浄土ヶ浜(じょうどがはま)は、岩手県宮古市の三陸復興国立公園にある風光明媚な海岸で、国の名勝に指定されています。
波が静かな入り江である浄土ヶ浜は、約5200万年前の火山石で入江が構成されており、宮沢賢治も1917年7月に訪れています。
国内有数の海水浴場でもあり「日本の快水浴場百選」「日本の水浴場88選」「かおり風景100選」「日本の渚百選」(渚100選)「日本の白砂青松100選」に選ばれているほか、全国に12ヵ所しかない「特選」評価の海水浴場でもあります。
もちろん、海水浴が目当てでなくても、1年を通じて、たくさんの観光客が訪れる、超人気スポットです。
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浄土ヶ浜の景観の素晴らしさなどは、ガイドブックなどにたくさん掲載されていますので、この記事では、浄土ヶ浜を堪能するべく、一番効率よく楽しめる方法をメインにして、記載させて頂きます。
通行規制
まず、浄土ヶ浜は、春から秋にかけて、浄土ヶ浜公園内の道路が、一般車両通行止(通行禁止)と規制されます。
ただし、歩行が困難な場合や、業務上通行が必要な人などには「通行許可証」が発行されますので、当日、浄土ヶ浜第一駐車場に設置されている道路管理詰所にて相談なさってみて頂ければと存じます。
と言う事で、一般車両や、バスで浄土ヶ浜に来た場合の話として、記載させて頂きます。
通行規制の期間は、毎年、変更が無ければ、4月1日〜10月31日の間となります。
この期間は、冬季は一方通行で走れる、浄土ヶ浜公園内道路(第1駐車場・浄土ヶ浜・第3駐車場)が、一般車両通行止となります。
どういうことかと申しますと、よくテレビ番組などで紹介される、浄土ヶ浜の一般的によく知られる風景がある「浄土ヶ浜レストハウス」(奥浄土ヶ浜)の前に広がる砂浜まで、自動車は入れないのです。
下記の風景のところです。
でも、心配はなさらないでください。
無料のシャトルバスが運行されます。
浄土ヶ浜園内周遊バス
浄土ヶ浜園内周遊バスへの乗車は「無料」となっています。
環境に配慮したEVバス(電気バス)で、現地では浄土ヶ浜園内循環バスとも呼びます。
起点は第一駐車場で、・ 浄土ヶ浜マリンハウス降り口 ・ 奥浄土ヶ浜バス停 ・ 第三駐車場 ・ 第二駐車場(パークホテル前) ・ 第一駐車場と、約30分で一周します。
運転は朝9時から概ね30分間隔で、最終は16時30分発です。
最終に第1Pから乗車した場合には、帰りは歩いて帰ってくることになります。
画像出典:宮古市さま
ただし、運行日には注意が必要です。
例年ですと、4月1日~10月31日 土日祝日のみ運行
ただし、GW(ゴールデンウィーク)期間中と、夏休み期間中は、平日でも運行されます。
それ以外の平日は、運行がありません。
毎年条件が変わるかも知れませんので、現地にて最新情報をご確認願います。
なお、座席数は26席で、乗車定員は54名です。
混雑時には、次のバスになると言う事もありますので、お早めに並ぶと良いです。
11月から3月は、通行規制がないため、自家用車にて、第1駐車場の中から一方通行の道路で、進んで、「浄土ヶ浜レストハウス」(奥浄土ヶ浜)の無料駐車場に停められます。
歩いて行く場合
駐車場から歩いて「浄土ヶ浜レストハウス」(奥浄土ヶ浜)まで行く場合です。
バスが通行する道路を歩きますと、第1Pから約1.2km、徒歩25分くらいとなります。
木々の中を道路が通っていけますので、夏場は、この道路の方が良いかも知れません。
段差もないので、ベビーカーも押して行けます。
なお、海岸線からも歩いて行けるように、遊歩道「浄土ヶ浜うみかぜルート」が設けられています。
景色を見ながらの場合には、海岸線の散策路からの方が断然良いです。
途中には、小石浜、浄土ヶ浜(中の浜)、砥石浜などの小さな浜があり、所要時間は片道で徒歩20分ほどになります。
第1駐車場の脇にある浄土ヶ浜ビジターセンターには、ちょっとした浄土ヶ浜の展示紹介もありますが、なんといっても「エレベーター」があります。
駐車場は、少し高いところにあるのですが、帰りには、そのエレベーター(無料)を利用して、海岸の低いところから、上がっていけますので、とてもラクラクです。
もちろん、混雑時にはそのエレベーターも、行列ができるかも知れませんが・・。
と言う事で、クルマで訪れる場合には、第1駐車場を起点にして行動するのか、すべての季節において一番と言えます。
観光船・サッパ船
第1駐車場にあるビジターセンターから下がったところ、徒歩5分くらいの桟橋からは「みやこ浄土ヶ浜遊覧船」が運行しています。
浄土ヶ浜から桟橋まで歩いてくると、徒歩約15分です。
乗船チケットは、ビジターセンター脇にある窓口のみでの発売です。
無料の周遊バスが混雑している場合には、この観光船に乗船して海から別の角度で眺めるのも良いでしょう。
観光船に乗船している時間は「浄土ヶ浜周遊コース」の場合、宮古湾を一周して約40分間となります。
そんなに運行本数がありませんので、時刻表は下記の公式サイトにてご確認願います。
お正月には初日の出クルーズ、夏は納涼船などの特別運行もあります。
なお、風や波があると運休になることがあるので注意しましょう。
もうひとつ、お勧めしたいのが「浄土ケ浜マリンハウス」から出ている個人向けの船「サッパ船」です。
サッパ船と言うのは、屋根が無い漁業用の小さな船の事を言いますが、一番大きな船で定員7名です。
その小さな船の特性を生かして、海にポッカリと空いている洞窟「青の洞窟」に船で入れます。
