島じたいは、標高が60mもある山になっている島です。
高さ60mと申しますと、建築法では「超高層建築物」にあたる高さで、ビルに換算しますと、21階相当にもなる高さです。
要するに、江ノ島は「登る」のが結構たいへんです。
ただし、江島神社がある付近からは、便利なエスカレーター「江の島エスカー」が有料でありますので、江島神社から江の島展望台がある江の島サムエル・コッキング苑まで、エスカーでラクして登れます。
しかし、岩屋洞窟から登るルートは「階段」だけでして、21階相当のビルに登るくらいの高低差を自分の足で上がっていく必要があります。
正直、大変でして、疲れます。若い方は良いでしょうが・・。
そのため、行きに遊覧船・べんてん丸で岩屋洞窟に行って、そのあと、江の島観光と言う方法は、疲れてしまいます。
先に江島神社、エスカーで登って、サムエル・コッキング苑、江の島展望灯台などを見学してから、江の島弁財天、そして降りていって岩屋洞窟。
最後には階段を戻らないで、遊覧船・べんてん丸で帰ると言うのが、ベストな観光ルートとなります。
江ノ島エスカーのチケット売場にて、江の島1dayパスポート「eno=pass」を買い求めましょう。
大人1000円、子供500円で、江の島エスカー、江の島サムエル・コッキング苑、江の島シーキャンドル(展望灯台)、江の島岩屋の4施設が「乗り放題」となるだけでなく、大人で360円お得です。
なお、小田急線で江の島を訪れる場合には、小田急に乗車する駅にて、小田急の往復割引乗車券と江の島1dayパスポートがセットになったお得な割引乗車券もあります。
また、江の島1dayパスポートを提示すると食事やお土産物が5%割引になる提携のお店もありますので、節約にもなります。
江の島アイランドスパ、新江ノ島水族館(片瀬海岸)も入場料が10%割引になりますよ。
なお、階段や岩がゴツゴツしている海岸を歩くことがありますので、靴はスニーカーなど歩きやすいものがお薦めです。
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あと、台風が来ますと、閉鎖されたりしますが、場合によっては海岸線の通路が破壊されて、数ヶ月閉鎖となる場合もあります。
見れる時に、行っておきましょう。
定休日はなく年中無休で、営業時間は2月~4月と10月は、朝9~17時。
5月~9月は朝9~18時ですが、8月のみ19時までとなります。
冬期の11月~1月は朝9時~16時です。
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