温泉ソムリエとしては絶対に入浴しておくべき、1800年の歴史ある秘湯であり世界遺産にもなっている温泉が「つぽ湯」です。
熊野三山のひとつでもある熊野本宮大社からクルマで20分ほどの和歌山県田辺市本宮町「湯の峰温泉」にあります。
つぼ湯は熊野詣の湯垢離場としてユネスコ世界遺産に登録されました。
実際に入浴できる温泉が世界遺産になっているのは、世界中を探しても、執筆時点では日本の熊野にある「つぼ湯」だけと大変貴重な温泉です。
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つぽ湯は、渓谷の川岸にあり、自然の岩盤をくり抜いたような小さな湯舟で、その足元からコンコンと天然温泉が湧いています。
約1800年前から利用されていたと言う事で、日本で一番古い公衆浴場ともされます。
足元(湯船の底)から自然湧出の温泉じたい大変貴重なのですが、お湯は青白っぼく濁っている濁り湯で、その濁り方も変化することから、1日に7回変化する7変湯としても知られます。
ただ、それだけでなく、数多い日本の温泉の中でも、かなり良質な泉質であり、欲感も独特です。
と言う事で、関東住みですと、そう簡単に熊野に訪れることはできないのですが、念願かないまして、ようやく「つぼ湯」に入浴することができました。
つぼ湯は、白い湯気が上がる、湯の峰温泉を流れる湯の谷川の川岸にあります。
この川岸でも源泉が沸いている別の湧出口「湯筒」があり、熱湯の源泉の自噴口にて、ゆで卵を作ることも可能になっています。
卵や野菜をネットに入れて10分くらい待つと出来上がりです。
その温泉の中心地には、天台宗の東光寺があり、ご本尊は湯の峰温泉の源泉の周囲に湯の花が積もって出来たと言う、薬師如来だそうです。
なお、戦国時代の1590年に豊臣秀吉が修繕した記録があり、片桐且元が奉行として監督したようです。
と言う事は、片桐且元も、もしかしたら「つぼ湯」に入浴したかもしれません。
かつて、豊かな自然と奥深い歴史がある熊野古道を歩いて、中辺路より熊野詣した多くの巡礼者は、湯の峰温泉にて湯垢離(ゆごり)を行いました。
言葉の通り、温泉で垢を落とす、すなわち、身を清めると言う事も同時に行うと言う意味があります。
つぼ湯は、昔は当然露天風呂(野湯)でしたが、今は簡素な小屋にて囲まれていて、一組ずつ交代で入浴する「貸切風呂」(日帰り温泉)になっていますので、女性でも安心して入浴できます。
泉質がすばらしいだけでなく、世界遺産の温泉に入れると言う大変特異な経験ができます。
湯船はトップの写真のとおり、大人が2名も入ると満杯の大きさです。
しかし、湯ざわりは、とてもよく、1日に7回も湯の色が変化すると言う濁り湯も堪能できますので、ご夫婦やご家族、カップルでもお勧めです。
湯の峰温泉の様子も4Kで動画撮影しましたので、よければご覧頂けますと幸いです。
つぼ湯への詳しい入浴方法(受付方法・予約方法)は下記にてご紹介させて頂いております。
湯の峰温泉に伝わる伝承と致しましては、浄瑠璃「小栗判官照手姫物語」として伝わる、照手姫(てるて-ひめ)の物語がここにも伝わります。
重い病にかかった小栗判官が、つぺ湯に浸かったところ、その薬効によって死の渕から息を吹き返し全快したとされています。
下記は湯の峰温泉から道路を北の方角へと登って行った道路沿いにある、小栗判官「車塚」です。
病気の小栗判官が乗せられてきた土車(土を乗せて運ぶ木製の台車)を、ここに埋めたとされます。
もし、湯の峰温泉に宿泊される場合には、下記もご参照賜りますと幸いです。
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【広告】湯の峰温泉に泊る
湯の峰温泉への行き方・交通アクセスですが、JR紀勢本線の新宮駅より熊野交通または奈良交通の八木新宮特急バスに乗車して約60分となります。
駐車場は温泉街の入口に無料駐車場が完備されています。
熊野本宮大社までは、湯の峰温泉から北に延びている1.5車線道路経由で約20分です。
駐車場の場所は、当方のオリジナル地図にてご確認願います。
地図はカーナビ代わりにもご使用頂けます。
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自然災害(水害)による被害も多い熊野です。
台風が通り過ぎたあとには、設備が破損するなどして入浴できないことも、しばしばありますので、要注意となります。
なお、つぼ湯にご入浴される場合には「タオル」をご持参でお願い申し上げます。
・世界遺産「つぼ湯」 入浴方法解説と注意点
・照手姫伝説を検証 小栗判官伝説
・小栗城 小栗満重の小栗判官伝説
・遊行寺とは 照手姫の墓 小栗判官の墓
・湯の峰温泉 公衆浴場 加水だがとても暖まる熊野の温泉
・ホテル浦島 海辺の洞窟露天風呂「忘帰洞」
・熊野三山めぐり 熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社
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