遠江の方広寺(ほうこうじ)は、臨済宗方広寺派の大本山です。方廣寺とも書きます。
1371年の創建で、開基はこの奥山をおさめていた豪族・奥山朝藤であり60町歩の土地と建物を寄進。
そして、後醍醐天皇の皇子・無文元選(むもんげんせん)を迎えて開山しました。
元選禅師が、訪れたことがある中国の天台山方広寺の場所に似ていたことから、方広寺と名付けられてます。
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無文元選禅師のもとには、多くの修行僧が集まり、日夜修行に励んだと伝わります。
下記は奥山方広寺の総門です。
総門を入ると拝観受付があり、その先に山門(赤門)が見えて参ります。
方広寺の参道は歴史も感じられて、かなり幻想的な雰囲気でした。
五百羅漢は、釈迦入滅後の教典編纂の第一結集(けつじゅう)と第四結集に500名の仏弟子達が集まったことが由来です。
五百人の羅漢さまが仏法を護ると言う伝承から信仰を集めています。
大本山方広寺の五百羅漢像の中には、必ず自分に似た石像が見つかると言われているようです。
なお、遠江・方広寺の五百羅漢は、一箇所に集中していると言うよりは、境内のあちこちに散らばっていると言う印象を受けました。
その後、戦国時代の1587年には、後陽成天皇の勅願所となっています。
江戸時代に入ると、江戸幕府から朱印状が与えられ、庇護を受けました。
なお、方広寺への行先案内板などには「半僧坊」(はんそうぼう)と言う記述が見れます。
この半僧坊と言うのは、正式には奥山半僧坊大権現(おくやまはんそうぼうだいごんげん)と言う「神様」です。
すなわち、初めて訪れる方には、わかりにくいのですが、方広寺は臨済宗のお寺さんですが、方広寺奥山半僧坊は神様なので「神社」となります。
この半僧坊と言う神社が、奥山方広寺の守り神のような形になっており、方広寺の西側に半僧坊の建物が隣接しています。
しかも、見学コースでは、方広寺と半僧坊は渡り廊下で繋がっており、奥山半僧坊でのお祈りなどは臨済宗の方式になっている模様ですので、明治の神仏分離以前の混合された状態が残っていると言う事になると存じます。
半僧坊は「異人」で、無文元選禅師が中国から博多に船で戻る際に、嵐の中、船乗りらを励まして導くと姿を消し、無文元選禅師が方広寺に入ると、再び姿を表して弟子となって修行したと伝わります。
その時、禅師が「半ば僧に似ている」と言うと「我は半僧なり」と帰したことから「半僧坊」と呼ばれたそうです。
そして、無文元選が亡くなると、半僧坊は「自分がこの寺や庶民を守る」と宣言して姿を消し、その後、山内に不思議なことが度々起こったことから、方広寺を護る鎮守として祀られ信仰を集めたようです。
例えば、鎌倉の建長寺(臨済宗建長寺派大本山)にも、鎌倉半僧坊大権現が建長寺の鎮守として裏山の中腹(建長寺の一番奥の山の中腹)にあります。
これは、明治14年に方広寺の裏山で山火事が発生した際に、円明大師(無文元選禅師)の墓と方広寺の鎮守「半僧坊」が延焼を免れたことから、半僧坊の威徳によるものだと評判が広まり信仰されたためです。
なお、半僧坊の話を総合致しますと、禅師につき従って、薪採りや水汲み、食事の仕度・世話もしたので「飯僧」と呼ばれ、のちに「半僧坊」と呼ばれるようになったと模様です。
異人としていますし、鼻が高かったので「天狗」と書かれている場合もありますので、中国からついてきた外国人だった可能性は高いでしょう。
奥山方広寺・奥山半僧坊は、境内有料拝観となります。
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拝観時間は朝9時~16時で、麓の山門から入る場合には、最終受付は15時30分となります。
入口は2箇所あって、その麓の山門から登っていく方法と、山上と申しましょうか?、3重の塔がある場所の駐車場から降りていく方法と2ルートあります。
今回、山門から登りたかったので、車でまずは三重塔の無料駐車場まで上がって、そこから歩いて麓まで降りて、廻ってみました。
なお、方広寺の本堂から右手にある大庫院から内部拝観が可能になっていて、靴を脱いで、資料室、方広寺の本堂内部、渡り廊下を抜けて半僧坊真殿の内部、
この一周コースで観光所要時間は約60分でした。
なお、方広寺では2日前までに予約をすれば、2名以上で「精進料理」の昼食(2000円)をご用意頂けます。
前日・当日予約は精進うな重(1200円)のみとなります。いずれも拝観料は別途です。
他にも約4時間の日帰り禅寺体験(2日前までに予約2名以上、ひとり約5000円で精進料理付き)や、毎月第2土曜日からは1泊2日での一泊禅寺体験もあります。
さて、浜松・奥山方広寺と半僧坊への生き方・アクセスですが、下記の地図ポイント地点が、山上の無料駐車場の入口となります。
2017年のNHK大河ドラマ「おんな城主・直虎」に登場する、井伊直政の母は、奥山朝利の娘であり、この方広寺を開基した奥山氏の末柄です。
その井伊谷・龍潭寺までは、車で約10分の距離ですので、ぜひ、セットで訪れてみてはいかがでしょうか?
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ラッキーさま、誤記のご指摘、非常に助かります。
また、大変失礼いたしましたこと、お詫びを申し上げます。
修正させて頂きました。(^-^)
奥山方広寺も井伊谷も遠江、であって、三河ではない。現在は静岡県浜松市北区です。