金沢の兼六園(けんろくえん)は、石川県金沢市にあり、加賀藩が造営した日本庭園で、国の特別名勝に指定されています。
金沢城の脇にあり、前田家の殿様が散策した池泉回遊式庭園と言う事になります。
岡山城の後楽園、水戸城からは離れていますが水戸の偕楽園と並んで日本三名園のひとつとして、北陸の人気観光スポットになっています。
アクセス・見所などの情報も踏まえましてご紹介申し上げます。
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まず兼六園と言う名称ですが、宏大(こうだい)、幽邃(ゆうすい)、人力(じんりょく)、蒼古(そうこ)、水泉(すいせん)、眺望(ちょうぼう)の6つの景観を備えていることから名付けられました。
命名したのは松平定信で、1822年のことです。
ただし、最初に兼六園が造営されたのは、江戸時代初期の1676年であり、名君とうたわれた第4代藩主・前田綱紀の時となります。
前田家は加賀100万石と外様大名では最大であったことから、江戸幕府からにらまれやすいです。
そのため、お金を貯めていると謀反の疑いなどをかけられてしまうことから、財政に余裕がある時には庭園を作庭するなどして、お金を使ったのもひとつあったと推測できます。
別荘とした蓮池御亭(れんちおちん)を建てると、その周辺に作庭したのが兼六園の始まりとなります。
その後、拡大されていき、12代藩主・前田斉広(なりなが)が、自己の隠居所「竹沢御殿」を造営しました。
そして依頼を受けた白河藩主・松平定信が「兼六園」と命名した次第です。
その後、200の部屋があったとされる竹沢御殿は取り壊されましたが、霞ヶ池を広げたり、栄螺山を築いたりするなど改変を行い現在の庭園となりました。
明治時代になると明治7年から一般公開されるようになり、今では季節ごとに様々なイベントも行われています。
兼六園の営業と申しましょうか?、入場・拝観ですが、下記の通りになります。
まず、開園日は年中無休で、大晦日やお正月も開園しています。
定休日のたぐいは、金沢城同様にありません。
ただし、夜間は閉鎖されていますので、開園時間・閉園時間があります。
特筆するべきとしては「早朝開園」と言う無料の時間帯があります。
無料で入場できるのは蓮池門口・随身坂口の2箇所のみで、下記の時間になります。
3月 朝5時~6時45分
4月~8月 朝4時~6時45分
9月~10月15日 朝5時~6時45分
10月16日~10月31日 朝5時~7時45分
11月~2月 朝6時~7時45分
※時間などは変更になる場合がありますので最新情報をご確認願います。
早朝の無料時間から昼間にへとずっと滞在することはできず、上記の時間内に一度退園する必要があります。
その後、有料の時間帯になります。
3月1日~10月15日 朝7時開園~18時閉園
10月16日~2月末日 朝8時開園~17時閉園
入場料は、大人(18歳以上)310円、小人(6歳~18歳未満)100円ですが、消費税10%になったら改定される可能性があります。
各種クレジットカードや電子マネーが使えるのは、さすが観光に力を入れている証拠です。
なお、あまり宣伝されていないのですが、金沢城の五十間長屋など、もう1施設が利用できるお得な割引チケット「共通利用券」があります。
執筆時点では、500円で、兼六園以外にもう1施設の入場が可能になっていて、大変お得です。
また、65歳以上の方は無料で入れますので、身分証明書をご持参願います。
台数は限られますが、車椅子の貸し出しもあります。
ただ、全域がバリアフリーで移動できる訳ではありませんので、移動は一部制限されます。
バリアフリーコースもご参照願います。
ちなみに、毎週土・日曜は、石川県民の方は入園無料ですので、身分証明書をご持参願います。
その他、年に何回も入場無料デーや、ライトアップの際にも無料となる日があります。
兼六園の入園口はぜんぶで6箇所あります。
桂坂料金所、蓮池門料金所、小立野料金所、随身坂料金所などです。
そのうち、団体ツアーや修学旅行・遠足などで訪れた際には、だいたい、桂坂口か桜ヶ丘口で出入りします。
金沢城に行く場合にも、桂坂口が便利です。
見学所要時間としては、くまなく見ますと、約1.3km歩いて、約90分(1時間30分)となります。
短時間で見学される場合、外したくない見所・定番スポットとしては、唐崎松(からさきまつ)付近からの霞ヶ池(かすみがいけ)の風景は必見です。
霞ヶ池だけ見て置けば、兼六園に行ったと言えます。
そして、もうひとつ見るとしましたら、動力など一切使っていない、日本に現存する最も古い噴水とされる「噴水」でしょうか?
