法隆寺とは
法隆寺(ほうりゅうじ)は、奈良県生駒郡斑鳩町(いかるが)にある聖徳宗の総本山になる仏教寺院です。
法隆学問寺と称しますが、斑鳩寺 (いかるがでら)、鵤僧寺 (いかるがそうじ)と言う別名もあります。
南大門、金堂、五重塔、中門、回廊、聖霊院(しょうりょういん)、東大門、夢殿、東院鐘楼など約17の建造物が「国宝」に指定されているほか、世界遺産(世界文化遺産)にも選ばれました。
ユネスコの世界文化遺産としては、姫路城と共に、日本ではじめて登録されました。
文化財としては国宝だけで38件・150点、国の重要文化財も含めると法隆寺だけで約3000点にも登ります。
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創建としては、日本書紀によると聖徳太子(厩戸皇子)が飛鳥から宮室(斑鳩宮)を築いて移り住み、推古15年(607年)、その脇に法隆寺を開創したと伝わります。
下記は、法隆寺・南大門(国宝)で、法隆寺観光の玄関と言えます。
斑鳩宮があった場所は、現在の法隆寺・東院とされます。
観光の場合には、西院から見学する場合が多いですが、この記事では、歴史が古いほうの東院からご紹介してみます。
下記は、法隆寺・東院伽藍の四脚門(国の重要文化財)で、鎌倉時代の建物です。
上記の四脚門を入ると、正面に法隆寺東院廻廊があり、中へ入れる入口になっています。
ここから先は有料拝観ですが、拝観料などは後述致します。
この東院伽藍は、法隆寺の夢殿があるところでして「夢殿」(国宝)は、奈良時代の739年に建造されたと考えられています。
聖徳太子(厩戸皇子)を供養する建物で、堂内には聖徳太子の等身像とされる救世観音像(国宝)が安置されています。
法隆寺・東院は、天平年間(729年~749年)に聖徳太子が住んでいた斑鳩宮の跡地に建造されたものです。
天平様式を伝える八角堂の夢殿が中心になり、伝法堂、絵殿、舎利殿、回廊、鐘楼、諸門など、平安時代、鎌倉時代、室町時代と多岐にわたる建築物があります。
下記は、法隆寺東院絵殿舎利殿(国の重要文化財・鎌倉時代)で、舎利(釈迦の遺骨)を安置する建物です。
法隆寺・東院の鐘楼も鎌倉時代のもので、国宝になっています。
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺(正岡子規)ですね。
このように、法隆寺は飛鳥様式である「西院伽藍」と奈良時代建立の「東院伽藍」と2つに分かれており、その中間に寺宝を公開する「大宝蔵院」があると言う関係になっております。
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次は、西院と東院の間にある「大宝蔵院」です。
大宝蔵院は、飛鳥時代の百済観音像(国宝)などを展示・公開している寺宝館などが集まっていると言うことになります。
西院の拝観チケットにて、内部見学ができますので、忘れずに寄りましょう。
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下記は聖霊院(しょうりょういん)と言う鎌倉時代の建物で国宝になっています。
内部には、平安時代末期の聖徳太子像(国宝)が祀られています。
法隆寺の御朱印のほとんどは、この聖霊院で頂くことになります。
その聖霊院の奥に長く建っている建物は、奈良時代から僧侶が生活した東室(ひがしむろ)で、国宝になっています。
それでは、お待たせいたしました。
法隆寺の西院です。
下記は、法隆寺・中門(国宝)となりますが、西院伽藍は、ほとんどが世界最古の木造建造物となります。
有料拝観の入口は、上記の中門から左手にそれた先にあります。
西院伽藍(金堂、五重塔、大講堂)、大宝蔵院、東院伽藍(夢殿)の3か所が有料拝観となります。
拝観料は、西院伽藍・大宝蔵院・東院伽藍の共通券が大人1500円、東院伽藍だけの場合は300円です。
