長野観光

猿が温泉に入っていない事もある?~人気スポット地獄谷野猿公苑の露天風呂ニホンザル


スポンサーリンク



長野出張で思わず時間が取れましたので、急きょ地獄谷温泉にて露天風呂に入浴している「お猿さん」を見学しに、地獄谷野猿公苑を初訪問してみました。

海外からの観光客もたくさん訪れる

この地獄谷野猿公苑(じごくだにやえんこうえん)は、野生のサルが「温泉」に浸かる姿で、非常に有名なところで、欧米人を中心に年間10万人と多くの外国人や日本人観光客も訪れます。

なぜ、海外からの旅行者が、こんな辺鄙(へんぴ)な山の中までわざわざ訪問するかと申しますと、下記のような理由があるそうです。

(1)北アメリカやヨーロッパ、オセアニア(オーストラリア)には「サルがいない」ので、猿じたいが珍しい動物である。
(2)サルがいる中国や東南アジアでも、猿は暖かいジャングルに住んでいる生き物と言うイメージが強い。
(3)越冬する猿は世界の中でもニホンザルだけであり、野生のスノーモンキー(Snow-Monkey)が気軽に見れるのは、ここ地獄谷温泉だけとなっている。

すなわち、日本人としては、ちょっと山の中に入りますと、例えば日光などでも道路脇に「サル」が出没して馴染深いですが、欧米人にとっては「サル」そのものが珍しい動物と言う事になるのです。
そのため、ここの地獄谷温泉は、世界的にも有名で、日本に行ったら訪れたい場所の上位に入っているのですね。

のちほど、アクセス・ルートはご紹介致しますが、今回は渋温泉から有料駐車場に行って駐車料金500円を支払、徒歩で地獄谷温泉へと向かいました。
そうなんです。
地獄谷温泉には、途中まではクルマで行けるものの、最後は徒歩でしか行けません。
ただし、遊歩道はきちんと整備されていますので、夏場はトレッキングポールなど不要です。

地獄谷温泉へ徒歩

サルがいる場所までは、約15分の道のりでして、途中には階段もありましたので、足の悪い方や高齢者さんはちょっとキツイかもしれません。
車いす、カート等、サンダルやハイヒールなどは無理ですし、ペット同伴も禁止です。
中間地点あたりに、地獄谷温泉があります。
地獄谷温泉

下記が、地獄谷で温泉を営んでいる「後楽館」さんです。
一度、宿泊してみたいものです。

地獄谷温泉「後楽館」

その横湯川の渓谷には、100度近い源泉を吹き上げる「渋の地獄谷噴泉」があり、ちょうど噴出していました。(帰りは出ていませんでした)
国の天然記念物に指定されており、川底から噴上げる熱泉は高さは20mにまでなる自然噴泉との事です。

渋の地獄谷噴泉

噴泉を見つつ、階段を登るといよいよ獄谷野猿公苑となります。

地獄谷野猿公苑の管理棟

管理棟にて入園料金を支払い入場すると、さっそくサルが目に入ります。

地獄谷野猿公苑

そして、奥へと進み、サルが入る温泉が近づいて参りますと、通路でも「日本猿」さんがお出迎えしてくれます。

地獄谷野猿公苑

自然のサルですので、不機嫌な時にはいないこともあるそうですし、日暮れがやってくると、9月には15時くらいに山に帰ってしまう事も多そうなんです。

地獄谷野猿公苑

しかし、まだいましたので、期待に胸を膨らませて、岩で組まれている温泉に近づいてみましたら、あれれ?

「温泉に入っているサルが、一匹もいないではないですか?」

地獄谷温泉のニホンザル

温泉が故障していた訳では無く、水深20cmくらい猿には適した深さの温泉が注がれています。

温泉のサル

そして、温泉の淵、すなわち脇や、周辺にはサルがたくさんいます。

地獄谷野猿公苑

しかし、温泉に入っている強者は、一匹もいません・・。

地獄谷野猿公苑

人間であれば、夏でも「温泉」に浸かって「ああ~、いい湯だな」なんて言ってしまったりするものです。
しかし、よくよく考えて見ますと、体中に「毛」が生えている野生のサルが、外気温30度を越えるような暑い時期に、わざわざ熱い温泉に入って「いい湯だな」なんて気持ちになる訳ないですよね?

