筑波海軍航空隊(つくば-かいぐんこうくうたい)は、茨城県笠間市(旧友部町)に1938年(昭和13年)に創設された大日本帝国海軍航空隊で、戦闘機の搭乗員を育成するための訓練部隊でした。
主に中等練習機で「赤とんぼ」と呼ばれた九三式中間練習機にて訓練が行われていました。
下記写真は「筑波海軍航空隊 ここにありきの碑」です。
1943年からは学徒出陣にて多くの学生が海軍に入隊し、通常4年かかる基礎教育を約4ヶ月で行いました。
そのため、離陸(飛び立つ)と着陸だけが訓練の中心になったとされ、事実上、特攻隊を育成する専門部隊と言う事です。
しかし、太平洋戦争が激化し、昭和19年(1944年)に絶対国防圏が策定されると、教官・教員も出撃を迫られ、邀撃戦闘機隊が編成されました。
1945年1月からは、局地戦戦闘機「紫電」(N1K1-J)が配備されて、東京に侵入するB-29の迎撃を開始しています。
2月には、零戦24機、紫電8機の体制となり、B-29を9機撃墜しましたが、13機を喪失しています。
その後も、アメリカ海軍の艦上戦闘機などを迎撃し、7機を落としましたが、筑波海軍航空隊の稼働機は9機まで減っています。
3月からは神風特別攻撃隊(特攻隊)が編成され、ゼロ戦20数機が鹿児島県出水町の出水飛行場や、鹿屋飛行場に転進し、沖縄戦での特攻作戦に従事しました。
筑波海軍航空隊からは、 64名のうち55名が特攻で戦死しています。
2013年の映画「永遠の0」などのロケ地として使用された際には、岡田准一さん演じた主人公・宮部久蔵が筑波海軍航空隊の教官だったという設定になっています。
櫻井翔&広瀬すずさんの「ラプラスの魔女」でも、研究室としてロケが行われたようです。
戦後、旧筑波海軍航空隊司令部庁舎は、茨城県立友部病院の管理棟として使われてきましたが、2011年、敷地内に茨城県立こころの医療センターと改称し、新病棟に移設しました。
そのため、旧司令部は老朽化のため解体する予定となりましたが、2018年6月3日、恒久施設としてリニューアルされ「筑波海軍航空隊記念館」が新規オープンしました。
筑波山地近くと申しましても、筑波山からはだいぶ離れています。
子供の頃に、筑波海軍航空隊は、筑波山から近いのだろうと調べて、遠かったので、ガッカリした記憶がありますが、これは、場所から少し離れたところでも、カモフラージュする意味があったのかも知れません。
厚木基地も、厚木にはありませんしね。
筑波海軍航空隊記念館への交通アクセスですが、JR常磐線・友部駅から「こころの医療センター行き」路線バスがありますので便利です。
バスの所要時間は約10分となり、タクシーだと約7分です。
友部飛行場の跡地は、まだ使われていない土地も多く、病院への入口を入って右手に記念館の無料駐車場があります。
当方のオリジナル地図にて場所をわかるようにしておきます。
ただ、この駐車場から徒歩で5分ほど歩かないと、筑波海軍航空隊記念館にたどり着けないのが、難点で、ちょっと不親切です。
土地が空いているのですから、もっと、近いところに駐車場を設けてほしいものです。
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筑波海軍航空隊記念館への入口も、ちょっとわかりにくく、旧司令部の建物の先にある、新しい建物(下記)が筑波海軍航空隊記念館の入場口になります。
開館時間は、朝9時~17時(最終入場16時)です。
定休日は、毎週火曜日、年末年始、その他臨時休館ありとなっています。
入館料金は、おとな(18歳以上)500円、こども(小学生以上)300円で、【PR】JAF会員証を提示すると50円割引が受けられます。
見学所要時間は30分~60分といったところです。
オリジナルのお土産も売られています。
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