水戸の偕楽園(かいらくえん)は、日本の茨城県水戸市にある日本庭園で、国の史跡、国の名勝に指定されています。
岡山城の後楽園、金沢城の兼六園と並び「日本三名園」のひとつとされ、偕楽園は徳川御三家の大名庭園です。
偕楽園に隣接する千波湖付近の偕楽園公園も含めますと東京ドーム約64個分の大きさで、都市公園としては、ニューヨークのセントラルパークに次ぐ世界第2位の広さを誇り、水戸城近くにある弘道館などを含めて日本遺産にもなっています。
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江戸時代末期の水戸藩主・第9代の徳川斉昭は、日本最大級の藩校・弘道館と言う教育機関だけでなく、領民と偕(とも)に楽しめる園を築くことを決意し、領内を巡視して常磐町の高台に回遊式庭園を造ることを決めました。
構想から約9年を経て、水野忠邦の天保の改革も最後の頃になる、1842年7月1日に、水戸・偕楽園は開園しています。
水戸偕楽園の正式な入口は「表門」(黒門)になっています。
園内に入ると、最初はしっとりした静けさが漂うモウソウチク(孟宗竹)やスギ(杉)の林の中を進みました。
下記が、モウソウチク(孟宗竹)で、どんなところなんだろうと、ちょっと不安な気持ちにもなります。
門を抜けて行くと、何があるのか楽しみになります。
そして、やがて好文亭へと至ると風景ががらっと変わります。
高台になっており、眼下には千波湖を望みますので、一気に心が晴れやかに転じるのです。
こうして最後には、約100種と明るく華やかな約3000本の梅林へ到着するのが、本来の設計意図になります。
春になって梅の花が咲くと、下記のようになるそうです。
見事ですね。
もちろん、桜が咲く時期も良いみたいです。
これは、杉や竹林を「陰」の世界とし、北東の梅林を陽が降り注ぎ「陽」の世界としたことで、偕楽園は、陰と陽を表しているのです。
ただ、残念ながら、現在、表門は駐車場や偕楽園駅から離れているため、表門はメインの入口になっていません。
偕楽園り入園料は無料で、駐車場も公園の駐車場は無料と非常にコスパも良い日本三名園です。
※ただし、梅まつり期間中のみ駐車場は有料になります。
この原則無料開放と言うのは、徳川斉昭の方針であった領民・庶民も身分に関係なく気軽に楽しめるようにと言う意思が、現在にも受け継がれているものと存じます。
ただし、水戸偕楽園は園内が広いと言う事もあり、入ったのは良いですが、どこに行けばよいのか、わかりにくいと存じます。
もし、お時間があれば、最初は表門に向かってから竹林、そして好文亭を経由して、梅林の方へと進みますと、徳川斉昭が目指したことも、少しはわかるのかなと存じます。
好文亭(こうぶんてい)木造2層3階建ての好文亭本体と木造平屋建ての奥御殿から成り、なんと徳川斉昭公が自ら設計したものといわれています。
徳川斉昭の別荘ではありますが、一人で楽しむのではなく、領民とともに詩歌の会や慰労会を楽しんだとされます。
竹の間、梅の間、清の間とありますが、明治2年には増築された奥殿に、約4年間、徳川斉昭の正室・吉子女王が住みました。
最後の将軍になった徳川慶喜を産んだ有栖川宮織仁親王の第12王女ですね。
現在の建物は3年掛けて昭和に復元したものですが、3階の楽寿楼からの眺望は素晴らしいです。
好文亭だけは有料拝観となり、大人200円、子供100円になります。
できれば、入場したかったのですが、朝9時前でまだ開いてなく断念しました。
2011年の東日本大震災では、偕楽園も被害を受けて、好文亭なども修理となりました。
偕楽園より、JR常磐線が走っているしたのほうに降りますと、南崖の洞窟(なんがいのどうくつ)がありますが、江戸時代に石を採掘した場所となります。
下記は、吐玉泉(とぎょくせん)と言う湧水が沸いている場所です。
ランチ(昼食)としては、好文亭から近いところに、そば・うどんの「大和亭」、あとは千波公園のところに、シュークリームが有名な軽食系の「好文cafe」と、高級和食「とう粋庵」でもランチ営業しています。(定休日は要確認)
他にも偕楽園売店として「見晴亭」がありますが、ここはお土産物品中心になります。
ただし、近くに偕楽園のレストランでは一番大きい「偕楽園レストハウス」があり、納豆料理など和食を中心に食事ができます。
水戸偕楽公園(常磐公園)では、梅だけでなくサクラ、紅葉など四季を通じて様々なイベントもありますが、花の見ごろなどを中心にまとめて記載してみます。
梅まつり 見ごろは2月20日~3月31日頃 ライトアップもあります
桜まつり 見ごろは4月1日~4月15日頃
つつじまつり 見頃は4月下旬から5月中旬
水戸黄門まつり 毎年8月の第1金・土・日の3日間
萩まつの 9月1日~9月20日頃
もみじ谷のライトアップ 11月頃
下記は「もみじ谷」です。
開花状況など最新情報は、偕楽園のサイトにて、ご確認頂けますと幸いです。
混雑状況ですが、偕楽園の園内はとても広いので、大混雑にはなりません。
ただし、梅や桜など花見の時期には、トイレ多少並ぶことがありますので、早めの行動がお勧めです。
駐車場は朝一番で行けばなんとかなりますが朝8時頃には満車気味になり、以降の昼間は満車になります。
そのため、周辺の道路も渋滞しますので、時間には余裕をもって訪れて頂けますと幸いです。
梅まつりの時期は、まだ結構寒いですので、使い捨てカイロなど必須となります。
水戸偕楽園は年中無休ですが、開園時間は下記の通りになります。
2月20日~9月30日は朝6時~19時、10月1日~2月19日は朝7時~18時です。
なお、拡張部分の千波公園など偕楽園本園以外は、24時間出入り自由となっています。
偕楽園への交通アクセス・行き方ですが、最寄り駅になる、JR常磐線の偕楽園駅(かいらくえんえき)は「臨時駅」になります。
毎年、春に開催される「梅まつり」の期間に合わせて、土曜・日曜・祝日の朝9時~15時30分頃の昼間だけ、しかも、水戸駅方面の下り電車だけ停車します。
水戸からの上野方面の登り電車は、ホームそのものがないため、停車できませんので、帰りにはバスで水戸駅に出る必要があります。
簡易Suicaは使用可能です。
停車する特急などは、JR東日本・水戸支社の臨時列車情報などで、その都度、ご確認いただけますと幸いです。
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通常期は、水戸駅の北口から関東鉄道または茨城交通の路線バス「偕楽園」行きに乗車して約20分となります。
バスは1時間に4本程度ありますが、梅まつり期間中の土日祝には、増発されます。
見学所要時間ですが、偕楽園全体にもなると3時間以上必要ですが、偕楽園の本園部分だけでしたら、1時間~2時間といったところです。
偕楽園本園(常磐公園)はワンちゃんなどのペットの散歩は禁止です。
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