でも、一匹、ゆっくりと温泉に近づいて行く、大人の猿がいましたので、カメラで追ってみました。
すると・・。

温泉を飲む猿

温泉を「飲んでいる」ではないですか?
もちろん、人間も「飲泉」する場合がありますが、ここのサルは健康的なのかも知れません。

と言う事で、急きょ訪問したので、下調べも何もしていなかったのが悪いのですが、ニホンザルが温泉に入るのは、冬季の12月~3月頃のあいだだけだそうです。
暑いせいか?、大人のサルは元気もなさそうです。(眠いだけかも?)

日本猿

しかし、子猿は遊んでいるのでしょう?、とても元気にジャレあったりしています。

子猿

私が訪問させて頂いた9月は、たまに温泉を飲み水代わりに飲むサルはいたものの、入浴猿は皆無でした。
もっとも、公式サイトにも「温暖な時期には積極的に温泉には入りません。」「年中、四六時中、必ず温泉に入っているといったものではありません。」との説明があります。

ニホンザル

それでも「入浴するのを待っている」のか?、観光客の多くの方は、温泉の側から離れません。
私も10分くらい粘っただけで、諦めて帰途につきましたが、それでも他の皆様より短い滞在期間だったと存じます。

下記のようなインターネット中継もあるようです。

猿の?インターネット中継

リアルタイムのライブカメラ映像はこちら

このように、事前にカメラ映像を見てから、訪れるのも一考かと存じます。

地獄谷野猿公苑

ただ、ココ地獄谷の野生のサルは、比較的おとなしくて、攻撃的な猿はいませんでした。
これは、管理者の方が、長年かけて、猿との信頼関係を築いたからで、猿が人間を敵とも仲間とも、餌をくれる飼い主とも思わないので、とにかく本当に自然に過ごす猿を観察できるとの事です。
念の為、記載しますが「自撮り棒」「エサ」は禁止です。
まぁ、もっとも、ニホンザルから見た我々も「猿」な訳でして、向こうから見れば、自分たちの場所に、別の猿(人間)が来たと言う事ですので、お互いに平和な時間がこれからもずっと続くように心がけたいものです。

地獄谷野猿公苑

なお、地獄谷温泉のサルは、動物園ではありませんし、猿を飼育している訳でもない野生猿ですので、毎日、係員さんが山の中に入って「サル探し」を行うそうです。
そして、群れを見つけると、地獄谷に誘導するとの事でして、このようなご苦労があり、われわれが気軽に野生のサルを見る事ができるのです。
もちろん、サルの群れが必ず見つかるとは限りません。
よって、猿がいなくて「臨時閉園」となる場合もあるそうです。

また、1964年に開園するまで、3年がかりで警戒心の強いサルの群れを手なずけたと言いますので、簡単に開園した訳でもなさそうです。
そして、後楽館にあるの人間用の露天風呂に、大人のサルが真似をして入浴したのが始まりだそうでして、その後、衛生面から猿専用の露天風呂が完成したとの事です。
入浴するのはメスと子猿がほとんどで、オスザルは外敵を警戒しているようで、温泉には、はいらないそうです。

人間的には、冬の寒い時期に温泉であったまるのは良いとして、出ると水分で寒いのでは?と心配してしまいます。
しかし、濡れているのは猿の毛の外側だけだそうで、身体に近い方の内側の毛は、濡れないそうです。
そのため、湯冷めしないとの事で、厳しい冬を乗り越えるニホンザルの体は、うまくできているものです。

地獄谷野猿公苑

と言う事で、長野・地獄谷温泉にある地獄谷野猿公苑は、ニホンザルや地獄谷の自然を観察し、人里離れた自然の中にヒトが訪問させて頂く魅力的な空間であることには違いありません。
冬季は積雪で道が不安ですが、また再訪してみたいものです。

冬季の営業は、朝9時頃~16時頃となっていますが、朝の段階ではまだ猿が来ていなかったり、夕方には既に猿が山に帰ったりすることがありますので、ご注意を。

夏季に便利なアクセス方法

夏の時期は、渋温泉から地獄谷駐車場へクルマで入るのが一番近くまで行けて、地獄谷駐車場から徒歩15分となります。
ただし、渋温泉から先は舗装はされているものの、林道ですれ違いが難しい箇所もあります。
大きな車は困難です。
なお、地獄谷駐車場は有料で500円でした。
下記の地図ポイント地点が駐車場です。
受付がありますので、駐車料金を支払、止める場所の指示を受けましょう。

