尾道・浄土寺(じょうどじ)は、広島県尾道市東久保町にある真言宗泉涌寺派の寺院で、ご本尊は十一面観音(秘仏)になります。
創建は飛鳥時代の616年で、聖徳太子の開基ともされます。
鎌倉時代初期には荒廃しましたが、鎌倉時代後期に西大寺の定証が中興し、1303年~1306年にかけて堂塔を造営されました。
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1325年に焼失しますが、尾道の富豪である道蓮・道性の夫妻が復興します。
現存している国宝「本堂」国宝「多宝塔」など、国宝の建物が多く、寺全体が文化財だらけと言えるパワースポットです。
そのため、境内すべてが国宝に指定されていますが、寺域全体が国宝になっているのは、日本全国でも2例しかありません。
<注釈> お寺さんとして、他には、京都の清水寺が、寺域全域が国宝になっている。
また、国の重要文化財になっている阿弥陀堂なども、このときに再建された建物になります。
その後は大きな火災にあっていないため、貴重な建造物が残されていると言う事になります。
1336年、足利尊氏は、後醍醐天皇から朝敵とされるも、なんとか京を制圧しますが、新田義貞・北畠顕家に敗れ、船にて九州へ落ち延びました。
このとき、尾道に寄ったようで、尾道・浄土寺にて戦運挽回の祈願を行い、備後国得良郷や因島の領地を寄進しています。
また、九州で盛り返し、今度は京に上る際にも、戦勝を祈願しました。
楠木正成を破り、京に返り咲いた足利尊氏は、室町幕府を起こし、浄土寺には利生塔(現在はない)を建立するなど、足利家と縁が深くなりました。
そのため、浄土寺では、足利氏の家紋「二つ引門」を寺紋として使用しています。
下記は、境内にある、下記写真は、尾道・浄土寺にある、足利尊氏の供養塔で、国の重要文化財です。
また、室町幕府3代将軍・足利義満が、足利直冬など九州の南朝勢力を討伐する際に派遣した、今川了俊(今川貞世)も、その途中、浄土寺に数ヶ月滞在しました。
毛利元春、吉川経見、熊谷直明、長井貞広、山内通忠らの集結を待って軍を進めています。
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尾道にある宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、どれも大きく、経済力があったことを伺わせますが、左のは南北朝時代1348年の宝篋印塔で、右のは納経塔で、鎌倉時代1278年のものです。
もちろん、両方とも、国の重要文化財に指定されています。
境内には「ハト」がたくさんいまして、鳩のエサも売られています。
浄土寺も映画「東京物語」、「ふたり」、NHK朝ドラ「てっぱん」でロケ地にもなっています。
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尾道・浄土寺への交通アクセス・行き方ですが、境内の東側が、参拝者用駐車場になっていますが、アクセス路となる道は1.1~1.3車線と、とても狭く、交互通行になっているところもあります。
先は行き止まりなので、ひとつのルートしかありません。
また、尾道・浄土寺の駐車場入口も狭く、普通に左折ができない状態です。
その先のちょっと広い路地で、方向転換して、駐車場に入り、帰る際にも駐車場から出て、方向転換して、帰ると言う感じになります。
念のため、当方のオリジナル地図にて、駐車場をポイントしておきますので、カーナビとしてご活用頂けますと幸いです。
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