旅行計画

熊野三山めぐり 熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社・那智の滝 1日でまわる観光モデルコースとコツ

那智の滝

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ユネスコの世界遺産にもなっている熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、すなわち熊野三山(くまのさんざん)を一気に観光する方法をまとめてみます。
那智の滝も含めて、自家用車やレンタカーといったクルマで巡る方法と、電車・バスでも効率よく観光できる方法、モデルコースを記載したいと存じます。

バスで熊野三山を周る

まずは特急列車で訪れて、バスにて熊野三山を周る方法です。

この場合、熊野交通の観光バスによる「熊野三山めぐりコース」を利用すると大変便利です。
毎日運転しており、約7時間と観光時間もたっぷり設けられています。

紀伊勝浦駅が始発・終点となりますが、事前に予約をすれば、志古、川湯温泉、渡瀬温泉、湯の峰温泉からも乗車可能な定期観光バスです。

紀伊勝浦駅は朝8時30分の出発ですので、南紀勝浦に宿泊しても、ちょっと朝はあわただしいです。
しかし、1日で、熊野三山を大変効率よくまわることができてしまいます。
よって、前日のうちに、南紀勝浦までやってきて、宿泊しておくと言うのが大前提となります。

熊野交通の定期観光バスは、最初、熊野本宮大社に行き、たっぷり55分の観光時間です。
55分あれば、日本一の大鳥居もある斎原(おおゆのはら)も見学することができます。

熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社と言う周り方は、実は「正式な参拝方法」ですので、定観でも、そのルートを守ってくれています。


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熊野速玉大社も参拝できると、そのあとは熊野古道で有名な大門坂です。
大門坂を歩くのには、時間的に厳しいですが、大門坂近くでバスを降りて入り口付近を楽しめるようになっています。
そのあと、バスで那智の滝でまた下車して見学です。
那智の滝は、観光バスでないと、近くで下車できないので、バスの方がクルマより便利になっています。
そして、最後は、熊野那智大社です。
隣にある青岸渡寺や、那智の滝の展望台も楽しめるよう、55分設けられているようです。

有料拝観となる那智大社宝物殿の入館、那智の滝拝所、速玉大社宝物殿などへの入場も可能です。
昼食もついてますし、荷物はバスのトランクに預けることもできます。

あと、那智大社を省略した「大門坂と那智山めぐり」と言う出発時間が遅い観光用ルートのバスもあります。

インターネット特別クーポンにて割引もありますので、熊野三山の観光では検討してみる価値はあります。

帰りは、紀伊勝浦駅だけの終点(下車)です。
15時40分頃の到着ですので、そのあと、大坂にも名古屋にも紀伊本線で出れます。

時刻表(ダイヤ)は変更になったり、臨時列車がある場合もありますので、実際には訪れる日で調べて頂きたいのですが、参考までに帰りの列車を記載しておきます。

紀伊勝浦15時54発・・白浜駅着17時47着
そして、白浜駅始発18:19の特急くろしお34号に乗車すれば大坂方面に行けます。
天王寺着20時32分、新大阪駅着20:50着(終点)ですので、それから、新幹線に乗り換えれば、その日のうちに、博多へも京都へも帰れます。

名古屋方面の場合は下記のとおりです。
ちょっと時間が空きますので、紀伊勝浦駅前にある足湯「滝乃湯」に、タオル持参にて休憩でもなさってください。

紀伊勝浦17時11発 特急ワイドビュー南紀8号
始発ですので、指定席なんか取らなくて、特急券自由席でも良いでしょう。
駅弁を購入して乗り込みましょう。
名古屋着が20時49分ですので、東海道新幹線に乗り換えれば、その日のうちに東京に戻れます。


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紀伊勝浦駅の駅弁としては、鮪素停育(1100円くらい)、紀の国弁当(800円くらい)、さんま姿寿司(700円くらい)が有名です。

クルマで熊野三山を周る

レンタカーでも良いので、自動車で周るのが一番時間効率が良いです。
クルマの場合のモデルコースですが、もし時間に余裕があれば、正式な周り方になる、熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の順番で訪問したいところです。
この順番が一番、熊野三山でのご利益があるとされています。
と言う事で、可能であれば、南紀に入った初日に、熊野本宮大社と熊野速玉大社を参拝しておくと良いでしょう。
そして、新宮のビジネスホテルや、紀伊勝浦の温泉旅館などに宿泊して、翌日にたっぷりと、那智の滝、熊野那智大社を参拝なさるのがベストかと存じます。

