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大井川鉄道(おおいがわてつどう)は、静岡県の大井川沿いを走る鉄道路線です。
この記事では、はじめて大井川鉄道に乗車されると言う方向けに、知ってて、損をしない、必要な情報などを、明記したいと存じます。
大井川本線と井川線がある
大井川鉄道は「大井川本線」として、普通サイズの車両が走り、単線・電化されている、金谷駅~千頭駅(39.5km)があります。
その先も、線路は繋がっているのですが、路線名は違い「井川線」として、千頭駅~井川駅間(25.5km)が伸びています。
SL(蒸気機関車)が走るのは、大井川本線の区間となります。
井川線も、線路の幅(軌間)は、同じなのですが、カーブが急であったり、トンネルが小さいなどのため、普通サイズの電車は走れません。
小型の車両が走る登山電車のような雰囲気が「井川線」(南アルプスあぷとライン)とご理解頂けると良いでしょう。
なお、井川線では一部の区間が、日本で唯一の「アプト式」の線路となっているのが特徴です。
正式には大井川鐵道と書く
正式には大井川鐵道と書きます。
難しくて古い「鐵」と言う漢字を使っていますが、昔は普通の漢字「大井川鉄道」でした。
2000年から「大井川鐵道」と言う会社名に、変更となっています。
そのため、古い車両では、大井川「鉄道」と、普通の漢字を表記しているものもあります。
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以後、このページでは、1999年まで使われていた「大井川鉄道」で表記させて頂きますこと、お許し願います。
SLは新金谷駅から出発
SL(蒸気機関車)は、大井川本線がJR東海道線と接続する金谷駅からではなく、隣の「新金谷駅」(しんかなや)から、出発します。
終点は「千頭駅」(せんず)で、折り返し、戻ってくるSLも、別途、予約可能です。
大井川鉄道のSLに乗車するためには「乗車券」+「SL急行券」の2つが必要です。
乗車券の部分は、フリーパスなどもありますので、行動予定によって、割引を受けても良いです。
普通に片道乗車した場合、新金谷~千頭での合計運賃は、大人2570円、子供1290円となります。(2021年現在)
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所要時間は、新金谷~千頭間で、約1時間15分となります。
先頭はSL機関車ですが、最後尾にEL機関車が「補機」として接続されて、運行しているのが特徴です。
SL急行とEL急行がある
大井川鉄道では、蒸気機関車が先頭になる「SL急行」以外に「EL急行」があります。
EL急行は、臨時ダイヤ(季節運転)になることが多いのですが、ELと言うのは、Electric Locomotive すなわち「電気機関車」と言うことなります。
ELは、蒸気機関車ではありませんので、ご注意願います。
ただし、大井川鉄道の電気機関車(EL)は、E10形など、古い電気機関車ですので、それだけでも、大変貴重な機関車となっています。
例えば、大井川鉄道間、C11形227号蒸気機関車とは、製造年で、5年しか、変わらないです。
ちなみに、昭和2年6月10日開業の新金谷駅の駅舎は、登録有形文化財に指定されています。
SL乗車は予約制(座席定員制)
大井川鉄道で機関車トーマス号や、蒸気機関車に乗る場合には、事前に「SL急行券」の「予約」が必要です。
<注釈> 電気機関車が牽引する場合には「EL急行券」となっています。
座席定員分が発売されますので、立ち席になるようなことは、原則としてありません。
発売は、だいたい3ヶ月前くらいからで、インターネットから予約送信可能です。
その他「電話予約」も可能です。
フォームに入力して、予約送信すると、翌日くらいに、メールで回答が来る仕組みとなっています。
そのメール回答にて、予約成立となります。
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予約する際には「方角」と「人数」など、お間違いの無いように、気を付けましょう。
