四国・香川県の金毘羅宮からもほど近い場所に「善通寺」(ぜんつうじ)があります。
善通寺がある付近にて、空海は生まれたとされます。
そして、この善通寺には、空海の父・佐伯直田公が創建しました。
そのため、佐伯田公の法名は「善通」(よしみち)になっていますが、佐伯善通とも呼ばれるように、父の別名から命名された寺院とも考えられます。
ちなみに、佐伯氏は、日本書紀に播磨・讃岐・伊予・安芸・阿波の5ヶ国に送られたとあります。
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佐伯直田公が寄進した時期は、807年と言いますので、ちょうど、空海が日本に帰国した直後の頃と推定されます。
創建当初は、金堂・大塔・講堂など15の堂宇があったようですが、空海が修行した長安の青龍寺を模して建立したとされています。
となると、大宰府にて許しを待っている間、空海は一度、里帰りして、父が寺院を建立すると言うと、その設計を行った可能性もあるのではと言う気がいたします。
ともあれ、真言密教の第八祖と認められた空海は、その偉業により、父にも許されたのでしょう。
空海が唐から持ちかえったとされる金銅錫杖頭(こんどう-しゃくじょうとう)が善通寺に伝わりますが、国宝にも指定されています。
経文仏交書経の一字一仏法華経序品(いちじいちぶつほけきょうじょほん)も国宝です。
こうして、善通寺は、和歌山の高野山、京都の東寺と共に「弘法大師三大霊場」に数えられ、実家の佐伯氏からは、真言宗の僧侶も多数輩出して、真言宗を支えました。
善通寺の最盛期には49の塔頭寺院があったと言います。
現在の善通寺は、金堂、五重塔などがあり「伽藍」と称される東院、御影堂を中心とする「誕生院」と称される西院と、東西二院に分かれています。
下記は東院にある、金堂です。
戦国時代の1558年、三好実休によって焼失しましたが、その後再建されたものとなります。
高さ45mの五重塔もあります。
下記は空海の父母となる、佐伯直田公(さえきのあたいたぎみ)と、玉依御前(阿古屋御前、阿刀大足の娘、または阿刀大足の妹)を祀った、佐伯祖廟となります。
西院(誕生院)は、佐伯家の邸宅跡で、弘法大師が生まれた場所と言う事になります。
のちに佐伯氏は京都に移住したため、1249年に寺院が建てられたと言う訳です。
御影堂奥殿が、弘法大師の母の部屋があった場所との伝承があり、まさに、空海が生まれた場所なのです。
御影堂の地下は約100mの暗闇が続く、戒壇めぐりとなっています。
善通寺の戒壇めぐり・宝物館は有料拝観となり、朝8時~16時30分で、大人500円、小学生・中学生は300円となり、受付時間(拝観時間)は午前8時~午後16時30分までです。
戒壇めぐりとは、真っ暗な暗闇の通路を歩いて行くものです。
写真撮影が禁じられているためありませんが、内部の壁は善光寺のように木製ではなく、以外にも「コンクリート製」でした。
ただし、クネクネと何か所もカーブがあり、壁沿いに手を添えて歩いて行くようにとの話でした。
途中、明るいところがあり、そこでは、弘法大師の声を再現した、ありがたいお説教も頂けました。
外に出ますと、宝物館へと行くことができます。
その途中に、産湯の井戸があります。
建物で保護されています。
四国八十八箇所巡りでは75番目の善通寺ですが、今では温泉付きの宿坊「いろは会館」もあり、お遍路以外の方でも宿泊可能です。
なお、善通寺の観光所要時間ですが、30分~60分程度です。
交通アクセス
真言宗善通寺派総本山・善通寺への行き方・アクセスですが、西院の正覚門の前に大駐車場があって普通車は200円です。
駐車場入口は当方のオリジナル四国地図にてわかるようにしてあります。
JR土讃線の善通寺駅からの場合、約1.3km、徒歩20分といったところです。
ちなみに、こんぴらさんの入口までは車で約15分の距離です。
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