ちなみに、熊野那智大社は山の上にあるため、駐車場は、みな有料駐車場です。
もっとも近くて便利なのは、青岸渡寺駐車場になります。
青岸渡寺防災道路の入口にて通行料800円の支払いが必要ですが、駐車料金は不要になっている方式です。
ただ、青岸渡寺から那智の滝を見に行く場合、坂道を下がって20分、帰り道は登り坂となります。
よって、時間短縮・高低差を少なくする場合には、那智の滝は、滝入口カーブの先にある民間の有料駐車場に止めて行き、熊野那智大社はまた別の有料駐車場に止めるのが良いです。
それでも、那智の滝の近くになるお瀧拝所までは階段を下がりますので、帰り道は登りです。


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また、熊野古道・大門坂を歩きたい場合には、ちょっと工夫が必要です。
お勧めの周り方としては下記の通りになります。

麓の大門坂バス停付近にある無料駐車場にクルマを止めます。
そして、路線バスに乗車して、那智の滝のバス停で下車します。
那智の滝をお参りしたら、ちょっと坂道・階段になりますが、青岸渡寺へ登って行き、熊野那智大社をお参りします。
そして、石段を下がって行って、那智山観光センターの大駐車場のところから、大門坂を下って行く方法が、体力を一番使わずに、もっとも時間効率も良いでしょう。

なお、大門坂を歩かない場合でも、結果的には、クルマを那智山観光センター大駐車場(有料)に止めて、石段を登って行かないと、熊野那智大社は参拝できませんので、階段を歩くのは、どんな方法でも必須です。
また、那智の滝の近くは、観光バスの駐車場はあるのですが、一般車用の駐車場は限られておりまして、最寄りでも少し離れていて、もちろん有料です。
那智山観光センター大駐車場から道路沿いを歩いて行くにしても、600m、約10分掛かります。

しかし、行程も運転も面倒だな・不安だなと言う場合には、旅行会社のツアーでご参加すると良いでしょう。


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ここからは各観光スポットでの失敗しないコツをもう少し詳しく記載させて頂きます。

熊野本宮大社

下記は熊野本宮大社(くまの-ほんぐう-たいしゃ)の参道入口です。

熊野本宮大社の参道入口

上記写真の左手から入れる道路の先に無料駐車場があり、日本酒や梅干しなどのお土産物がある「樹の里」が隣接しています。
車椅子の身障者用駐車場は、うえのほうにあります。
昔きた時とは、駐車場もだいぶ雰囲気が異なりましたが、境内は変わりありませんでした。

熊野本宮大社

駐車場から参道に入っ行くと階段(158段)を登って行きます。

熊野本宮大社

階段は、神倉神社のように、めちゃくちゃキツイ訳ではありません。
神前でお参りする前に、御朱印を先にお願いしておくと良いです。混雑していると時間を要します。
なお、大斎原の御朱印も、熊野本宮大社の授与所で頂けますので、両方、お願いしておきましょう。
国の重要文化財にもなっている社殿がある神域内の上四社は、神域と言う事で写真撮影禁止ですので、バチが当たらないように注意しましょう。
下記の門から先は撮影禁止です。

熊野本宮大社

熊野本宮・神殿内の参拝順序は下記のとおりです。
真ん中(本宮・第三殿)
・左となり(結宮・第二殿)
・一番左(結宮・第一殿)
・真ん中より右(若宮・第四殿)
・一番右(小さな社・満山社)
昔は、この他に、あと8棟の社殿があったと言う事です。

お守りは、3本足のカラスのマークが入ったものが良いでしょう。
八咫烏の郵便ポストもありました。

八咫烏の郵便ポスト

熊野本宮の参拝時間は朝6時~19時となっています。
ランチ(昼食)が取れる場所は、お食事しもじ・本宮店などのうどん屋さんが近所にあります。
観光所要時間は30分~50分といったところです。(産田社・大斎原を含めるとプラス60分)
樹の里がある駐車場が満車の際には、バスターミナルの裏手にある河川敷の臨時駐車場が利用できます。
入口は国道を少し北に行ったところから右折です。

