黒部ダム(くろべ-ダム)は、富山県立山町の中部山岳国立公園内にある黒部川に建設された水力発電専用のアーチ式ドーム越流型ダムです。
北アルプスの立山連峰と、長野側の後立山連峰に挟まれた黒部渓谷にあり、ダム湖百選にも選ばれています。
黒部ダムから導水路トンネルが約10キロ下流へ続き、黒部川第四発電所(黒四)にて、完成当時25万8000 kW (現在は最大出力33万5000 kW) で、ダム式水力発電能力(貯水池式)では、日本第4位とります。
※1位は奥只見湖の56万kW (揚水式を除く)
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黒部ダムが建設された経緯ですが、戦後の復興で関西では電力が不足しており、毎日、計画停電が行われていました。
まだ、火力発電もそんなに行われていない時代でもあり、その深刻な電力不足を打破するため、関西電力が水力発電のため黒部ダムを建設したと言う事で、1963年(昭和38年)に完成しました。
工事に携わった作業員は延べ1000万人、人間が行くこと自体が困難な秘境であり、転落など労働災害による殉職者は171人と大きな犠牲も伴いました。
25万kWは、当時、大阪府の電力需要の50%を補い、阪神の産業発展にも寄与しています。
黒部ダムの高さは、50年以上たった今でも日本一の186m、世界的に見ても大規模なダムで、堤の長さは492 mになります。
黒部ダムサイトには、いくつかの展望台がもうけられており、日本一の高さから、毎秒10t(トン)以上の水が放水される「観光放水」も行われています。
観光放水は、毎年6月下旬頃~10月中旬頃で、毎年、予定期間が定められます。
黒部ダムからの放水は、水をドバッと流してしまうと、川底が、削られてしまうため、霧状になるように、設計されています。
動画も撮影してみましたので、よければ、下記よりご確認頂けますと幸いです。
立山黒部アルペンルートでは、扇沢からの関電トンネル・電気バスにて、黒部ダム駅(地下)から、対岸の黒部ケーブルカーの黒部湖駅への往来は、黒部ダムの堰堤を横断する形になり、所要時間は約15分です。
下記は黒部ダム駅の入口になり、レストランなどもあります。
展望台などに行きますと、階段があり、+30分くらい必要です。
なお、ダムサイトの「放水観覧ステージ」は、ダム堰堤から高低差が無い水平移動が可能で、車椅子でも行けますので、ぜひ、訪れてみてください。
黒部ダムの住所は、富山県中新川郡立山町大字芦峅寺字ブナ坂外11国有林です。
トップ写真は、その放水観覧ステージから撮影したものになります。
なお、黒部ケーブルカーの「黒部湖駅」(地下)の入口からそれると「カンパ谷のつり橋」「遊覧船ガルバ」への湖畔散策路が伸びています。
高低差もなく歩きやすい遊歩道で、「ロッジくろよん」で折り返すと、往復約1時間で散策可能です。
ロッジくろよんから先にある「平の小屋」方面は、本格的な登山の装備が必要ですので、登山届の提出も行ってください。
黒部湖遊覧船ガルバの乗り場までは、黒部ケーブルカーの「黒部湖駅」から徒歩10分ほどになります。
時間があれば、遊覧船もお勧めです。
下記は黒部ダム周辺の散策案内図です。
黒部ダム周辺の紅葉時期は、だいたい10月中旬になります。
なお、関西電力では、黒部ダムへ通じる新たな観光ルートとして、黒部峡谷鉄道トロッコ列車の終点・欅平(けやきだいら)から、黒部ダムまでの約18kmを、一般観光客も移動できるように、安全工事を行っています。
もともと、黒四発電所を経由する地下トンネルがあり、物資輸送ルートとして使用されています。
トロッコ列車や高さ200mのエレベーター、インクライン(貨物用のケーブルカー)、電気バスを乗り継ぐ形で、欅平と黒部ダムを結びます。
大半の区間はトンネル内となり、販売は、富山県の旅行会社を通じた予約制とし、2024年から実施し、6月~10月に8000名~1万人を想定しているようです。
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・立山黒部アルペンルート観光解説 通り抜け・往復 混雑回避方法も
・関電トンネル「電気バス」の解説 扇沢乗車方法も
・黒部湖遊覧船ガルベ 黒部湖の解説
・黒部ケーブルカーの解説 黒部平の紅葉
・立山ロープウェイの解説 混雑状況も
・立山「大観峰」の紅葉 黒部湖や後立山連峰の絶景
・立山トンネル「トロリーバス」立山黒部貫光8000形無軌条電車
・室堂平「立山室堂」3時間で効率よくトレッキングするお役立ち情報
・黒部峡谷 損をしない黒部トロッコ列車終点「欅平」の楽しみ方
・当方の北陸関連オリジナル地図
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