安倍文殊院とは
安倍文殊院(あべもんじゅいん)は、奈良県桜井市阿部にある寺院。
京都・天橋立の切戸文殊、山形の亀岡文殊と共に日本三文殊のひとつです。
今回、500本に及ぶソメイヨシノが花を咲かせていました。
宗派は華厳宗と言う、関東の私にはあまり馴染みのない宗教です。
ちょっと調べてみました。
華厳宗(けごんしゅう)は、中国大乗仏教の宗派で日本には奈良時代の736年に伝わりました。
存じ上げなかったのですが奈良の大仏がある東大寺も華厳宗との事ですので、日本ではかなり古い宗派と言えるでしょう。
やはり、奈良の寺院は歴史の深さがぜんぜん違います。
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ただし、安倍文殊院じたいの創建は華厳宗が伝わるよりもっと古く、飛鳥時代の645年になります。
中大兄皇子と中臣鎌子が、蘇我入鹿を暗殺し、その父・蘇我蝦夷も自殺して蘇我氏が滅亡。
そして中臣鎌足による「大化の改新」となり、朝廷での事実上の最高位・左大臣に就任した安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)が安倍一族の発祥の地に安倍寺を建てました。
発掘調査から法隆寺のような伽藍配置だったことがわかっています。
安部氏としては遣唐使・安倍仲麻呂や、平安時代の陰陽師・安倍晴明がよく知られていますが、安倍晋三・元首相も安倍氏に関りがあるともされます。
もともとあった場所は、国史跡になっている「安倍寺跡」(崇敬寺跡)にありました。
しかし、平安時代に妙楽寺(談山神社)の僧兵に焼かれたため、鎌倉時代になって現在の満願寺の境内に再建されたと言う事になります。
国宝の本尊・文殊菩薩像は仏師・快慶(1203年作)で獅子に乗る文殊菩薩としては日本最大(7m)であり、魔を払い智恵を授ける旅に出る姿であることから「知恵の文殊」として親しまれています。
本物はもちろん撮影禁止の為、案内板にあった写真を撮影してみました。
戦国時代、1563年、松永久秀が焼き討ちして全焼。
江戸時代に入って1665年、本堂・文殊堂が再建されました。
まず、境内に入って目につくのが文殊池に浮かぶ金閣浮御堂です。
金閣浮御堂には、安倍仲麻呂像・安倍晴明像などが祀られ、ご本尊・開運弁才天、厄除け守護の九曜星の神々、方位災難除けの十二天御尊軸などが安置されているとの事。
有料拝観で、参拝者は建物を7回周って、厄災の修行を行います。
修行となっていますが、グルグル回って、1回ごとに頂いたお札を奉納するだけですので簡単です。
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文殊院西古墳は国指定特別史跡となっており、安倍倉梯麻呂の墓とされます。
境内に古墳があると言うのも関東ではあり得ないのですが、高松塚古墳、石舞台古墳、キトラ古墳と共に、古墳では日本全国で7つしか特別史跡になっていません。
無料で玄室に入ることができ、弘法大師の作とされる願掛け不動(石仏)が祭られています。
境内を東側に行くと文殊院東古墳があります。
石室には入れませんが、羨道部に井戸があるところから閼伽井窟(あかいくち)と呼ばれ、古くから信仰されていました。
詳しい調査はされていませんが、安倍一族の誰かの墓とみてよいでしょう。
白山堂は国の重要文化財に指定されています。
白山菊理姫(しらやまくくりひめ)を主神とし、男女の縁を取り持つ、縁結びの神として人気なようです。
京都・奈良の古い寺院は堅苦しい・重圧を感じることもあるのですが、安倍文殊院は堅苦しくない雰囲気で気軽にお参りでき、また比較的コンパクトなので時間節約にもなり忙しい現代人向きだと感じました。
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奈良では現金払いの寺院が多いので、1年の旅の中では「紙幣」をかなり事前用意して訪問する必要性があるのですが、PayPayなどの電子マネーでも拝観料を支払えるのもGoodで、また来たくなる寺院です。
安倍文殊院の見学所要時間は20分~60分ほどで、御朱印も有料であります。
交通アクセス
安倍文殊院への行き方ですが、JR・近鉄の桜井駅から徒歩20分、タクシー5分です。
バス利用の場合、桜井市コミュニティバス南循環線6にて、安倍文殊院バス停を下車してスグ。
飛鳥も周るのであればレンタサイクル(貸自転車)でも良いでしょう。
駐車場は有料(訪問時500円)でした。
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境内駐車場の入口ですが当方のオリジナル地図「大阪・京都・奈良方面」にてポイントしています。
大坂・京都・奈良など関西方面の史跡
スマホ画面などで表示して「検索窓」から検索して、カーナビ設定することでも使用可能。(徒歩ナビとしても可能)
なお、境内駐車場は45台くらいしか止められないため、満車時には離れた場所の駐車場利用となります。
奈良は道が狭いところが多く、安倍文殊院周辺の道路も狭めなのですが、更に安倍文殊院の駐車場へのアプローチ道路も狭かったです。
境内駐車場への道路に進入したら対向車が来たので、当方がバックして道を譲りました。
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