もちろん、当日でも、空席があれば、現地でも予約と申しましょうか、SL急行券を購入可能です。
なお、座席定員制のため、具体的にどの座席が良いと言う、座席指定は、お任せとなります。
事前に座席の場所を指定はできませんが、購入時に、座席指定された状態で、急行券が発行されます。
予約していた場合には、口頭で、予約番号(数字)を伝えれば、発券してもらえますので、購入できます。
客車の右側になっても、左側になっても、大井川を何度か鉄橋で渡りますので、どちら側の席でも、問題はありません。
ゴールデンウィーク、土日祝、お盆期間、秋の行楽シーズンは、混雑気味ですので、予約は早めが良いです。
新金谷駅には有料駐車場もある
SLが出発する新金谷駅には、駅前にコインパーキング(1000円)と、大井川鉄道が運営する有料駐車場(1000円)があります。
そのため、クルマにて新東名の金谷ICで降りて、向かう事も可能です。
駐車場の入口は、当方のオリジナル関東周辺地図でも、ポイントしています。
現地では、係員さんが立っていますので、駐車料金を支払い、誘導された場所に、自動車を止めるだけです。
なお、現地ではキップの購入手続きなどもありますので、SL出発の約1時間前くらいには到着したいところです。
早く着いても、新金谷車両区の転車台(ターンテーブル)見学や、SLキップ売場である「プラザロコ」に展示されている古い蒸気機関車などもありますので、暇つぶしは、充分に可能です。
前述のとおり、SLを予約していた場合や、当日、SLの切符を購入する場合には、新金谷駅の窓口ではなく、この「ブロザロコ」の窓口にて支払います。クレジットカード精算も可能です。
下記写真が「ブロザロコ」の入口です。
新金谷でのSL乗車の出札(改札)は、当日の混雑状況にもよりますが、遅くとも15分前くらいには、行われます。
それまでは、線路の脇などで、蒸気機関車が、客車に連結される様子を、見学も可能ですし、ブロザロコにて、駅弁を購入することもできます。
ただし、駅弁は、少な目なので、早めに到着して、購入しておきたいところです。(PayPayも使えます)
千頭でのSL乗車改札は、時間は特にありませんので、切符を購入済みであれば、早くホームに行って、止まっている客車に乗車することもできます。
あと、千頭駅では「そば・うどん」(立ち食い)もありました。
SL乗車中は、名物車掌さんによる車内放送と車内循環にて、沿線の観光などの案内をして頂けます。
<注釈> 新型コロナの状況下においては、車内放送だけの場合があります。
車内販売は、簡単なお土産品、饅頭(まんじゅう)などの販売が来ます。
沿線風景の動画も撮影してみましたので、桜の時期の様子を、ご確認頂けますと幸いです。
SL急行の客車には、編成の中に1~2箇所、トイレがあります。
<注釈> 停車している間、トイレは利用できない。
ただ、沿線の景色をご覧になられると良いかと存じますので、駅にて乗車前に、トイレは済ませておきましょう。
大井川鉄道は「黒字」
2020年からの新型コロナの中では、経営も厳しいですが、大井川鉄道は、地方のローカル線にも関わらず「黒字」の私鉄です。
利益を出している大井川鉄道には、地方の鉄道会社や、第三セクターが、視察に訪れることも多いです。
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大井川を北上する鉄道としては、普通の運営では、当然、赤字です。
大変失礼ながら、時刻表を見ても、本数は少なく、普通列車は、いつも、ガラガラですのでね。
しかし、1976年(昭和51年)から、日本で初めてSL蒸気機関車を動態保存しました。
動態保存と言うのは、動く状態で保存し、旧型客車を連結した、保存運転も行っていると言う事になります。
なおかつ、ほぼ「毎日」SLを運転することで、観光客の誘致に成功しており、収入の90%は、観光客の乗車となっています。
東京と名古屋の中間地点であり、新東名・東名高速で、移動もしやすいと言う立地も、恵まれている点と言えるでしょう。
特に2014年から開始した「機関車トーマス」や「機関車ジェームス」の運行では、子供たちにも大人気となっています。
