見付天神社とは
見付天神(みつけてんじん)は、静岡県磐田市見付にある神社で正式名称は矢奈比売神社(やなひめじんじゃ)という。
創建年代は不詳だが、続日本後紀によると平安時代の840年6月に従五位下の神階を授けられたとある。
その後、860年1月17日には正五位上となったと言うので歴史は古そう。
993年には、太宰府天満宮から菅原大神を勧請。
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以後は「見付の天神様」として見付の人々に親しまれた。
江戸幕府ができると、1603年、神領50石を賜っている。
霊犬・悉平太郎
見付天神には悉平太郎(しっぺいたろう)の伝説がある。
アニメ・ゆるキャン△でも、志摩リンが原付で見付天神を訪れるシーンがある。(原作第5巻第25話、テレビアニメ版第2期第2話、テレビドラマ版スペシャル)
見付の里では、毎年8月上旬頃、どこからともなく飛んで来た「白羽の矢」が、ある家の屋根に突き刺さると言う。
この矢を立てられた家は「年番」といい、その家の娘を生きたまま柩に入れて、8月10日の真夜中に見付天神へ供えるしきたりになっていた。
供えられた娘は、生贄として地響きと共に現れた怪神によって食い殺されるという恐ろしいイベントだ。
これを破ると田畑が荒れ、里が凶作に苦しむと言う事で、里人は泣く泣くこのしきたりを守っていた。
しかし、1308年8月、雲水と言う旅の僧が見付宿に入ると祭りに遭遇。
楽しいはずの祭りなのに、里人が悲しい表情をしていることから、話を聞いた。
見付の里の鎮守であるはずの神様が、そんな悪行をするはずがないと悟った雲水は、祭りの夜にその正体を確かめようと神社に向かい身を潜めたと言う。
すると、現れたのは神ではなく恐ろしい怪物であり「信濃の悉平太郎に知らせるな。今宵今晩このことは、悉平太郎に知らせるな。」と独り言を言いながら、柩(ひつぎ)に入った娘をさらって行くのを目撃した。
雲水はこの妖怪が悉平太郎を怖がっていると考え、協力を求めるため信濃国へ向かった。
しかし、約1年たっても見つからず諦めかけた際に、悉平太郎と言う名の「犬」が伊那・光前寺で飼われていることがわかる。
そして、雲水は光前寺の住職に事情を説明し、悉平太郎を連れて見付に戻った。
見付に戻った頃には翌年の8月になっており、この年も年番の屋根に白羽の矢が立った。
そのため、雲水は里人と相談し、娘の代わりに悉平太郎を柩に入れたと言う。
怪物が柩をひらくと、悉平太郎は苦戦するも怪物退治に成功した。
その怪物の正体は、歳をとった猿の妖怪「狒々」(ひひ)であったと言う。
見付の里人は、悉平太郎に心から感謝し、大般若経六百巻を書き写して光前寺へ奉納した。
下記は磐田・見付天神にある悉平太郎の銅像。
今でも悪さする者がいないか?、見張ってくれている。
なお、長野県駒ヶ根市にある信濃・光前寺にも犬が磐田に行って猿を退治したと言う似た話の伝承がある。
ただし、光前寺での犬の名前は「早太郎」(はやたろう)と呼ばれていて、名前が一致しないのがまた興味深い。
なお、駒ヶ根では疾風太郎(しっぷうたろう)と言う犬の名が伝わる。
狒々(ひひ)と言う猿はは日本に伝わる妖怪。
サルを大型化したような姿をしており、老いたサルがこの妖怪になるともされ、よく人間の女性を襲うと言う。
なお、人身御供(ひとみごくう)を要求して人間の女性を食べる妖怪は猿神と言う名でも日本各地に伝承がある。
内容は同様に、サルが人間の女性を生贄を求め、通りすがりの猟師や僧侶が身代りとなって退治すると言う話だ。
この退治の際に、犬が登場するのも特徴である。
見付天神社の見学所要時間だが、駐車場からで約20分といったところか?
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一説によると、悉平太郎は重傷を負って倒れたので、人々は見付天神の横に山神として祀ったともされる。
奥の方に霊犬神社があるが、結構、離れているため、霊犬神社もお参りすると合計40分は必要といったところ。
見付天神は、小高い丘のうえにあるが、平日でも社務所があいているので、お守りや御朱印も頂ける。
見付宿はなかなか雰囲気が残されている。
見付天神では初詣も人気であろう。
磐田市のキャラクターは「しっぺい」。
交通アクセス
JR東海道線の磐田駅から路線バスの場合、2番のりば遠鉄バス80系統に乗車して所要7分。
見付バス停下車となり徒歩5分。
タクシー利用の場合、磐田駅より約7分程度。
クルマの場合、第1駐車場が便利。
見付天神への行き方だが、場所などは当方のオリジナル地図「名古屋・北陸方面」にてポイントしている。
オリジナル地図「名古屋・北陸」方面
スマホ画面などで表示して「検索窓」から検索して、カーナビ設定することでも使用可能。(徒歩ナビとしても可能)
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