青の洞窟(八戸穴)は、洞窟の中に入ると、海水の色が「青く」見えることから、若者やカップルにも大人気です。
青の洞窟は、人が歩いて行けるところではありませんので、小さな船でしか行けません。
この日は、3月末の午後、日がだいぶ傾いてきていて、天気も曇りだったのですが、写真で撮影しますと、この青さです。
入り口から差し込む光が、海底の方まで青く光り、なんとも言えない美しさを見せてくれます。
もっと明るいブルーをご希望でしたら、太陽光線が差す午前中(できれば早い時間)が良いみたいです。
まぁ、光の屈折なので、普通は下記のように、きれいな海水と言う事になります。
より雰囲気がわかるよう、動画も撮影してみましたので、よろしければ、ご覧頂けますと幸いです。
プロモーション映像風に作ってみました。
前述の観光船も大きすぎるので、洞窟には入れません。
救命胴衣とヘルメットも貸し出しされますし、船頭さんの解説もありますので、安心です。
なんと言っても、混雑していなければ、すぐに出航してくれますので、時間に無駄もありません。
小型ボートですので、混雑していなければ、恐らくは家族で貸切になると思います。
所要時間は約20分でして、洞窟以外も船でまわってくれます。
浄土ヶ浜の白い地質は5千万年前の第三紀の流紋岩でして、日本の国立公園にて発達中のタフォニ(奇岩)が見れるのは、ここだけと言われています。
冬でも波が大丈夫であれば運行されています。
詳しくは下記の公式サイトにてご確認願います。
マリンハウスと、浄土ヶ浜レストハウスでは、昼食(ランチ)を取ることもできます。
と言う事で、一旦、まとめます。
有名な景色がある場所は、奥浄土ヶ浜、レストハウスがある場所です。
第1駐車場は、ビジターセンターと遊覧船がある場所になります。
サッパ船は、マリンハウスから出ていて、ビジターセンターから海岸に降りて、歩行者用のトンネルを抜けた場所、徒歩10分くらいです。
最低の観光所要時間は60分以上となります。
ウミネコにエサやり
なお、船に乗船しますと、船が出たとたん「ウミネコ」が飛んできます。
船乗り場なので「かっぱえびせん」が売られていたりしますので、指に持って、平行に差し出せば、鳥が飛んできて、パクッと、目の前で食べます。
小さなお子様は、ご注意願いたいのですが、怪我しても自己責任です。
交通アクセス・駐車場
交通アクセス・行き方ですが、宮古駅からバスに乗車した場合には所要時間約20分、浄土ヶ浜ビジターセンターでも下車できますが、その先の「奥浄土ヶ浜」バス停まで、行ってくれます。
ただし、本数が少ないのが難点です。
電車で訪問する場合には、ちょっと不便ですので、盛岡など、新幹線の駅から「定期観光バス」で三陸を周るのも一考です。
駐車場は第1駐車場が一番便利ですが、土日祝、ゴールデンウィーク、夏休みには早くから混雑します。
満車の時には、第2駐車場が、浄土ヶ浜パークホテルの入口のところにあります。
その他、第3駐車場がありますが、第3は、一番遠いです。
第1駐車場がある場所は、当方のオリジナル東北地図にてポイントしておきますので、カーナビ代わりにお使い頂けますと幸いです。
ただし、単に浄土ヶ浜までの往復でよい場合(船に乗らない場合)には、約15分ですので、そんなに遠い訳ではありませんが、帰りが登り坂になります。
混雑を避けたいのであれば、朝9時頃には到着するように向かいたいところです。
もしくは、至近のホテルに宿泊すると、ラクラクです。
宿泊するのであれば、断然「浄土ヶ浜パークホテル」が便利です。
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【広告】浄土ヶ浜パークホテル
東日本大震災の際、浄土ヶ浜レストハウスや遊歩道などは、高さ12m~13mの大津波で壊滅しました。
津波が引いていく、引き波の際には、水深20mほどある浄土ヶ浜の海の底が見えたと言います。
レストハウストとマリンパークはのちに再建されました。
ホテルは高台にありますので、浄土ヶ浜パークホテルは、無事でした。
しかし、地域の皆様などを受け入れて、約1ヶ月間、避難所として機能させたと言いますので、頭が下がる思いですよね。
浄土ヶ浜に打ち上げられた、大量のがれきも、県内外の観光団体などのボランティアによって撤去されたと言います。
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山肌のマツや桜は、海水を被って枯れたため、京都の醍醐寺(だいごじ)などより桜が移植とれさたとも言います。
第3駐車場も、ちょっと前までは、仮設住宅が建っていました。
今はだいぶ復興しており、観光客は地震前よりたくさん訪れていると言います。
ホテルから浄土ヶ浜までは、階段がありますが、徒歩10分といったところですので、夕食前や朝食後に散策するのも良いでしょう。
そうそう、2018年から、宮古~室蘭フェリーが就航しました。
宮古市の極楽「浄土ヶ浜」を見学してから、フェリーで北海道観光すると言うような、荒業もできるようになりましたので、更に旅の想像が膨らみます。
末筆になりましたが、改めまして、犠牲になられた皆様のご冥福と、復興してもっと賑わう事をお祈り申し上げる次第です。
今後も東北へのご寄付と、訪問することでの復興支援を、甚だ微力ではありますが、続けたいと存じます。
・龍泉洞 ドラゴンブルーと呼ばれる透き通った地底湖
・北山崎展望台 海のアルプスと呼ばれるリアス式海岸
・震災遺構「たろう観光ホテル」
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