ただし、ツアーバスの走行距離規制強化が2013年に施行されると、日帰り団体ツアーが激減しており、地域経済活性化支援機構の支援を受けるなど、厳しい側面も伺えます。
体験記
長かった緊急事態宣言も明けましたので、大井川鐵道さんのSLに乗車して参りました。
もちろん、現地(新金谷駅)までの交通機関は、電車は使用せず、クルマで訪問させて頂いております。
花粉症ですので、この3月後半の出張は厳しいのですが、今であれば、密にはなりにくいだろうとの判断で、あえて、この時期に訪問させて頂きました。
失礼ながら、まだ、乗車したことがない、釧路のSLか、真岡鉄道に、行きたいのですが、平日の運行が無いので、久しぶりと言う事で、大井川鉄道さんに致しました。
やはり、毎日運転があると、運行する側の方々は、大変なご苦労かと存じますが、乗車する側としては、大変うれしい限りです。
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しかし、新型コロナの影響もあり、乗客も少ないことから、1日1往復の運転となっています。
できれば、アプト式も乗車して、井川ダムまで、行きたかったのですが、SL往復乗車を優先し、新金谷~千頭の間、行きも帰りも、SLとすることに致しました。
アプト式の客車は、窓が無いのが、多いので、花粉がない時期に、千頭までクルマで行って、また、狙いたいと存じます。
いずれにせよ、外国人観光客も少ないですので、今まで、混雑するのが、イヤで、行くのを敬遠したいたところを、集中的に、出張したいと考えております。
なお、SLの帰りが、新金谷に16時11分着と、結構、遅い時間のため、島田のホテルに1泊し、翌日、追加の仕事で、駿河を周ってから、帰宅するパターンとしています。
大井川鐵道さんのSL予約方法ですが、前述のとおり、電話予約以外に、今では、インターネット上からも予約ができます。
大井川鉄道は、普通列車も、SLではない急行も、SLも、何度も乗車したことがあり、寸又峡温泉も、4回くらい宿泊したことがあります。
ただ、正直なところ、自分で、予約をして、大井川鉄道のSLに乗車したのは、はじめてかも知れません。
と申しますのは、乗車したのは、昔に務めていた会社の「仕事」で、来ていたためでして、SL急行券などの手配は、本社が行ってくれていました。
そのため、初めての大井川鉄道さんの予約経験でもあったと言うのは、いいわけですが、SLの予約を、誤って「2重予約」してしまいました。
大井川鉄道さんのSL予約システムは、オンライン予約(インターネット予約)できるのですが、自動化されておらず、リクエスト式のような、予約方法になっています。
この執筆時点では、フォームから送信しますと、翌日に、メールで、予約が取れたか?の回答が来る仕組みです。
その予約送信時に、送信した際の、自動返信が、1個、届いていないと、見誤り、結果的に、2重送信(2重予約)してしまいました。
往復で2予約なのですが、プラス片道の3予約してしまった感じです。
10日前からキャンセル料が掛かりますが、その期間に入っていたため「こりゃ、キャンセル料支払うか?」、それとも「未使用のSL急行券を取っておくか?」と、覚悟しました。
そして、翌日に、正式予約となった旨の、メールが届くのですが、もしかしたら、係員さんが気が付いてくれて、電話を頂けるかな?とも期待しておりました。
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と言う事で、翌日の朝10時30分頃に、大井川鉄道の係員さんより、確認のお電話がありました。
「すみません」と丁重に謝りまして、無事に解決した次第です。
システム的に完璧になってしますと、2重予約をすれば、当然、不要なほうは、キャンセル料が掛かります。
しかし、まぁ、その辺りは、地方鉄道さんの良いところでしょうか?、わざわざ、確認のお電話を賜りまして、キャンセル料も取れられことなく、無事に解決できました。
もちろん、申し訳ないことをしたなと感じましたので、駅弁などの購入で、少しでも感謝の気持ちを表せさせて頂きました。
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