新潟県佐渡島の北沢浮遊選鉱場跡(きたざわふゆうせんこうば-あと)は、明治に入ってから佐渡金山で採掘したあとの生産性を効率よくするため、近代化した際の建物跡が集中している地区となります。
昔はただの寂れた鉱山施設跡と言う感じで観光する人などいませんでしたが、今ではB級スポットとも言えるでしょう。
たしか、ゴルフの練習場や、プールがあったような記憶があります。
しかし、最近では、スタジオジブリの代表作「天空の城ラピュタ」に登場する天空の城跡にも雰囲気が似ていることから、世界文化遺産候補としても少しずつ整備が進められています。
そもそも浮遊選鉱(ふゆうせんこう)と言うのは、採掘した鉱石から、有用鉱物と不用鉱物(脈石)とに分離する作業のことを言います。
基本的な流れとしては、金銀山で採掘された鉱石をまず「粉砕」して細かくします。
それから粒度の分級を行います。
そして、浮遊選鉱と言い水と油を混ぜた溶液に粉砕した鉱石を入れてかき回すと、金や銀などの鉱物は浮遊してくると言う事になります。
特徴としては、鉱石や金銀のしぼりかすから、さらに小さな金銀を回収できるのて、取りこぼしが少ないと申しましょうか、無駄が軽減されました。
最後には脱水・乾燥して、鉱物資源として輸送されて行きます。
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もともとは銅の製造過程で採用されていた技術だったそうでいが、金銀の採取に応用した浮遊選鉱としては、世界で初めて実用化に成功したものとなります。
それらの作業を行う工場が浮遊選鉱場と言う事になります。
北沢浮遊選鉱場の幅は115メートル、奥行き80メートル、高さ35メートルもある大きな工場となっていました。
建設されたのは1937年(昭和12年)で、月間5万トン以上の鉱石処理機能をもつ、東洋一の選鉱施設だったそうです。
円形の建物は、シックナーと呼ばれる泥鉱濃縮装置があった建物で、直径約50mの円形建物となります。
まるで古代ローマの遺跡のようにも感じられますが、昔は、これが3基もあったそうです。
下記写真手前の茶色いレンガ造りの建物は、石炭発電所となります。
下記は、明治時代の破砕・製錬所跡となる搗鉱場(とうこうば)跡です。
しかし、時代のの流れは早いもので、操業からわずか20年足らずの1952年(昭和27年)に閉鎖されました。
なお、工場やシックナーの建物は、崩落する危険性があるため、建物内には入れません。
すべて、外から見学する形となりますが、その敷地内も一部整備中でして、立入禁止の区域があります。
ただし、なんとか見学はできると言う感じでして、見学料などは無料です。
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最後に同じ佐渡金山の関連施設として、鉱石や資材運搬のため整備た港「大間港跡」もあります。
トロッコ線路として利用されたトラス鉄橋が掛かっています。
少し離れていますが、クルマで移動すれば数分の距離となります。
以上、お金は掛かるかと存じますが、ぜひ、後世に残して欲しい、素晴らしい産業遺産ですので、無事に世界遺産になると良いですね。
北沢浮遊選鉱場跡への交通アクセスですが、両津港から車で約60分です。
路線バスの場合、両津港から「本線」で相川博物館前バス停下車の徒歩2分となります。
無料駐車場は約30台ほどあり、相川技能伝承展示館が隣接しています。
当方の新潟・東北オリジナル地図もご参照賜りますと幸いです。
佐渡金山から車で10分未満となります。
佐渡奉行所からはほど近いところでして、佐渡奉行所の駐車場が高い位置にありますりので、遠景の撮影にも向いています。
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