産田社

熊野本宮大社の末社「産田社」(うぶたしゃ)で、伊邪那美命(イザナミ)の荒御魂がお祀りされています。

産田社

日本一の高さとされる「大鳥居」は、洪水で流される前の熊野本宮の鳥居となります。

熊野本宮・大鳥居

その先の木々が茂っている場所が、大斎原です。

大斎原

大斎原(おおゆのはら)は、熊野本宮大社の主祭神・家津美御子大神(けつみみこおおかみ)が降臨したとされる古来からのパワースポットです。
家津美御子は須佐之男命(スサノウ)ともされ、八咫烏を神使にしています。
かつての熊野本宮大社は、この大斎原にあったわけですが、今の8倍もの規模を誇ったと言います。

大斎原

明治22年(1889年)に洪水で流されてしまったことから、現在の場所に移転しました。
現在の熊野大社に残っている社殿は、かろうじて洪水を免れた建物です。
熊野本宮大社の無料駐車場からは、途中、産田社もお参りして徒歩15分となります。
なお、国道168号沿いに別途、無料の駐車場があり、今回はそこから支流を渡ってみました。

大斎原

その駐車場からは徒歩5分となります。
大斎原の境内も、撮影禁止です。


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駐車場がある場所などは当方のオリジナル関西地図にてマーキングしてあります。

熊野速玉大社

熊野速玉大社(くまの-はやたま-たいしゃ)は、熊野本宮から流れている熊野川(新宮川)の河口の新宮市にあります。
本宮から速玉までは、車で34km(45分)の距離です。

熊野速玉大社

道路からクルマで熊野速玉大社の入口に近ずくと、右手に入る道路の奥に無料駐車場があります。
そんなに広くないので、土日祝などには混雑気味ですが、待ては入れるでしょう。
混雑している時は、河川敷の臨時駐車場も使えますので、誘導に従ってください。

熊野三党のひとつである穂積氏(藤白・鈴木氏)が代々神職を務めました。
しかし、1883年(明治16年)に打ち上げ花火で失火して社殿が全焼したため、現在の社殿は昭和に再建されたものとなります。

熊野速玉大社

足利義満が奉納した木造熊野速玉大神坐像・木造夫須美大神坐像・木造家津御子大神坐像・木造国常立命坐像などが国宝に指定されているほか、総数1000点を超える古神宝類が、まとめて国宝になっています。
極端な話、神社の説明では約1200もの国宝があると言う事ですので、スゴイですね。
境内にある熊野神宝殿にて、一部だと思いますが、有料拝観可能です。

神倉山にあった元宮に対して、現在の社殿を新宮とも呼びます。
熊野速玉大社の社務所で御朱印や御札などを頂く際には、神倉神社のも、お願いしましょう。

熊野速玉大社の見学所要時間ですが、駐車場からお参りするだけであれば約10分となります。
拝観時間は、日の出~日没までですが、授与所は8時~17時です。
住宅街のはずれと言う雰囲気で、若干の飲食店はありますが、お土産を買ったり、ランチする場所はあまりありません。

神倉神社

ユネスコ世界遺産にも入っている神倉神社も欠かせない観光スポットで、熊野速玉大社の摂社になっています。

神倉神社とゴトビキ岩

熊野の3つの神社よりも、もっと古くから信仰されていたのが神倉神社の「ゴトビキ岩」だと考えられます。
別のページにて詳しくご紹介していますので、よければ、合わせてご覧頂けますと幸いです。

神倉神社とゴトビキ岩


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次は那智の滝もある熊野那智大社です。

熊野那智大社

熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)は、那智滝を神聖視する原始信仰から始まったと考えられますので、神倉神社同様に古そうですが、現在の場所に鎮座したのはだいぶあとの桓武天皇の頃のようです。
那智山は、その全員が社僧という修験者達の霊場でした。
今回お参りさせて頂いた際、拝殿は修復中でした。

熊野那智大社

その代わりと致しましてか、ご本殿の脇近くまで行くことができての参拝が可能でしたので、少し、ご利益が高まった気が・・。

熊野那智大社

平清盛や奥州の藤原秀衡も夫人と共に熊野詣したと伝わります。

平清盛の熊野詣

下記は御縣彦社(みあがたひこしゃ)で、八咫烏の銅像もありました。

御縣彦社

下記は樟霊社(しょうれいしゃ)で、樹齢約850年のクスノキが空洞化されており、300円の御神木と一緒に入って祈願することが可能です。

樟霊社

那智大社の拝観時間は朝8時30分~16時30分で、お守りは、勝守(かちまもり)が有名です。
石段や熊野交通の那智山観光センター(有料駐車場)などには飲食店やお土産物店があります。

