三重・和歌山観光

長保寺 3つの国宝建築物を有する立派なお寺

長保寺

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長保寺(ちょうほうじ)は、和歌山県海南市下津町にある天台宗の寺院です。
創建は平安時代の西暦1000年ちょうどされます。
この辺りは古くからの荘園「浜中荘」であり、一条天皇の勅願によって、円仁(慈覚大師)の弟子である性空が創建しましたが、当時はもう少し西の方にあったようです。
ちょうど、長保2年だったことから年号より「長保寺」と名付けました。


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その後、1017年には七堂伽藍と子院12坊があったと言います。
鎌倉時代の1242年に現在地に移転して、新たに伽藍もできました。
下記は、長保寺の大門(国宝)で、南北朝時代の1388年の建築の楼門になっており、入母屋造、本瓦葺です。

長保寺の大門(国宝)

戦国時代には衰退しましたが、江戸時代に入ると和歌山城に入った浅野幸長より5石の寄進を受けて、寺領は505石となっています。
その後、紀州徳川家として紀州藩主になった徳川頼宣は、長保寺を紀州徳川家の菩提寺にしました。

紀州藩徳川家の墓所

この時、高野山との関係を絶って真言宗から天台宗に戻ったようです。
かつては芋堂でもあったのでしょうか?
立派な塀はありますが、建物が無い空白の土地も多いです。

長保寺

階段を上がっていくと、途中に有料拝観の受付がありました。
この日は無人になっており、ボックスに300円を投入して自由に見学するパターンになっていました。
もちろん、バチが当たりますので、きちんとお納めするところですが、熊野三山で散々お賽銭を投入してきた結果、あいにく500円玉しかなく、僅かではありますが、おつりは寄進させて頂きました。(^-^)

長保寺

長保寺は大門、本堂、多宝塔の3つの建築物が国宝に指定されています。
本堂は、鎌倉時代末期の1131年建立で、入母屋造、本瓦葺きとなっています。

長保寺の本堂(国宝)

多宝塔は、南北朝時代の1357年の建築で本瓦葺です。
国宝の多宝塔は、高野山金剛三昧院、根来寺など、そもそも日本全国に6か所しかありませんので、これも貴重です。

長保寺の多宝塔(国宝)

1585年、豊臣勢の紀州征伐により一部の伽藍は焼失しましたが、現存の伽藍全体としても、この規模の寺院として、古くからの様式の建造物がこれだけ残っているのは、珍しいと言えるでしょう。
大変失礼な申し上げかたになりますが、境内に国宝建物が3つもあるのですからね。
その他、鎌倉時代後期とされる鎮守堂が、国の重要文化財です。
是非、末永く後世に残して頂きたい、大変貴重な建物を拝見でき、幸せな気分になりました。


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多宝塔の裏手にある紀州藩主徳川家墓所は、全国にある藩主の墓所として日本最大規模であることから、国指定の史跡となっています。

長保寺の拝観時間は朝9時~16時で、拝観料は300円(小学生まで無料)です。

長保寺

毎年4月にはお釈迦様の誕生を祝う祭として「花まつり」(仏生会)が開催され、桜の時期に餅投げも行われます。
また、アジサイやボタンが咲く花の寺としてもよく知られるようです。

長保寺

長保寺への行き方・交通アクセスですが、ちょっと不便で、JR紀勢本線の下津駅からタクシー利用で5分になります。
歩くと30分程のようです。
クルマの場合、県道わきに無料駐車場が12台ほどあります。
また、大門の左わきにも参拝者用駐車場が設けられていますし、初詣や桜の時期も良さそうです。
駐車場の場所は、当方のオリジナル関西地図でポイントしておきます。


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見学所要時間は、約20分といったところでした。
階段はありますが、そんなに長くはありませんので、苦にはなりません。

わりと近くの善福院にも国宝の建物がありますので、セットでどうぞ。
しかし、海南市にお住まいの皆様は、市内に4つも国宝建造物がありますので、ぜひ、大切にすると同時に、誇って頂ければ願っております。

善福院 国宝の善福院釈迦堂 (和歌山県海南市)
紀三井寺 3つの霊泉 2020年には50年に一度の本尊御開帳
和歌山城 紀州藩の大城郭で麗しき日本100名城


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髙田

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