てるみくらぶさんの場合、会社概要を拝見する限り、観光庁長官登録旅行業と表記がありますので、大手の旅行会社同様の登録である第1種旅行業者となります。
また、一般社団法人「日本旅行業協会」(JATA)のサイトで確認しますと、きちんとJATAの会員にもなっていますので、正規の旅行会社であると言う事も確認できます。
しかし、通常営業している日にちでも「臨時休業」とドアに掲示している時点で、もう、経営者さんも社員も対応を拒否している、もしくは、社員の方も給料が支払われないのが確実的になったため、出社していないと言う事が予想できます。
簡単な話、倒産したとも言えるでしょう。
空港に行っても、航空券との引き換えができないと言う事は、てるみくらぶさんが、過去にその航空会社に支払うべき、航空券代、すなわち、お客様から預かっている代金を航空会社へ対して支払日までに支払いをしていないと考えられます。
ツアーに入っているホテルに宿泊できないと言う場合も同様です。
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簡単に説明しますと、例えば、1月に請求した分が、締切日まで支払いが無かったので、契約書に基づいて、支払いがあるまで、てるみくらぶさんを通じて予約を受けている予約分の航空券・ホテル宿泊の権利は利用者であるお客様に渡せないと言う事です。
なお、支払いが遅れている可能性がある訳ですが、これは会社の資金繰りに困ってしまって、支払うべきお金が足りないと言う可能性があります。
極端な話、会社の誰かが、会社の多額のお金を持ち逃げして、お金が足りないなどと言う理由も考えられますが、基本的なツアー代金が安かったり、航空券が他社より安い旅行会社は、その分、利益も薄い訳です。
そのため、健全な経営ができずに、会社の資金が無くなってしまう、支払いができなくなると言う可能性も出て来きます。
なお、この情報は予測ですので、必ず上記のとうりであると申し上げているわけではありません。
もしかしたら、単純に、航空会社と旅行会社の間で、なんらかのトラブル、例えば予約したつもりが、予約できていなかったなど、何か問題があっただけかも?知れません。
正しい情報としては、この記事の執筆時点ではまだ何もありませんので、現時点では予測になってしまいますので、そのあたりは誤解の無いよう、お願い申し上げます。
海外への旅行などを楽しみにしていた利用者・お客様にとっては、ほんと、迷惑な話ですよね。
有給休暇を取ったり、旅行用品を取り揃えたりしているのに、出発前日になって行けない、または空港に行っても航空券をもらえないでは、話になりません。
また、中にはすでに海外の旅行先に到着しているのに、ホテルに宿泊できなかった(キャンセルされていた)、帰りの航空券がもらえないなどの問題も生じている模様です。
てるみくらぶさんの旅行業登録(営業開始)は、1999年02月01日とありますので、約17年営業しており、それなりに信頼できたかも知れません。
しかし、ツアー料金が多少高くても、やはり親会社がしっかりしている旅行会社や大手旅行会社にて申し込んだ方が、断然「安心」な訳です。
失礼な言い方になってしまいますが、聞いたこともない会社を利用すると言うのは、このようなリスクは伴うものです。
何百万円するクルマ(新車)を買うのに、正規ディーラーには行っても、名前も良く知らない販売協力店ではあまり買いませんよね?
旅行の場合、旅行するのは自分本人ですので、もっと慎重に見極めないといけません。
でも救済処置がある
航空券がなく出発できないのであれば、もう旅行はあきらめるしかありません。
旅行先で契約にあるホテルに泊まれなかったり、帰りの航空券がない場合には、別途、自費で負担して日本に帰ってくるしかありません。
しかし、そんな損失・損害を受ける利用者さまには、共済処置もあります。
てるみくらぶさんにお金がない可能性が高い以上、振込したりクレジットカードで支払った旅行代金の全額返金を求めても、かなり厳しいのはお分かり頂けるかと存じます。
しかし、旅行会社は観光庁に登録していると「営業保証金」を、前年の売上額に応じて、預けていなくてはなりません。
てるみくらぶさんの、前年決算の売上高は約195億円ですので、営業保証金は、1億2000万円と考えられます。
よって、国土交通省・観光庁のほうで、弁済業務保証金として1億2000万円を限度に確保されていると言う事になります。
ただし、被害者がたくさんいて、この限度額を超えている支払い総額(被害総額)となっていますと、限度額を被害者で均等に割るなどするので、被害額の全額が戻ってくるとは限りません。
もちろん、裁判などをしたり、請求したりするのには時間もかかりますので、すぐにお金が一部だけでも戻ってくると言う事はないでしょう。
なお、てるみくらぶさんは、日本旅行業協会(JATA)の会員でもありますので、被害者さまは、JATAに相談することもできます、
相談先の電話番号は「よくある質問」に掲載されています。
観光庁のサイトとしては「旅行業・宿泊業関係情報(旅行業者ネガティブ情報含む)」と言うものがあります。
もし、被害にあわれている方がおられましたら、心中お察し申し上げますが、基本的にはJATAに相談するのが賢明な処置となるでしょう。
<追記>
その後、3月27日をもって営業を停止し、会社更生法の手続きに入ったと発表されました。
それに伴い、JATAの弁済手続きが受付開始されていますので、追記させて頂きます。
株式会社てるみくらぶの倒産に関して、旅行できなかった、一部の旅行が遂行できなかった、お金が戻ってこないなどの、弁済を求めるための、認証申出書類の取り寄せを申し込むことができるようになりました。
詳しくは下記をご参照願います。
同じく倒産した自由自在と言う旅行会社も、てるみくらぶのグループ会社となりますので、同様に弁済申請が可能です。
ただし、自由自在の方で被害にあわれた方は、自由自在の申請となります。
今回のてるみくらぶ倒産では、タレントで女優の矢部みほさんも、ご友人と行く予定だった韓国旅行に出発できなくなってしまったようです。
てるみくらぶ・グループ全体での負債合計は約214億円です。
その後、旅行申し込みをしていた被害額は約100億円との報道がありました。
営業保証金は1億2000万円とみられますので、保証からは約1%程度戻ってくると言う計算となります。
旅行代金として10万円支払っていたら、1000円戻ってくると言う計算ですね。
ちなみに、社長は年収3000万円くらいだったようです。
銀行から融資を受ける際にだました罪で、4年~5年の実刑にはなりそうです。
元・旅行会社勤務の私の場合、旅行のツアーは、今回のような倒産だけでなく、何かあった場合に信頼できる旅行会社を選択させて頂いております。
国内の航空便に乗る際でも、私の場合にはLCCは使用しません。
旅行商品に関係なく、何事も「適正価格」と言うものがあります。
安ければそれだけ色々な意味で危険を伴ったり、約束事項が遂行されないなどのトラブルになる可能性は、少し高くなると言う事でございます。
てるみくらぶでは、資金繰りが3年前から悪かったようで、決算書を偽装するなどの粉飾決算も行っていたようです。
安心して行きたい旅行ほど、大手旅行会社を利用されることを強くお勧め申し上げます。
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