善福院(ぜんぷくいん)は、和歌山県海南市下津町梅田にある天台宗の寺院です。
創建は鎌倉時代の1215年で、栄西禅師が廣福寺五ヶ院のひとつとして開基しました。
釈迦堂に安置されている釈迦如来像に嘉暦2年(1327年)の銘があるそうです。
建築様式からも当時のものと考えられている釈迦堂は、日本に現存する禅宗様仏殿として最古の部類と言う事で「国宝」に指定されています。
禅宗様式の典型的な建築になっていますが、裳階つきの禅宗仏殿であり、木割が他の仏殿に対してやや太いのが特徴です。
広福禅寺ですが、古くは七堂伽藍を誇っていました。
しかし、大旦那の加茂氏が没落し、寺も衰退したようです。
紀伊・加茂城主の加茂氏は、羽柴秀吉による紀伊征伐の際に、西国に逃れています。
その後、高野山に頼って真言宗に転宗し、伽藍を修復した模様です。
江戸時代に入ると、紀州藩の保護を受けて天台宗になりました。
明治初期までは三ヶ院が残っていたそうですが、今では善福院だけとの事です。
住職がいる時間には、庫裏でお願いすれば、200円にて堂内の拝観もできるようですが、今回は先への行程がまだ長く、急いでいるので、外からの撮影に留めました。
長保寺と比較するのは大変失礼ですが、国宝建物がある場所だけが境内のようで、狭いですが、その分、短時間で見学終了可能です。
それにしても、大変のどかなところでして、このような風景は、のちの世まで、国宝の釈迦堂と共に、ずっとずっと、残ってほしいと思います。
善福院への行き方・交通アクセスですが、ちょっと不便で、JR紀勢本線の加茂郷駅から徒歩45分となります。
タクシー利用が無難かもしれません。
クルマの場合、ゲートボール場?の脇あたりに、無料の駐車スペースが10台ほどありますが、そこまでの道は少し狭いです。
山の中に入る訳ではありませんので、カーブは多くありませんが、曲がる箇所も少しわかりにくいので、案内を見落とさずに向かってください。
見学所要時間は5分です。
当方のオリジナル地図にて、その駐車場をポイントしておきますので、カーナビ代わりにもご活用賜りますと幸いです。
ただし、近くまで行きましたら、案内板の誘導を優先して進むと、道路も走りやすいです。
なお、国道42号のバイパス工事が行われており、すぐ近くを通るようですので、将来、アクセスは更に便利になるかも知れません。
善福院の他に、わりと近くの長保寺にも国宝建物がありますので、セットでどうぞ。
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