昭和新山とは
昭和新山(しょうわしんざん)は、北海道有珠郡壮瞥町にある火山で、支笏洞爺国立公園内にあります。
洞爺湖の南岸にある有珠山に近い火山です。
現在も、山頂付近から「煙」(水蒸気)を出している活火山ですが、国の特別天然記念物に指定されています。
特別天然記念物と言いますと、尾瀬、秋吉台の秋芳洞、上高地、黒部峡谷、玉川温泉の北投石、ニホンカモシカ、阿寒湖のマリモなど約60件くらいしか指定されていません。
通常の天然記念物の中でも、特別天然記念物は大変貴重なものとなります。
その特別な天然記念物が活火山の「昭和新山」となります。
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なぜ、そんな貴重な火山のでしょう?
いまさら説明は不要ではありますが、下記のような事情があります。
昭和新山がある場所は、昭和の初めまで、北海道ではありふれているのどかな田園地帯でした。
標高150mほどで、人家も近い平坦な麦畑が広がっていたのですが、昭和19年に地震が多発します。
「フカバ」という集落や、広大な畑作地帯は土地が隆起しはじめ、やがて噴火を始めました。
それから、約4ヶ月の間に合計で17回噴火を繰り返すと、噴火は終息しましたが、今度は、溶岩ドームがぐんぐんと標高を高くしていきました。
約1年掛けて、隆起した溶岩ドームは高さ175mも伸び、新しくできた山は標高403mの昭和新山と名付けられました。
当時は、太平洋戦争も激化していた時期であり、国民の動揺を避けるため日本国内でも報道されることはありませんでした。
なお、当時、地元で郵便局長をしていた三松正夫さんが詳細な記録を残したほか、戦後、家や農場を失った住民のために、山を買い取りました。
そのため、世界でも珍しいのですが、昭和新山は私有地にあり、三松家が所有しています。
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下記は昭和新山の駐車場からみた、昭和新山の様子です。
下記の動画のとおり、現在でも噴気活動は続いており、北海道の観光スポットになっています。
交通アクセス
昭和新山への交通アクセス・行き方ですが、洞爺湖から車で10分ほどの距離にあります。
昭和新山のすぐ麓に有料駐車場があり、有珠山ロープウェイの乗り場や、クマ牧場などがあります。
昭和新山溶岩ドームのすぐ下までは行けますが、登山はできません。
登山する場合には、特別な許可が必要となります。
毎年8月下旬には、昭和新山の成長過程を「花火」で表現する昭和新山火祭りが開催されます。
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