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赤山地下壕の解説~太平洋戦争の記憶を残す館山の秘密基地

赤山地下壕

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赤山地下壕とは

赤山地下壕 (あかやまちかごう) は、千葉県館山市宮城にある地下壕跡。
正式には、館山海軍航空隊赤山地下壕と言う。
地下壕と言う漢字からだと、地上より低いところに穴を掘ったような印象を受けるが、その多くは山の崖部分にか中に掘り進めたと言う坑道・トンネルと言うとわかりやすいか?
赤山と呼ばれる標高60mの小高い山の内部に掘られている。

赤山地下壕

赤山地下壕は、現在ある哨戒ヘリ運用中の海上自衛隊館山航空基地の前身となる、館山海軍航空隊の付随施設となる。
日本海軍で初めて創設された横須賀海軍航空隊(追浜)も規模が大きくなり、霞ヶ浦海軍航空隊を新設して教育・訓練が行われた。
そして、昭和5年(1930年)に館山飛行場が完成すると、横須賀から戦闘部隊が移転して館山海軍航空隊が設立された。
最初の頃の任務は、近距離哨戒と近距離対艦攻撃のため、艦上攻撃機・水上偵察機が配備されたようだ。
また、館山湾を真珠湾に見立て真珠湾攻撃を想定した最終訓練が行なわれた飛行場としても知られる。


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1941年(昭和16年)12月8日、太平洋戦争が開戦。
戦争が激化すると、1944年(昭和19年)12月15日には、東日本の哨戒航空隊を統合した第九〇三海軍航空隊が館山飛行場に設置された。

赤山地下壕

93式陸上攻撃機、96式陸上中型攻撃機、96式艦上戦闘機、97式艦上攻撃機、最新鋭の陸上哨戒機・東海が配備されていることからも、主に潜水艦の発見と攻撃が任されていたようだ。
そのため「司令部」も設置されたことから、艦砲射撃や空襲も受けやすい地上設備ではなく、山の中にトンネルを掘って防空壕とし、司令部機能を移したものと推測される。
諸説あるが、1944年頃より赤山のトンネル工事を開始したようだ。

赤山地下壕に実際に入ってみると、入口から数十メートル程度は丁寧に掘ったことがわかる。
しかし、途中から奥になると、雑になっており、高さも低くなるなど、完成スピードを急いだ突貫工事の様相を呈している。
奥の方は天井が低い箇所もあり、ヘルメットをかぶっていなかったら、頭にケガをするところだった。

赤山地下壕

それにしても、網の目のようにトンネルが掘られており、それぞれが連絡している。
夏はひんやりしているため、天然のクーラーとしても重宝したのかも知れない。

赤山地下壕

合計約1.6kmあるとされ、司令部・作戦指揮所だけでなく一角には、発電所、電信室や病室もあったと言う地下要塞。
公開されているのは250mほどだが、もっと長く感じた。
ただ、地層も素晴らしいので興味がある方には良い場所のようだ。

赤山地下壕

館山飛行場を守るべく、高角砲などの対空陣地は、館山城山砲台(安房・館山城跡)に40口径3年式8㎝高角砲4門のほか、大賀二子山第一砲台、館野大網第二砲台、八幡砲台、船形砲台、香寺山砲台、神戸布沼砲台、北条砲台、笠名砲台の9砲台が構築された。
対潜哨戒は1945年(昭和20年)に入ると、最後の制海権である対馬海峡の死守が求められて移動したのと、館山飛行場も度重なる空襲や燃料不足もかさなって、海軍航空隊の基地としてはもはや機能しなくなっていたようだ。

赤山地下壕

写真だけでは伝わりにくいため、動画も少し撮影してみた。
下記の動画を再生して「YouTube」の文字を選択すると、大きな画面でもご覧頂ける。
チャンネル登録も賜りますと幸いだ。

関東で戦争中に使われた地下壕と言うと、高尾(浅川)が有名だが一般公開はされていない。
しかし、赤山地下壕では、一部の壕内が有料で見学可能であり、事前予約も必要ない。

入館受付は、豊津ホールと言う建物の玄関になり、館山市が運営している。

豊津ホール

券売機にてチケットを購入して係員に提出。

ヘルメットと懐中電灯が貸し出される。
ただし、坑内は照明もあるため懐中電灯は未公開部分で暗い所を照らしたり、万が一の停電時用といったところ。
ヘルメットは、ディスポーザルの紙の使い捨て帽子をかぶり、その上にヘルメット着用。
そして、顎ひももつけて、正しく着用することが求められる。

赤山地下壕

見学所要時間は20分~40分程度。

一般公開時間 : 9時30分~16時(受付は15時30まで)
休館日 : 毎月第3火曜日、年末年始、その他臨時休館あり
※休館日は変更になることもあるので要注意。

交通アクセス

受付となる公共施設・豊津ホールまで、JR内房線の館山駅から徒歩35分。
バスの場合、宮城バス停下車して徒歩3分となる。
館山駅からレンタサイクルでも良いだろう。


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駐車場は当方のオリジナル関東地図にてポイントしている。
スマホで表示して、目的地として選択し「ナビ開始」にすれば、カーナビ代わりにもなる。
自動車用、歩行用でも、ナビとしてお使い頂けると幸いだ。

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髙田

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