高岡の瑞龍寺(ずいりゅうじ)は、富山県高岡市にある曹洞宗の寺院です。
開基は第2代の加賀藩主・前田利常になります。
ただし、本能寺の変で横死した織田信長と織田信忠らの追悼供養のため、戦国時代の1594年に前田利長が金沢に建立した現在の法円寺が、高岡・瑞龍寺の前身になります。
前田利長は、前田利家の嫡男で、江戸時代に入って、1605年に隠居して富山城に入りました。
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しかし、富山城が火災で焼失すると、新たに高岡城の築城を開始します。
この時、1613年に、寺を高岡に移転させました。
その翌年(1614年)に、前田利長が死去すると、あとを継いだ前田利常は、前田利長の菩提寺に定め、利長の法名・瑞龍院から瑞龍院とし、のち、高岡・瑞龍寺と改名することになりました。
現在、国宝に指定されている伽藍は、前田利常が1654年から着手した建物で、中国の径山万寿寺と同じように、左右に回廊をめぐらした伽藍配置となりました。
江戸初期の禅宗寺院建築としてはかなり貴重なものです。
このような伽藍配置は、かつての日本では多かったのですが、そのほとんどは焼失して失われています。
そんな中、富山の瑞龍寺には、その回廊も現存しているため、大変貴重な建物で、仏殿、法堂、山門の3つが、富山県では唯一の国宝建物になっています。
また、総門をはじめ、僧堂(禅堂)、大茶堂、高廊下、北回廊、南東回廊、南西回廊が国の重要文化財に指定されています。
特に1985年から10年間に渡った昭和・平成の大修理では約23億円を費やして、七堂伽藍が復元されました。
下記は山門(国宝)で、焼失したあと江戸時代の1820年に完成したもので、高さは約18mあります。
下記の仏殿(国宝)は、江戸時代の1659年に建てられたもので、ご本尊の釈迦如来と、普賢菩薩、文殊菩薩の釈迦三尊像などが安置されています。
法堂(国宝)は、1655年の建立です。
前田利長の位牌が、建物中央奥に安置されているそうです。
周りにある回廊の内部も歩くことができます。
高岡・瑞龍寺は、入口から有料拝観となります。
拝観時間は朝9時~16時30分まで。(12月10日~1月31日は16時閉門)
拝観料は大人500円、中高生200円、小学生100円です。
ただし、年始は無料期間があるようですので、初詣としても人気なようです。
また、春・夏・秋・冬と季節ごとにライトアップされた際には、幻想的な建物が闇夜に浮かび上がるようです。
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高岡・瑞龍寺への交通アクセス・行き方ですが、北陸新幹線・JR城端線の新高岡駅より徒歩15分か、タクシー5分となります。
無料駐車場は、入口前に10台ほどあり、他にも北側と東側で合計100台になっています。
ご御朱印は、受付に預けてから、参拝することができます。
御朱印所と拝観券販売は同じ場所です。
見学所要時間は30分~60分といったところです。
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