御勅使川の昔の流れの部分にある「桝形堤防」は、山梨県南アルプス市にある国の史跡です。
御勅使川(みだいがわ)は、甲府盆地の西側にある南アルプスのドノコヤ峠(標高1518m)付近を源流とする河川です。
傾斜地にもなっている扇状地を流れていることから、古代から水害が絶えなかったようです。
大水が出る意味の「水出川」(みでい-かわ)ともされ、増水時には釜無川を押流して水害が甲府盆地一帯にまで及んだと言います。
825年の大洪水発生時には朝廷から勅使が下向して被害状況を確認したことから、御勅使川(みだいがわ)と呼ばれました。
御勅使川の名前の由来はスゴイですね。
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その後、戦国時代になると、甲府の治水を案じた武田信玄が、釜無川の信玄堤だけでなく、御勅使川の治水対策も講じたとされます。
江戸時代に入ってからも、度々、鉄砲水が発生しました。
なお、1667年に、山梨県韮崎市から南アルプス市まで全長17kmの農業用水路が築かれます。
この用水路は徳島堰(とくしませぎ)と呼ばれるもので、水が乏しい白根町・八田村へ農業用水を供給できるようになりました。
御勅使川と交差する部分は、地下に設置した水路となる暗渠(あんきょ)と言う、難工事を成功させました。
しかし、御勅使川で鉄砲水が発生すると、関連施設の取水口(分水門)が大破してしまいます。
そのため、御勅使川の堤防だけでなく、川の流れを弱めて、取水口(分水門)を守る施設として造られたのが、この桝形堤防です。
上流から流れて来る水流を、V字型の石積堤防にて、その中央部に位置する取水口を守ったと言う事らしいです。
その御勅使川旧堤防(将棋頭・石積出)が、2003年、国の史跡に指定され、保存保護されています。
桝形堤防がある場所ですが、当方のオリジナル関東地図にてわかるようにポイントしておきます。
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