奈良・大神神社(おおみわ-じんじゃ)は、奈良県桜井市三輪にある神社で、三輪明神・三輪神社とも呼ばれます。
古代より磐座祭祀が行われた、日本でも古い神社の一つと言え、境内は国の史跡となっています。
大神神社
大神神社の主祭神は、日本神話にも登場する大物主大神(おおものぬしのおおかみ・倭大物主櫛甕玉命)です。
蛇神であり、国造り・医療・酒造・方除等、人間の生活全般の守護神となります。
古事記にも大物主神の記述がありますが、簡単に申し上げますと、下記の通りになります。
大国主の国造りに貢献していたスクナビコナが亡くなり、その後の国造りに向けて、大国主神が自らの和魂を大物主神として三諸山に祀ったとされます。
わかりやすく、申し上げますと、ヤマト政権の大物主(おおものぬし)が日本統一の祈願をしたのが三諸山であったと言えるでしょうか?
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その後、大国主神は出雲なども征服した模様で、出雲大社でも祀られるようになり主祭神にもなっている訳です。
ちなみに、太陽神とされた天照大神は、三種の神器のひとつである「八咫鏡」(やたのかがみ)を神体としました。
この八咫鏡は、日本書紀によると、宮中にて祀られていましたが、垂仁天皇(第11代天皇)の時代に皇女・倭姫命が伊勢に移します。
こうして伊勢神宮(皇大神宮・内宮)の主祭神・天照大御神のご神体に、八咫鏡が用いられました。
なお、倭姫命(やまとひめのみこと)は、皇女です。
「皇女」と言う漢字は、こうじょ・おうじょだけでなく「ひめみこ」とも言います。
卑弥呼(ひみこ)の発言とも非常に似ているわけですね。
そのため、邪馬台国の「卑弥呼」とする説もあります。
下記は参道脇にある摂社の祓戸神社(はらえどじんじゃ)です。
大神神社参拝の際には、最初に必ずお参りするようにと言われています。
現在の拝殿は、江戸時代の1664年に、徳川幕府の4代将軍・徳川家綱によって再建されたものとなります。
拝殿の奥には、三ツ鳥居(みつとりい)があり、現在の拝殿と共に国の重要文化財に指定されています。
下記は御神体(神体山)となっている、三諸山(みもろやま)です。
三諸山には奥津磐座(おきついわくら)、中津磐座(なかついわくら)、辺津磐座(へついわくら)と磐座(いわくら)もあり、三輪山(みわやま)とも書く標高467mの山じたいが、大神神社のご神体となっています。
そのため、大神神社には神体を安置する社殿である本殿はなく、拝殿があると言うことになります。
このように、大神神社の創建はとにかく古く、不明としか言いようがありません。
三ツ鳥居は、拝殿の左手にある参集殿で申し込みをすると、拝観させて頂けるのですが、訪問いたしました日には、行事があり拝観はできませんでした。
気を取り直して、奥にある三輪明神の摂社となる狭井神社へ向かいます。
その途中に、磐座神社(いわくらじんじゃ)がありました。
磐座神社
この磐座神社には、大国主の国造りに貢献していたスクナビコナ、すなわち少彦名神が祀られています。
社殿はなく、磐座がご神座になっています。
狭井神社の手前には湧水からなる池があり、市杵島姫神社がありました。
九州・宗像の日本神話に登場する女神・市杵島姫命(市杵島姫命)が祀られています。
天照大神の娘で、京都の石清水八幡宮や、大分の宇佐神宮でも祭神(宗像三女神)となっています。
狭井神社
狭井神社(さいじんじゃ)は、垂仁天皇のときに創建されたと伝わり、ご祭神の荒魂(あらみたま)を祀る延喜式内社です。
正式な名前は「狭井坐大神荒魂(さいにいますおおみわあらみたま)神社」と言い、力強いご神威から病気平癒・身体健康の神様として信仰を集めています。
そのため、結構、たくさんの参拝客が訪れていました。
拝殿の裏手に、この神社の由来となっている神水の井戸・狭井があります。
この湧水は昔から病気が治るとされ「薬水」「狭井の御神水」として、持ち帰り可能になっているようです。
容器代は大300円、小100円です。
三輪山への登山
狭井神社の社務所の正面から、御神体になっている三輪山への登拝口があります。
但し、三輪山にはハイキングなど簡単な気持ちでの入山は禁止されています。
実際に、江戸時代までは立入禁止で神聖な神域でした。
今では特別に入山が許可されていますが、下記の通り「手続き」が必用です。
三輪山登拝には狭井神社の受付にて、代表者の住所・氏名・携帯電話の番号(緊急連絡先)を記入し、登拝料300円を納めます。
禁止事項としては下記の通りです。
・携帯電話を持参
・山中でのトイレ禁止
・カメラなどでの撮影禁止
・タバコなどの火気使用禁止
・食べ物の持ち込み禁止
・飲み物は水だけ持ち込み可能
・日本語が理解でき会話ができる
受付時間は、午前9時~午後2時で、下山報告は午後4時までとなり時間厳守とされています。
なお、入山禁止日として1月1日~3日、2月17日、4月9日、4月18日午前中、10月24日、11月23日は入れません。
結構、急な道のようでして、往復の所要時間は2時間~3時間程度はみたほうが良いみたいです。
登山口で竹杖の無料貸し出しがあります。
さて、狭井神社をあとにして展望台へ向かいしました。
その途中、ゆりの花も咲いていました。
大美和の杜展望台
ちょっとした小高い丘に「展望台」があります。
奈良盆地を一望できました。
次には久延彦神社に向かいました。
久延彦神社
久延彦神社 (くえひこじんじゃ)は、大神神社の末社ですが、ここも参拝される方は多いです。
祭神は日本神話に登場する久延毘古(くえびこ)で、大国主の国づくりにて、少彦名神を紹介したとされています。
古事記によると久延毘古命は、なんでも知っている智恵の神様とされ、受験合格・学業向上の霊験があらたかと記載されています。
そのため、学業・知恵の神として信仰されています。
なお、久延彦神社からも、奈良の展望がありました。
交通アクセス
大神神社(三輪明神)への交通アクセスですが、JR西日本の桜井線にて、三輪駅下車の徒歩約10分となります。
クルマの場合には、大神神社「二の鳥居」の手前に無料駐車場があります。
私が訪問させて頂いたのは日曜日だったため、駐車場は満車でした。
しかし、警備員さんの誘導にて路肩で待つこと5分くらいで、止めることができましたので、回転率は良いみたいです。
以上、大神神社は、江原啓之さんも日本で5本の指に入る最強のパワースポットだとおっしっゃています。
今回は断念致しましたが、檜原神社も良いところみたいです。
ちなみに、四国・金刀比羅宮の祭神も、大物主となります。
近くには、卑弥呼の墓?ともされる箸墓古墳がクルマで5分ほどのところにありますので、向かってみました。
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