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拝観入口から進むと、国宝の回廊の中を少し歩く感じになります。
その回廊からは、法隆寺・五重塔(国宝)が見えますが、木造の五重塔としては世界最古の建物になります。
その五重塔の右わきには、法隆寺・金堂(国宝)があります。
建物としても、飛鳥時代で、東伽藍の中でも一番古いです。
飛鳥時代623年のものと考えられている、釈迦三尊像など貴重な仏像が安置されており、内部の見学が可能です。
西院伽藍のうち金堂は、西暦693年には完成していたと考えられ、711年頃までに中門・五重塔なども設けられたようで、かなり歴史的にも古い木造建造物と言えます。
そのため、一般的に、法隆寺の金堂と五重塔は、日本最古の木造建造物(現存では世界最古)となります。
金堂の屋根裏に使われている木材の年輪測定からも、西暦667年と668年に伐採されたものと判明しています。
下記は、法隆寺 大講堂(国宝)で、薬師三尊像(国宝・平安時代)などが安置されています。
法隆寺・鐘楼も国宝に指定されています。
このように西院伽藍には、五重塔と金堂が並び、中門と大講堂をつないで回廊が囲んでおり、巨大な伽藍が残されていますが、建物はすべて「国宝」です。
法隆寺は南都七大寺(なんとしちだいじ)のひとつに数えられます。
南都七大寺は、奈良にある七つの大寺のことで、奈良時代、756年の文献に記載されています。
東大寺・西大寺・法隆寺・薬師寺・大安寺・元興寺・興福寺の7寺が含まれますが、唐招提寺・法華寺を加えることもあります。
大寺の造営には、官営の造寺司が設けられて建造され、経営維持のためには、莫大な封戸・荘地が与えられて、別当や三綱が寺・寺僧の運営と監督をしました。
法隆寺の拝観時間ですが、朝8時~16時30分(夏季17時)までとなります。
交通アクセス
法隆寺への交通アクセス・行き方ですが、電車の場合、大阪のJR天王寺駅から21分、JR大阪駅から快速31分、JR奈良駅から13分で最寄り駅となるJR大和路線の法隆寺駅にアクセス可能です。
法隆寺駅から法隆寺までは歩くと約15分~20分の距離になります。
なお、法隆寺駅(2番のりば)から法隆寺参道行きの奈良交通バス「72」系統が運行されており、法隆寺参道バス停にて下車して、徒歩1分で法隆寺南大門となります。
他にも、JR・近鉄の王寺駅(北口)から奈良交通バス(62・63・92系統)か、近鉄橿原線の筒井駅から奈良交通バス(63・92系統)、近鉄橿原線・近鉄郡山駅から奈良交通バス(50・51・52・97・98系統)でも行けますが、法隆寺前バス停から徒歩3分と少し離れます。
法隆寺の駐車場ですが、寺の駐車場はありませんので、近隣の民間駐車場利用となります。
町営の法隆寺観光駐車場120台、法隆寺参拝者駐車場いかるが(いかるがモータープール)40台、レストラン富之里100台などがあります。
今回は、一番駐車料金が高くても、法隆寺に一番近いと考えられる「法隆寺門前芳庵駐車場」を利用致しましたので、当方のオリジナル地図にてポイントしておきます。
なお、道路は、平日でも渋滞します。
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法隆寺の観光所要時間ですが、ボランティアの案内人さん同行ですと2時間~3時間程度要します。
普通に見学しても1時間以上は必要ですが、それは日本で2番目と言う広大な広さを持つ寺院ゆえだからです。
時間には余裕を持って訪れて、じっくりと見学したいところです。
お時間があれば藤ノ木古墳もセットでどうぞ。
・法起寺の解説~飛鳥時代建立・日本最古の国宝「三重塔」世界遺産
・朝護孫子寺 ほとんどの願い事が可能な信仰の場
・唐招提寺 鑑真ゆかりの静かなたたずまい
・東大寺「奈良の大仏」交通アクセスや駐車場
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