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遊就館とは
遊就館(ゆうしゅんかん)は、東京・九段北にある靖国神社の境内にある軍事博物館です。
個人的には3回目の訪問になりますが、何度も訪れるべき施設であると考えております。
見学所要時間ですが、見学コース的には60分コースと、120分コースにわかれているような感じです。
ただ、この時間配分は「じっくり見た場合」の話でして、私の場合、120分コースを約1時間で消化しました。
最短だと、40分もあれば見学時間は足りるのではと存じます。
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今回は土曜日で靖国神社付近にどうしても用事がありまして、その空き時間に靖国神社のお参りと遊就館の見学を致しました。
2019年まででしたら、土曜の遊就館と申しますと、写真撮影を行えば必ず人が入ってしまう状態でしたが、今回の2021年は館内で出会った見学者は5名ほどしかなく、とても、とても空いている状態でした。
たぶん、赤字なのではと推測致します。
売店でも買い物客は2名ほど、併設のレストラン(茶房・結)では先客が1名、あとからご婦人グループ4名が来ただけでした。
はやく2019年の段階に戻ることを切に願う次第です。
遊就館が創設されたのは1882年(明治15年)のことです。
第二次世界大戦の敗戦により遊就館は閉鎖されましたが、1961年(昭和36年)に復活しました。
その後展示物を増やしていき、1985年(昭和60年)に改修。
更に2002年(平成14年)は現在の出入口となる新館もオープン致しました。
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なお、玄関フロアーと大展示室の部分は撮影が許可されていますが、資料などは撮影禁止です。
そのため、撮影ができる部分のみの写真にてご紹介申し上げております。
零式艦上戦闘機五二型
零式艦上戦闘機五二型の復元機です。
結構、外の窓から覗いている方も多いのですが、この戦闘機があるフロアは入館無料ですので、外の窓からではなくぜひ館内に入ってご覧頂ければと存じます。
ゼロ戦の中でも52型は改良が重ねられた晩年の機体になります。
九六式十五糎榴弾砲
この九六式十五糎榴弾砲は、沖縄戦を戦い抜いた大砲で野戦重砲兵第1連隊第2大隊第4中隊の所属でした。
なんでも、糸満市にてアメリカ第10軍司令官サイモン・B・バックナー中将が第8海兵連隊を視察中に戦死しましたが、この野戦重砲兵第1連隊第2大隊の砲撃を受けたと言う事になります。
その4日後、野戦重砲兵第1連隊は玉砕しますが、戦後にアメリカ軍により発見された大砲が遊就館にて展示されている次第です。
最大射程距離は1万1900m。
八九式十五糎加農砲
この八九式十五糎加農砲も、独立重砲兵第100大隊で運用され沖縄戦に8門投入されてたひとつの第137号砲になります。
主に洞窟の中に隠ぺいされて砲撃を行った模様で、戦後に洞窟陣地に埋もれていた状態でアメリカ軍に発見されました。
最大射程距離は1万8100m。
C56 31号蒸気機関車
泰緬鉄道にて使われていたC56型31号蒸気機関車です。
泰緬鉄道(たいめんてつどう)は、太平洋戦争中にタイとミャンマー間に建設した鉄道でした。
映画「戦場にかける橋」にて一生懸命建設していた鉄道です。
このSLは戦後にタイ国鉄にて使用されていたものが日本に戻ってきました。
詳しくは下記でもご紹介している。
蒸気機関車C56形31号機~タイから日本・靖国神社「遊就館」に帰ってきたSL
九七式中戦車チハ
サイパン島の戦いで発見された戦車第9連隊所属の九七式中戦車チハ・57mm砲搭載型です。
日本ではもう1箇所、静岡県富士宮市の若獅子神社の境内でも展示されています。
艦上爆撃機彗星
この彗星(すいせい)は、日本ではここ遊就館だけで見ることができる貴重な機体です。
機番は「鷹-13」で、1972年(昭和47年)にカロリン諸島ヤップ島の旧滑走路脇のジャングルにて発見されました。
日本に輸送すると修復され鷹部隊のオリジナル塗装なども施されたと言います。
旧日本軍の爆撃機としては日本国内唯一です。
人間魚雷・回天
日本海軍の潜水艦型特攻兵器「回天」です。
魚雷に操縦士が搭乗するような造りで、人間魚雷として体当たりの特攻兵器として製造されました。
特攻なんて考える時点で、戦争に負けています。
桜花
天井からぶら下がっているのは、桜花(人間ロケット)ですが、期待はレプリカ(複製品)です。
この桜花(おうか)も、体当たりの特攻兵器ですが、ロケット・エンジンを使い、高速で飛行しました。
ただ、航続距離が短いため、一式陸上攻撃機が爆弾かわり搭載して、敵の軍艦近くまで行って、空中にて発射する訳ですが、そのたどり着く前にアメリカ軍の戦闘機の攻撃を受けて墜落することが多かったと言います。
八八式七糎野戦高射砲
八八式七糎野戦高射砲は、日本陸軍の主力高射砲でした。
高度9100mまで飛ばせる高射砲です。
しかし、B-29はもっと高度の高いところを飛行できました。
四〇口径三年式八糎高角砲
四〇口径三年式八糎高角砲は、日本海軍の高射砲であり、扶桑型戦艦、伊勢型戦艦、空母鳳翔などに搭載されました。
太平洋戦争時には旧式であったため、海軍の基地など陸上に設置されることもありました。
問題なのは、陸軍と海軍で、それぞれ開発・製造しているところです。
50口径14cm単装砲
戦艦陸奥に搭載されていたと言う、副砲になる50口径14cm単装砲です。
最大射程は19.1kmm。
硫黄島の戦いでは洞窟内に設置されて、地上砲として使用もされました。
展示は古い時代から第2次世界大戦まで順番に行われています。
現在、平和であることからいかに大切なのかよくわかりますので、戦火に散った英霊の方々に感謝せずにはいられません。
靖国神社を参拝された際には、たくさんの方にご覧頂きたいところです。
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将来、新たな時代の戦争展示が増えないことを祈りつつ、見学とこの記事の記載をさせて頂きました。
交通アクセス
東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線の九段下駅「1番出口」から、靖国神社の第1鳥居を入って、遊就館入口まで徒歩10分。
市ヶ谷駅からだと、靖国神社の南門から入って徒歩12分。
靖国神社の拝殿から右手の方向に向かうと遊就館入口となる。
靖国神社の境内には有料駐車場もあるので、当方のオリジナル関東地図にてポイントしている。
スマホで表示して、目的地として選択し「ナビ開始」にすれば、カーナビ代わりにもなる。
自動車用、歩行用でも、ナビとしてお使い頂けると幸いだ。
・原爆ドームの歴史【世界遺産】平和を願って
・赤山地下壕の解説~太平洋戦争の記憶を残す館山の秘密基地
・蒸気機関車C56形31号機~タイから日本・靖国神社「遊就館」に帰ってきたSL
・靖国神社【遊就館】東京でゼロ戦も見れる~外国人も訪れる2時間コース
・旧陸軍鉄道聯隊E18型蒸気機関車(日本陸軍鉄道連隊E18形蒸気機関車)~東京都練馬区で静態展示されている野戦軽便鉄道SL
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