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日本海の荒波が生んだ、世界でも3箇所くらいと言う大変貴重な輝石安山岩の柱状節理が見られるのが、北陸の観光名所「東尋坊」です。
東尋坊(とうじんぼう)は、荒々しい岩肌の柱状節理が約1kmに渡って続く、海岸の崖となり、国の名勝・天然記念物に指定されています。
サスペンスドラマの撮影・ロケ地としてもお馴染みです。
約23mの高さとなる断崖絶壁には、転落防止用の柵はありませんので、基本的に崖の先端へ行くのも自由です。
ただし、もちろん自己責任ですので、小さなお子様をお連れの場合には、あまり近づかないほうが良いでしょう。
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一度訪れたことがある方でしたら、ご承知だと存じますが、東尋坊と言うのはお坊さんの名前です。
東尋坊の朝と夕方の写真を交えながらご紹介したいと存じます。
東尋坊
越前には天台宗の有力寺院として、平泉寺(へいせんじ)と言う大変規模の大きい寺がありました。
白山信仰の拠点でもあり、戦国時代に朝倉家の保護を受けていた頃には、寺院が48社、建物は36堂、6000もの坊院が建ち並び、寺領は9万石(9万貫)、そして、8000人もの僧兵がいたと伝わります。
この当時の日本にあった宗教都市としては最大です。
その戦国時代よりも前の鎌倉時代になろうかと言う頃に、平泉寺に東尋坊(とうじんぼう)という僧がいました。
下記は平泉寺跡にある東尋坊跡です。
東尋坊は、怪力の持ち主で、住民には悪事の限りをつくしたと言い、好き勝手に悪行を重ねたため、平泉寺も困ったようです。
そんな東尋坊は、とある美しい娘「あや姫」に心を奪われて、恋敵である真柄覚念(まがらかくねん)という僧侶と激しく争いました。
1182年4月5日、平泉寺の僧侶らは、皆で相談して、海の見物に東尋坊を誘い出します。
そして、崖の上につくと、腰かけて酒盛りをしました。
酒に酔い、うたた寝を始めた東尋坊は、合図を受けた真柄覚念によって、崖から突き落とされたと言う事になります。
しかし、東尋坊が波間に沈むと、たちまち天候が急変して、豪雨となり、東尋坊を殺した真柄覚念も崖下へと吸い込まれたとあります。
この荒波は49日間続いたと言われており、毎年4月5日の前後は、今でも海が荒れると言われています。
これだけ大きな規模の柱状節理の安山岩は日本でもここだけです。
約1200万年~1300万年前の火山活動でマグマが冷え固まったものです。
その後、日本海の荒波を受けて浸食されました。
地質学的にも極めて貴重であるため、国の天然記念物と、国の名勝にも指定されています。
東尋坊を散策する場合、結構、自由に歩けるようになっており、決まった散策コースなどはありません。
時間が許す限り、色々と歩いてみると良いかも知れません。
ただし、足もとは「岩」です。
足元が悪いだけてなく、滑りやすいところもありますので、決して無理をなさらないよう(落っこちないよう)、歩いてください。
柱状節理世界三大絶勝のひとつになっており、東尋坊の他には朝鮮半島の金剛山と、ヨーロッパ・スカンジナビア半島ノルウェーの西海岸があります。
外国に行かないと、見れないような風景が、北陸にあると言えるでしょう。
東尋坊観光遊覧船
東尋坊はこれまで2回ほど訪れたことはあるのですが、陸からですと、どうして、崖・絶壁のうえから見学するにとどまります。
そのため、今回は「東尋坊観光遊覧船」に乗船して、日本海から柱状節理を拝見したいと思って訪問しました。
ライオン岩、ろうそく岩などは船から出ないとよくわかりません。
東尋坊は西側なので、朝から昼間は逆光です。
夕方にならないと、日が良く当たらないので、わざわざ夕方に行くようにスケジュールを組んだのですが・・。
もともと、波が荒い日本海だけで、遊覧船は「欠航」でした・・。
ちなみに、東尋坊観光遊覧船の乗り場は、東尋坊のお土産物店のストリートを抜けたところにあります。
そして、東尋坊の崖下に東尋坊船着があります。
下記写真の下のところです。
ただし、波が高くて船着き場が使えない時は、南へと車で5分ほど離れた、三国温泉のところ「三国サンセットビーチ」から出航する場合もあります。
しかし、この日は、両方ともダメでした。
このように、結構、欠航率は高いですが、乗船所要時間は30分です。
もう、生きている間に訪れることはないかも知れませんが、もし、チャンスがあれば、またチャレンジしてみたいと存じます。
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もし、地球が丸いことを実感したい場合には高さ55mの「東尋坊タワー」がお勧めです。
駐車場
東尋坊の駐車場ですが、広い駐車場は有料駐車場です。
東尋坊のお土産物店に囲まれた歩道を5分ほど歩いて行きます。
当方のオリジナル地図では、一番近い駐車場を表示させて頂いておりますので、よければご覧ください。
駐車場の脇に、お土産物店のストリートに降りていける階段があります。
観光所要時間は30分~2時間と言ったところです。
また、時間が許せば、近くの雄島、越前松原などもセットでどうぞ。
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