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鎌倉・海蔵寺とは
拝観時間 : 9時30分~16時
拝観料 : 十六ノ井のみ100円
トイレ : 境内にあり
山号 : 扇谷山(せんこくざん)
宗派 : 臨済宗建長寺派
創建 : 1394年(応永元年)
開山 : 心昭空外
開基:上杉氏定
本尊:薬師如来
庭園 : 非公開(本堂の裏)
鎌倉・海蔵寺(かいぞうじ)は、神奈川県鎌倉市扇ガ谷にある臨済宗の寺院です。
鎌倉時代の1253年、宗尊親王の命を受けて、七堂伽藍を有する鎌倉・海蔵寺を、藤原仲能が創建したとあります。
鎌倉幕府が、後嵯峨上皇の皇子を新将軍とすることにし、宗尊親王(むねたかしんのう)が、1252年4月、11歳で鎌倉に入ります。
このとき、後見人として鎌倉に赴任したのが、藤原仲能です。
藤原仲能は、鎌倉幕府の評定衆にも加わり、陸奥守、伊賀守、能登守を務めました。
1256年(建長8年)12月9日に死去しますが、道智禅師と呼ばれたようで、位牌が海蔵寺に現存しています。
また、海蔵寺の裏山にあたる源氏山の葛原岡神社近くに、藤原仲能の墓跡の石碑が残っています。
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鎌倉幕府が滅亡した際に、新田義貞の軍勢などが、火をかけたようで伽藍が消失します。
その後、再建したのは、室町時代の応永元年(1394年)で、鎌倉公方・足利氏満の命を受けた上杉氏定によるものでした。
開山は、心昭空外とされ、現在の海蔵寺は、この1394年を創建として公表しています。
上杉氏定(うえすぎ-うじさだ)は、扇谷・上杉家の当主で、鎌倉公方・足利氏満、足利満兼、足利持氏の3代に仕えました。
1417年、上杉禅秀の乱の際に、鎌倉が落ち、重傷を負った上杉氏定は、藤沢・遊行寺(清浄光寺)にて自刃しています。
その後、海蔵寺は、扇谷・上杉氏に保護されたようです。
ご本尊は薬師如来(胎内に啼薬師が納められている)になります。
底脱の井
鎌倉・海蔵寺の入口右に、底脱の井(そこぬけのい)と言う湧き水があります。
鎌倉十井(じっせい)のひとつとされます。
水を汲みに来た女性が、くみあげた水桶を頭にのせたら、とたんに底がぬけ、水をあびてしまったと言う伝承があります。
この女性は、鎌倉時代に、出家した安達泰盛の娘・安達千代野(千代能)であり、「千代能がいただく桶の底ぬけて水たまらねは月もやどらず」と、詠んだ歌がのこっています。
また、上杉家の尼が「賎の女が戴く桶の底ぬけてひた身にかかる有明の月」と詠んだともあります。
現在、雨水は貯まっていることがありますが、湧水は枯れてしまったようです。
十六の井
とても不思議な16個の井戸です。
場所が分かりにくいのですが、十六の井への行き方は、海蔵寺の境内に入り、左手に進むと、赤い傘があり、100円納めて明記されています。
そこから、狭い通路を進んで、軽自動車が抜けれるほどの、短いトンネルがあり、奥に民家が見えますが、迷わず突き進みます。
トンネルを抜けて、崖沿いを少し進むと、右側の崖に穴が開いていて、その中に、十六の井があります。
4m四方の人工の洞穴になっていますが、弘法大師が掘ったと伝わります。
その洞穴の中に、床面に、16個の井戸があるのです。
規則正しく、四つずつ四列に並んでいる丸い穴ですので、人間が掘ったものであるのは、間違いなさそうです。
ただし、これが果たして井戸なのか?
岩肌からポタポタと水が染み出ている関係で、確かに水が溜まっています。
ただ、もともと、井戸目的であれば、穴は、大きな穴1個で充分ですし、近くには底脱の井などもあったので、わざわざ、崖を掘って、井戸を確保する必要性も感じられません。
と考えますと、鎌倉には「やぐら」と言い、崖に穴を掘って、納骨する風習があるため、墓地として掘ったのではと感じます。
しかし、他のやぐらと異なり、雨水が、染み出してしまったため、いつしか、墓地として使われることなく、現在に至ったのかな?と、勝手に想像しています。
なお、十六の井は有料拝観なのですが、厳密には、民家に通じる道路から行けてしまいます。
ただし、保存費用だけでなく、非公開にならないためにも、せこいことは考えず、きちんと100円奉納して、ご見学頂ければと願う次第です。
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鎌倉の紅葉は、例年10月下旬から12月中旬頃まで、楽しむことができます。
海蔵寺の境内には、公衆トイレもあります。
ご朱印は、裏口に「御朱印」の看板があります。
そこで、小さな鐘を、静かにならして、住職の方を待ちましょう。
御朱印はスタンプラリーではありません。
先客の御朱印を書いている時などには、当然、すぐにこれませんので、とにかく「静か」に待ってみてください。
交通アクセス
鎌倉駅の西口から歩くと、約1.5km、徒歩20分といったところです。
約20台ほどの拝観者用無料駐車場がありますが、土地が少ない鎌倉では珍しいです。
ただし、その駐車場までに行く、経路となる道路が、狭いうえに歩いている観光客も多いので、あまり運転して行きたくないところです。
行きだけでも、タクシー利用が良いかも知れません。
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海蔵寺から徒歩5分、手前のほうに、岩船地蔵堂や、景清の土牢(水鑑景清大居士の碑)もありますので、セットでどうぞ。
化粧坂(けわいざか)を登って、源氏山や銭洗弁天に出ても良いです。
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