これだけの見学でしたら、20分あれば大丈夫ですので、急ぎで周りたいときの参考にして頂けますと幸いです。
観光客も少なくて、すいている時間を狙うのであれば、朝8時など、早い時間帯となります。
兼六園での昼食・ランチ・食事ですが、復元された時雨亭の場合には、抹茶(菓子付)程度になります。
園内にて食事をとるのであれば、日本最古の噴水前の付近に、茶屋が何軒も並んでいて、食事処・土産物店となっています。
他にも、兼六園メインの入口とも言える、桂坂口を出た坂道の辺りの茶店通り(ちゃみせどおり)に、お土産物店などが集中しています。
園外のお店では着物レンタルなどもあります。
下記は、現在の兼六園の様子が、リアルタイムでわかるライブカメラの映像です。
紅葉や開花の様子、混雑具合、天候などの確認に使用すると便利です。
冬にはニュースなどでも報道される「雪吊」(ゆきつり)が施される事でも有名です。
兼六園の南側に進みますと、塀の向こうに成巽閣が見えます。
この成巽閣(せいそんかく)は、幕末の1863年に建てられた大名屋敷(隠居所)で、国の重要文化財に指定されています。
ただし、兼六園の建物ではないため、兼六園から成巽閣には直接入れません。
小立野口から兼六園を出て、右に進み、成巽閣に入れますが、別途、有料拝観となります。
前田家伝来の品々が展示されています。
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金沢兼六園への交通アクセス・行き方ですが、金沢駅からバスの場合、兼六園シャトルバスが便利です。
平日200円(土日祝100円)、1日乗車券は500円で、金沢駅東口6番のりばから、始発は9時30分、その後、20分間隔で運転しています。
バスの所要時間は約20分となります。
タクシーですと、兼六園の入園口近くまで行ってくれますので、坂道を登る必要もありません。
金沢駅から約10分、タクシー料金はだいたい1200円前後です。
車の場合、兼六園には直接駐車場がありませんので、少し離れた近所の有料駐車場利用となります。
一番大きくて便利なのは「石川県営兼六駐車場」となりますので、当方のオリジナル北陸地図にて、駐車場入口をポイントしておきます。
北側から道路を進んで、左折で入ってください。
加賀友禅会館も近いです。
春先には梅林(200本)、そして日本さくら名所100選にもなっている桜(20種類420本のサクラ)、夏にはライトアップ、秋には紅葉、冬は積雪と雪吊の兼六園と、四季を通じて変わった風景を見せてくれます。
このような日本式庭園に関心が薄い方は、物足りない・普通の庭園など言うご感想をお持ちになるかも知れませんが、景色のバックにビルなどがあまり入らず、豊かな緑が奥深いことが、兼六園の特徴のひとつです。
重機などない時代に、こけだけの庭を設計して、実際に人力だけで作り上げると言うのは、莫大な費用もかかっている訳でして、大変価値があり貴重な存在と言えます。
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以上、まとめて記載させて頂きましたが、金沢・兼六園をご堪能賜りますと幸いです。
金沢城や兼六園近くの駐車場は下記の情報も参考になります。
時間が許せば、お隣の金沢城とセットでどうぞ。
・水戸の偕楽園 領民でも入れた大規模な大名庭園
・岡山後楽園 日本三名園の1つを存分に楽しむ方法と駐車場など
・尾山神社(金沢城) 前田利家をまつる金沢城の神社
・砂浜ドライブ可能「千里浜なぎさドライブウェイ」
・金沢城を一周するポイント 尾山御坊跡
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