冬季のアクセス方法

冬期は上記の道路が積雪で閉鎖(通行止)になります。
そのため、上林温泉の無料駐車場にクルマを止めて、山道を徒歩で片道35分程歩く必要性が出てきます。
上林温泉の駐車場は下記のポイント地点となります。

路線バスなど利用の場合は、スノーモンキーパークのバス停下車で、徒歩35分です。
約2kmの道のりですが、ほぼ平坦です。ただし、最後に階段があります。
標高850mで、真冬はマイナス10度になることもあります。
積雪となっていれば、当然、雪の上を歩く形となります。
ただし、冬季の土日祝と、年末年始に限っては、1日5.5往復の完全予約制バスが「地獄谷~渋温泉・湯田中駅」の間で運行されます。
このバスを利用すれば、地獄谷バス停まで入れますので、地獄谷野猿公苑まで歩くのが10分と短縮可能です、
長野駅から野猿公苑入苑(スノーモンキーパーク)とのセット往復乗車券・スノーモンキーパス(SNOW MONKEY PASS)も発売されています。


スポンサーリンク



何度も来園される方の為には、年間パスも販売されています。
なお、海外からの観光客が多い為、湯田中温泉や渋温泉の旅館では、外国人観光客の宿泊も多い状況となっています。

以上、温泉の露天風呂に入っているニホンザルを見に行きたい場合には「冬」(12月~3月)に頑張って行きましょう。

公式サイトはこちら

宿泊するなら・・

宿泊するなら、最寄りは地獄谷温泉の後楽屋さんですが、前述のとおり車では入れませんので、途中から荷物を持って「徒歩」となります。
その次に近いのは地図にもありますとおり、無料駐車場もある「上林温泉」となり、いくつか温泉旅館があります。

【広告】
【広告】上林温泉 上林ホテル仙壽閣(せんじゅかく)

【広告】
【広告】上林温泉 塵表閣 本店

安い温泉旅館に泊まるのであれば、渋温泉・湯田中温泉が便利です。

【広告】安い宿も多く外国人にも人気の「渋温泉」「湯田中温泉」のお勧め旅館はこちら

渋温泉「荒心館・松屋」~100%源泉掛け流しと「外湯」を堪能できる古来からの温泉


スポンサーリンク



髙田

投稿者の記事一覧

最後までご高覧賜りまして、誠にありがとうございます。
旅行会社勤務時の経験なども活かしまして国内旅行の情報提供中。
日本航空さんに年間10~30回搭乗して日本国内を巡っており、観光地での楽しみ方、お得な過ごし方などを掲載しております。
国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級、温泉ソムリエ、普通救命修了。
メディアさまへの写真類の提供・テレビ出演依頼などを賜ることもございますが、自己紹介ページの下部よりご連絡をお願い申し上げます。

関連記事

  1. 杖突峠からの展望 杖突峠からの展望【ゆるキャン△の聖地】
  2. 善光寺 善光寺 由来と御開帳 日本最古の仏像 本田善光とは
  3. 奈良井宿 奈良井宿~鳥居峠に繋がる大規模な宿場町の歴史景観
  4. 松本・別所・駒場・川根の2泊3日の旅
  5. 万座温泉・野沢温泉 2泊3日の旅 お役立ち情報
  6. 安楽寺と国宝【八角三重塔】長野県上田市別所温泉
  7. 立山黒部アルペンルート観光解説 立山黒部アルペンルート観光解説 通り抜け・往復 混雑回避方法も
  8. 真田家墓所がある松代「長国寺」のみどころ~真田信之の霊屋など

スポンサーリンク




コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Rakuten-Link

【PR】

スポンサーリンク

只今の人気ページ(月間)

Rakuten-Link

おすすめ記事

  1. 九十九島 秋田県にかほ市「象潟」国の天然記念物・国の名勝 秋田の九十九島(象潟)
  2. 能島水軍「潮流体験」 瀬戸内海の激しい潮流を体験する村上水軍クルーズ
【PR】
PAGE TOP