紀三井寺(きみいでら)は、和歌山県和歌山市紀三井寺にある寺院です。
正式な名称は、ちょっと長いですが紀三井山金剛宝寺護国院(きみいさん こんごうほうじ ごこくいん)と言い、救世観音宗(ぐぜかんのんしゅう)の総本山となります。
なお、、宗教法人としては「護国院」と称していますが、一般的には紀三井寺として親しまれている次第です。
秘仏本尊・十一面観世音菩薩(国指定重要文化財)と、秘仏・秘仏・千手観世音菩薩(国指定重要文化財)が2020年特別開帳となります。
2020年3月18日~6月28日、9月20日~12月20日予定。
朝10時~16時、整理券配布とのこと。
50年に1度のご開帳です。
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開創は宝亀元年(770年)で、唐の僧侶・為光が日本各地を周っている際に、水が湧く名草山に登って金色の千手観音を感得したのが始まりとされています。
その為光上人が、竜宮の乙姫に頼まれて竜宮城で説法した際に、もらった7つの宝物である鈴、五鈷、錫杖、梵鐘、法螺貝、応同樹、七本桜のうち、鈴・五鈷・錫杖は今も寺宝として伝わっており、特別公開の際に拝見することができます。
ただし、紀三井寺の創建は恐らくは平安時代かと思われますが、それより昔から庵があった可能性はあるでしょう。
歴代の天皇も行幸したようで、後白河法皇も勅願所に定めていますので、もちろん由緒ある立派な寺院な訳でして、関東からはるばる参拝させて頂いた次第です。
下記は境内にある波切不動尊でして、このような末社のような寺院もいくつか散らばっています。
室町時代には熊野詣の経路と言う事もあり、たくさんの参拝客が訪れました。
寺領は49町ほどありましたが、戦国時代に豊臣秀吉の紀州征伐の際に、抵抗したためか没収されています。
その後、和歌山城に入った浅野幸長が1601年に13石を寄進し、紀州徳川家の初代・徳川頼宣も、8石と燈明料などを寄進して保護しました。
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護国院楼門、室町時代の1509年に建立されたもので、国の重要文化財に指定されています。
護国院鐘楼は、安土桃山時代1558年に安倍太郎が再建した建築物で、国の重要文化財です。
なお、当時の鐘は、豊臣秀吉の朝鮮攻めの際に、没収されて九州・筑後に移されたそうで、今の鐘(かね)は新しいものとなります。
護国院多宝塔も室町時代、1449年頃の建築で、国の重要文化財となっています。
本堂から少し階段を登った高所にあります。
木造・寄木の立像仏としては日本最大で金色に輝く30トンものご本尊・十一面観世音菩薩や千手観世音菩薩なども国指定重要文化財ですが秘仏で50年に1回しかご開帳されません。
次の開帳は、東京オリンピックが開催される2020年(紀三井寺の開創1250年)の予定だそうで、特別御開帳の参拝料となります。
紀三井寺は名草山(なくさやま)の中腹にあり、境内に涌く三井水(さんせいすい)は「名水百選」に選ばれており、それぞれ、吉祥水・清浄水・楊柳水と名が付けられています。
この3つの湧き水が、紀三井寺の名前の由来とされ、砂岩製の水槽は江戸時代初期に和歌山城主の徳川頼宣が寄進したものとなります。
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特に、清浄水は、罪を洗い流してくれる霊水になっています。
人型のお札を手に取って、悔いていることを懺悔(ざんげ)して念じ、流れる清浄水に打たせると、お札は消えて無くなり、悔いを洗い流して福を招くとされています。
その の付近から右手方向に並行にの道を1分進むと、楊柳水があります。
紀三井寺への参拝ですが、階段があります。
麓から望みますと、紀三井寺は高い中腹にあり、231段の階段が一直線に伸びています。
境内には約600本の桜の木が植えられており、関西一の早咲きの桜の名所として、日本さくら名所100選にも選出されています。
関西の桜開花の判断基準になるソメイヨシノが本堂前にあります。
高台の境内からは、和歌浦湾を一望できますので、初詣にも良いところだと存じます。
幕末には鳥羽伏見の戦いから敗走した、京都見廻組の佐々木只三郎が、逃れてきましたが、被弾しており、紀三井寺にて死去しています。
なお、境内の案内図がかなり暖味でよくわからず、吉祥水は迷って不明、護国院の有料拝観も忘れてしまうなど、不完全燃焼に終わりました。
下記は、無料の参拝用駐車場付近にある裏門?です。
紀三井寺への交通アクセス・行き方ですが、寺営駐車場は3時間300円となります。
そのほか、国道43号から入った参道途中にコインパーキングもいくつかありました。
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電車の場合、JR紀三井寺駅から徒歩10分ほどで境内入口となる楼門に到達します。
しかし、中心部には、231段の急な石段を上らなくてはなりません。
この231段の急な石段は「結縁坂」(けちえんざか)と呼ばれており、江戸時代の豪商・紀ノ国屋文左衛門の結婚と出世のきっかけとなったという伝説があります。
ドラマチックな出会いを求めて、参拝なさってみてはいかがでしょうか?
ただし、階段を少し登ったあたりにある清浄水のところから、左手に向かえば、遠回りですが、少しは緩やかなルートで本堂にたどり着けます。
また、麓の北側に参拝者用無料駐車場があり、そこから舗装道路の急坂を登って行けば、参拝方法としては少しはラクです。
これらの駐車場の場所や泉の場所は、当方のオリジナル関西地図ですべてマーキングしておきます。
以上、開運・商売繁盛・良縁・厄除けなど、願いをかなえてくださる観音様がいる紀三井寺でした。
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