なお、山の中腹にある関係で、熊野三山の中で、参拝するのには一番大変なところです。
ただし、奥の手と申しましょうか、裏技的に階段を上り下りすることなく、熊野那智大社に参拝できちゃう方法があります。
車椅子でもこの方法であればほとんど段差がありません。
私も、昔、訪問した際には気が付かず、せっせと階段を登ったものでした。
その便利な方法はこの記事のクルマで訪問するコーナーにてご紹介させて頂いておりますので、ご確認申し上げます。

青岸渡寺

青岸渡寺(せいがんとじ)は天台宗の寺院でもある国の史跡で、本堂と宝篋印塔は国の重要文化財に指定されているほか、もちろん世界遺産にも入っています。
豊臣秀吉大政所の供養したことにも関連するとされています。

青岸渡寺

熊野那智大社の如意輪堂が、明治の神仏分離で那智大社から分離して、仏様を祀りました。

青岸渡寺

そのため、青岸渡寺と熊野那智大社は、まさに隣接しており、明確に境内が分かれていません。
中には、よくわからず、お参りされている方もおられるようです。
この青岸渡寺の境内からすぐ北側からは、那智の滝展望地として那智の滝がよく見えるスポットがありますので、忘れずにお立ち寄りください。

那智の滝展望地

夕方に寄りましたら、滝だけでなく門前町も影っていましたので、写真撮影であれば午前中のほうが良いのかも知れません。

那智

青岸渡寺の拝観時間は朝5時〜16時30分です。
最後に、那智の滝の攻略法です。

那智の滝

那智滝(なちのたき)は落差133mの1段滝です。
那智川中流にあり石英斑岩からなるほとんど垂直の断崖となっています。

那智の滝

総合落差では日本12位ですが、一段だけの滝としては落差日本1位のため、その1本姿は大変魅力的です。
厳密的には、三筋の滝ですが、華厳滝、袋田の滝と共に日本三名瀑に数えられています。
ちなみに、もっと上流には60もの滝があるそうです。
4K動画でも撮影してみましたので、よければ、より雰囲気をご確認頂けますと幸いです。

道路の入口から歩いて約5分で御朱印も頂ける飛瀧神社がある滝壺下(展望台)に到着します。
まぎれもなく、滝をご神体として修験者が修行したと言う雰囲気が今でも伝わります。
拝観時間は9時~17時です。

飛瀧神社

さらに滝の近く入るのには、有料ですが、飛瀧神社の場所までは無料です。
なお、撮影しても超広角でないとカメラフレームには入りきらないので、今回、有料エリアは省略させて頂きました。
前述したとおり、那智の滝の入口前のカーブにある公共駐車場(無料)は、下記の写真のように5台ほどしかないので、平日でも運が良くないと止められません。
那智大社から歩くと下りは20分ほどですが、戻るのはまた登り坂なので大変です。

那智の滝の公共駐車場

よって、止められなかったら、素直にその先の左側にある有料駐車場に止めましょう。
カーブの手前(坂道の下)にも有料パーキングがありますが、ちょっと離れています。
那智の滝の入口脇にも駐車スペースがあるのですが、そこは、一般車両は禁止で観光バスだけで止められるようになっています。
下記写真の中央が滝への遊歩道入口で、左側が観光バス駐車場、右側に自動車が止まっているところが無料の5台ほどの駐車場です。

那智の滝の入口

なお、入口から那智の滝が見える場所まで、ずっと緩やかな階段を下がって行きます。
車椅子でも参拝できる方法があるようですので、事前に電話で確認してみてください。

那智の滝への階段

そのため、ベビーカーは困難ですので、乳幼児連れの場合には、おんぶ紐の方式が良いかと存じます。
帰り道は登りになりますが、神倉神社に比べましたら、序の口です。
あと、滝壺が近く、ジメジメしたところですので、夏場は「蚊」スゴイですので、虫除けもあると良いでしょう。


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後白河上皇(後白河天皇)は33回も熊野へ参詣したと言いますが、初詣にも最適なところです。
ぜひ、皆様も熊野詣でを成功させて頂けますと幸いです。

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髙田

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最後までご高覧賜りまして、誠にありがとうございます。
旅行会社勤務時の経験なども活かしまして国内旅行の情報提供中。
日本航空さんに年間10~30回搭乗して日本国内を巡っており、観光地での楽しみ方、お得な過ごし方などを掲載しております。
国内旅行地理検定2級、小型船舶操縦士1級、温泉ソムリエ、普通救命修了。
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