通潤橋とは
通潤橋(つうじゅんきょう)は2015年に観光客が11万人も訪れた熊本の人気スポットです。
江戸時代末期の1854年に建設された日本最大級の石造りのアーチ水路橋で、長さは75.6m、幅6.3m、高さ20.2mあり、国の重要文化財に指定されています。
※2023年秋に国宝指定となりました。
地元の総庄屋であった布田保之助が中心となって建造されましたが、熊本城の石垣の頑強な石積技術にヒントを得たと言います。
そして、熊本城を築いた加藤清正以来の肥後・石工集団である種山石工(たねやまいしく)の技術の高さが伺えます。
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五老ヶ滝川の谷に架けられた水路橋であり、本来の役割としては、水利に恵まれない白糸台地へ通水して、民衆を救う為の通潤用水上井手(うわいで)水路となります。
要するに主に農業用水の水路と言う事ですが、飲用と潅漑用として橋に3本の石管が通っており、農林水産省の疏水百選に選定されています。
また、石管水路の内部にたまった泥や砂を除くため橋の中央上部両側に放水口があり、農閑期には観光放水することがあり、豪快な放水は評判です。
歩いて渡ることもできましたが、橋に柵はありません。
でも、転落事故は一度もないとか・・。
なお、通潤橋に供給される水源は、橋よりも低い位置にあり、配水されるる白糸台地は、橋より更に高台です。
動力を用いずに水を高い位置に配水すると言う、日本の独自技術で実現した最初の噴水管(逆サイフォン)の橋と考えられいます。
石で作られた導水管の継ぎ目から空気が漏れないようする技術が幕末にあったというのは驚きです。
下記は布田保之助の像です。
しかし、2016年4月14日に発生した熊本地震で崩れなかったのは驚異の技術だと存じますが、石橋に亀裂が入って石が外側にせり出すなど、水漏れが発生するようになりました。
そのため、現在、通潤橋の周辺は立入禁止となっている他、改修工事が行われていました。
ただし、写真にあるように、放水はありませんが、橋そのものを離れたところから見学することはできます。
通潤橋の修理は2019年3月に終了する予定だと言います。
工事の間は、岩尾城の山腹に臨時の「見学所」が設置されており、道の駅・通潤橋や山へと5分登ると、通潤橋を高いところから見ることも可能です。
見学所は工事終了と同時に撤去されるとの事ですが、できれば、残して欲しいです。
道の駅・通潤橋には「通潤橋史料館」もあります。
ちなみに計画放水が再開される場合には、土日祝日を中心とし決められた日の午後13時からになる見込みです。
ただし、毎年5月初旬~7月下旬は農地灌漑で水が必要で、また12月~3月は石材の凍結防止のため放水は休止されます。
年間の放水予定日は「山都町観光ナビ」や「山都町観光協会」のHPなどで公開されます。
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通潤酒造、棚田や五郎ヶ滝もみごたえありますので、歴史を感じながら岩尾城も散策するのがおすすめです。
通潤橋への行き方・アクセスですが、熊本交通センターからバスで80分「通潤橋前」下車徒歩すぐです。
駐車場ですが、道の駅・通潤橋が便利で、下記の地図ポイント地点から下がったところが無料駐車場です。
また、別途通潤橋を渡るのに便利な駐車場があるのですが、訪問時通行止となっていました。
熊本地震で被害に遭われた皆様の一日も早い復興を願うばかりです。
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