柴又帝釈天(しばまた-たいしゃくてん)は、東京都葛飾区柴又7丁目にある日蓮宗の寺院の通称になります。
正式なお寺の名前は経栄山・題経寺(きょうえいざん-だいきょうじ)ですので、通常であれば「題経寺」と呼ぶところですが、題経寺でなく「帝釈天」と一般的に親しまれています。
映画『男はつらいよ』でもロケ地となったことから有名な東京の観光スポットになっています。
そもそも「帝釈天」と言うのは、仏教において天界に住む者のひとりで、梵天と並んで仏教の守護神の名前になります。
日本では奈良の東大寺や唐招提寺などに彫像があります。
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柴又帝釈天の創建は江戸時代初期の1629年(寛永6年)で、やがて江戸の庶民から「帝釈天」が信仰を集めるようになり、柴又の帝釈天として知られました。
ただし、細かいことを申し上げますと、この題経寺のご本尊は帝釈天ではなく大曼荼羅です。
どう言う事かと申しますと、二天門から境内に入って、正面に見える建物で、たくさん人がお参りしているのが「帝釈堂」になり、この帝釈堂は、その名の通り、帝釈天を祀っていて、帝釈天の板本尊が安置されています。
この帝釈堂が多くの信仰を集めたため、今では神社で言う本殿のような感じになっています。
しかし、そもそも題経寺の本堂は、この帝釈堂ではなく、帝釈堂から右手にある祖師堂が、本来の本堂と言う事になるのです。
要するに、題経寺の境内の中にあった、帝釈堂のほうが江戸時代に人気を集めてしまい、その後、建て直しなどをしているうちに、本堂のように配置されたと言えるでしょう。
葛飾・柴又の帝釈堂・拝殿は昭和4年(1929年)に完成した建物となります。
ただし、この帝釈堂の外観部分には、大変見事な「彫刻」が施されており「彫刻ギャラリー」と呼ばれています。
帝釈堂内殿の外部は東・北・西の全面が装飾彫刻で覆われており、法華経の説話を彫刻で再現したものです。
大正11年から約12年かけて、加藤寅之助ら10名の彫刻師が1面ずつ制作したと言います。
この貴重な彫刻を保護するため、内殿は、建物の周りを「ガラス」で囲っていて、見学用の通路が設置されています。
この見学コースを「彫刻ギャラリー」と称して、有料拝観できるように公開されているのです。
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なお、有料拝観は、彫刻ギャラリーだけでなく、渡り廊下で行ける「大客殿」と「庭園」の見学がセットになっています。
拝観料は400円(子供200円)ですが、見どころでもありますので、一見の価値は十分にあります。
庭園は邃渓園(すいけいえん)と呼ばれている池泉式庭園で、周りに廊下があって、その廊下を歩きながら見学する方式です。
そのため、庭園の中に降り立つことはできませんが、もちろん、外国人観光客にも好まれそうな日本の風景になっています。
御朱印を授かれる場所は、帝釈堂の中(左手)で、お参りをしてから、いただくのがマナーのようです。
御朱印状はやっていないので、よくわかりませんが・・。
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柴又帝釈天まで参りましたら、ぜひ、門前の参道に並んでいるお店も情緒があり賑わっています。
帝釈天参道の正式名称は「神明会」といいますが、名物・草だんごを始め、ランチ(昼食)も取れる食堂も、数多くあります。
商店街は歩いているだけでも、楽しいです。
観光客も多いです。
なかでも「とらや」さんは、映画・男はつらいよで、主人公の寅さん(渥美清さん)に、ゆかりのあるお店です。
柴又駅で降り立てば、駅前の広場には、寅さんの銅像があります。
「フーテンの寅」像と言います。
妹・さくら(倍賞千恵子さん)の銅像もあり、たくさんの方が写真を撮影されていました。
帝釈天から柴又駅は、混雑していなければ5分程度の距離です。
柴又帝釈天への交通アクセス・行き方ですが、電車の場合、京成金町線「柴又駅」から商店街(門前町)を抜けて徒歩5分程度です。
ただし、お正月などは大変混雑します。
北総鉄道・北総線の新柴又駅からは徒歩約15分、矢切の渡し・柴又側船着場からは徒歩約7分の距離です。
時間が許せば「寅さん記念館」とセットでどうぞ。
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帝釈天の駐車場は有料(駐車料金はだいたい500円)で、2階建ての立体Pになっています。
駐車場の入口は、当方のオリジナル地図にてポイントしておきます。
係員さんがいますので、その指示に従ってください。
朝9時からオープンです。
また、付近にはコインパーキングもあります。
ただし、土日祝は、どこの駐車場も満車気味です。
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