四国は吉野川上流の名勝地「大歩危峡」(おおぼけ)の渓流を運行している遊覧船に乗船して参りましたので、レポートを記載したいと存じます。
大歩危(おおぼけ)と言う名前は、もともと渓流の断崖を意味する「ほけ」と言う古語からきているようで、吉野川下流の小歩危(こぼけ)と区別するため、ここは大歩危と呼ばれます。
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8千万年~6千万年前に隆起した地層となる礫質片岩と含礫片岩が吉野川の両岸にむき出しとなっており、現在は国の名勝にも指定されています。
大歩危遊覧船の乗船時間は、往復で約30分でして、ゆっくり吉野川を4km下って、途中でUターンし乗船場にそのまま船で戻ってくるパターンとなります。
運行ダイヤですが、定時運行と言う事ではなく、だいたい朝9時頃から日没(17時頃)までで、人が集まったら随時運行と言う事になります。
船は5隻ほどありますので、観光バスの団体さんが訪れても、随時運行により最多で6分間隔運行となり、そんなに待ち時間も発生しません。
なお、小生が訪れた時期は冬の2月で、まさに「閑散期」でした。
四国と言うと、以前、能島の村上水軍で、ひとりだけでは船を出してくれなかったと言う苦い思い出があります。
そのため、今回も、ひとりで船で出してくれるのか?、非常に心配でしたが、まぁ、ともあれ朝一番で向かいました。
吉野川の川岸を縫うように走る国道32号線の脇に「レストラン大歩危峡まんなか」と言うレストラン・おみやげ物店があります。
その無料駐車場に朝9時頃に到着しました。
そして、建物の中に入って、カウンターで「乗船名簿」を記載します。
名前や電話番号などを書いて、その用紙を受付に提出し、乗船料(大人1080円)を支払いました。
冬だと午前中はほとんどお日様も差さないような「渓谷」ですので、結構、寒かったです。
そのため、乗船券を購入した際に「使い捨てカイロ」が支給されました。
肝心の船の方は、ひとりでも出航して頂けるようで「9時25分に出しますので、その時間までに船着き場に行くように」との説明がありました。
ほっと一安心です。
大歩危峡の船着き場には建物の中から下に下る階段があって、地下に行き、通路を抜けると、川岸の断崖に出れるようになっています。
そこから、ずっと川面まで降りていくので、建物の中からだと歩いて3分ほどかかります。
少し早く行きまして、乗船券を船着き場の係員さんに提出すると「寒いのでドラム缶のたき火にあてってください」との案内がありました。
いや~、焚き木、とても暖かたかったです。
そうこうしているうちに時間になり、船まで案内して頂けました。
救命胴衣も着用します。
結果的に、私以外に、乗船客はいませんでしたが、いやな顔せず快く船を出してくれました。
なお、冬季は、船の中に「こたつ」が用意されている「こたつ船」になっていて、コタツに足を突っ込み、ヌクヌク状態で川下りを楽しめるようになっていました。
そのため、船に乗る際に「靴を脱ぐ」ようになっています。
そんなに、こたつは暖かくなかったのですが、風よけと言う事だけでも十分ですし、外気温は2℃程度でしたので、非常にありがたかったです。
船では下る際に船頭さん(操縦士)さんが、マイクで色々と説明をしてくださります。
天然の渓谷で川ですので、もっと流れが速いのかと思っていましたら、大歩危はそんなに流れは強くないそうです。
欠航深いところもありますが、運行経路では水深がとても浅いところもありまして、そこだけは流れが少し感じられました。
なお、小歩危の方は流れが速い激流との事で、このような観光船では無理だそうでして、ラフティングになるそうです。
観光船の会社さんはラフティングはやっていないようですが、他に民間でラフティングの営業をしているところもありますので、夏なんかは良いかも知れません。
川の両岸に迫力ある奇岩が迫っており、夏には新緑、秋には紅葉、冬には一面の雪景色といった四季折々の渓流美が待ってくれていますが、この川下りはなんと100年以上の歴史があるそうです。
なんでも明治時代に大平磯吉さんが宿泊客を船に乗せて喜ばせたのが始まりと言う事です。
大歩危の遊覧船は台風などで吉野川が増水していなければ、年中無休で運行されています。
雨が降っていても、ビニールの屋根が展開されて運行されるようです。
ちなみに、台風となると吉野川も30mほど増水するらしく、国道の建物の地下2階部分まで濁流になるそうです。
大歩危へのアクセスですが、電車の場合、JR土讃線の大歩危駅から約1.8km、歩いて25分ほどです。
普通列車しか止まらないのかと思いましたら、特急「南風」も大歩危に停車するようなので、便利ですね。
高速の場合、徳島道・井川池田ICから国道32号で約35分、高知道・大豊ICからは国道439号と国道32号を経由して約30分となります。
下記地図のポイント地点は駐車場の場所です。
大歩危のあとには、有名な「祖谷・かずら橋」も渡って参りましたので、よろしければ続けてご覧いただけますと幸いです。
ちなみに大歩危峡も祖谷渓も「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に掲載されています。
・平家屋敷~大歩危の祖谷地方に伝わる平家落人の里・平家屋敷民俗資料館
・祖谷「かずら橋」~つり橋は恐怖感満点の原始的アトラクションだった
・こんぴら奥の院「箸蔵寺」~金毘羅さんの奥の院である四国別格霊場
・阿波の土柱とは~世界的にも珍しい土の柱?の観光名所
・眉山からの大展望~徳島市を望むパノラマビュースポット
・四国巡りに使えるオリジナルGoogleマップ
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